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カテゴリー「無線(工作)」の84件の記事

2022年10月 1日 (土)

5V単電源 ウィーンブリッジ発振器の追試

先週末、5 V 単電源のウィーンブリッジ発振器を作りました。
5V単電源 ウィーンブリッジ発振器の試作

今日は、そのヘッドホンドライブ回路について、少し見てみました。

 


発振回路で発生させた信号をヘッドホンで音を鳴らすために、
一部回路を変更しました。

20221001_0001

・ダンピング抵抗 (R12 = 24 Ω) の追加
・プルダウン抵抗 (R13) を50 kΩ から 100 kΩ に変更・・・手持ち部品の都合上

20221001_0002

 

取りあえず、ヘッドホンドライブ回路 (反転増幅器) の入力抵抗 (R9) は10 kΩ、
帰還抵抗 (VR2) は 5 kΩ 半固定 のまま動かしてみました。

横着ですがヘッドホンの L と R を単純に短絡して、
ヘッドホンドライブ回路の出力に接続しました。

 


ヘッドホンで聴いてみた感じでは、偶然にも VR2 は 5 kΩ でちょうど良い感じでした。
VR2 を 5 kΩ にすると音は若干大きめかなという感じで、
逆に 0 Ω にするとほぼ無音まで絞り込めます。

ちょうど良い音量のところで、信号波形も見てみました。
 上 (CH1) が発振回路の出力波形 (IC1 の pin 1)
 下 (CH2) がヘッドホンドライブ回路の出力波形 (J2 の pin 1)
負荷 (ヘッドホン) は、ゼンハイザー HD206 を接続

20221001_0003

だいたい、200 mVpp 弱で良い感じの音量になっているようです。

定量的な測定できていませんが、ヘッドホン端子のところでも、
まあまあ綺麗な正弦波になっているように思います。

 


この回路をベースにサイドトーンモニターを作製し、
CW キーヤーと合体させたものを作りたいと考えています。

2022年9月25日 (日)

5V単電源 ウィーンブリッジ発振器の試作

5V単電源 ウィーンブリッジ発振回路の検討から、少し時間が経ってしまいました。
 参考:5V単電源 ウィーンブリッジ発振回路の検討

暑さも和らいできたせいか、ようやく電子工作のやる気が出てきましたので、
実際に回路を組んで動かしてみました。

 


■回路■

前回シミュレーションを行った回路に準じますが、発振の Gain を決める抵抗は可変できるように、
R3 (4.3 kΩ) と VR1 (1 kΩ) に変更しています。
また、発振周波数を決めるコンデンサ C4、C6 は、0.01 µF から 0.022 µF に変更しています。

さらに、後段にヘッドホンドライブ回路 (反転増幅回路) を追加しており、
出力振幅を可変できるように、帰還抵抗を VR2 (5 kΩ) としています。

20220925_0001

 

■使用部品■

IC1 のオペアンプは、アナデバ製の AD8532AR を使いました。
低電圧の rail to rail 入出力であり、かつ出力電流が ±250 mAと大きく、
データシートにヘッドホンアンプ応用例が記載されているオペアンプです。
GB 積は 3 MHz とあまり高くないですが、扱う周波数が 1 kHz 程度と低く、
Gain も高くて 3 倍程度なので、まあ大丈夫でしょう。

Q1 の FET は手持ちの 2SK208-GR を使いました。
低周波用 FET の定番 2SK30 の表面実装パッケージ品だそうです。

R6 の 1 MΩ 以外は、いちおう金属皮膜抵抗を使いました。
発振周波数を決める C4 と C6 は、フィルムコンデンサを使いました。

 

■基板■

今回は試作なので、ユニバーサル基板で組んでも良かったのですが、
オペアンプと FET が表面実装品なので、プリント基板を作りました。
ジャンパも使わず、片面のパターンで収まりました。

20220925_0002

 

■組み立て■

プリント基板に穴を開けるのが面倒くさいので、
抵抗やコンデンサもパターン面にはんだ付けしました。
今回は試作ということもあり、部品の再利用も考慮して、
抵抗やコンデンサのリード (足) は長めにカットしています。
見た目にも、特性的にもよろしくないのでしょうが、
あくまでも試作ということで割り切っています。
※出力の終端抵抗は後から追加したので、基板には実装されていません。

20220925_0003

 

■動作確認■

回路に電圧 (約 5.5 V) 印加すると、すぐに発振波形が確認できました。
割と綺麗な正弦波が出力されており、AGC がちゃんと効いています。

発振周波数は約 755 Hz となっています。
設計値は、$$f=\frac{1}{2\pi CR}=\frac{1}{2\pi\times 0.022\mu F \times 10k\Omega}\doteqdot 723 Hz$$
なので、誤差は 4.4 % ありますが、部品 (おそらくコンデンサが主) のバラツキ範囲内なのでしょう。

VR1 を回すと、発振波形の振幅が変化します。
VR1 を回しきって 0 Ωにしても、振幅は大きくなりますが、発振波形が歪むことはありませんでした。

発振回路の出力 (IC1 の pin 1) で、振幅が 2 Vpp となるように、VR1を調整してみました。
このとき、VR1 の抵抗値は 約 143 Ωでした。

20220925_0004

 

ピーク検波後の波形も見てみました。
半波整流なので、若干サグが出ています。

写真ではカーソルを表示させていませんが、
発振波形のボトムとピーク検波後の電圧差、すなわちピーク検波用ダイオード D1 の
順方向電圧 $V_F$ は、約 0.23 V でした。

20220925_0005

 

ピーク検波電圧と FET Q1 のソース電圧との差、すなわち Q1 の$V_{GS}$ は、約 0.78 V でした。
波形の上が Q1 のソース電圧、下がピーク検波電圧です。

20220925_0006  

$2\times (V_{GS}+V_F)=2\times (0.78 V+0.23 V)=2.02 V$ となり、
(当然でしょうが) 出力振幅を 2 Vpp に調整した結果と合致しています。

 

■ちょっと考察■

FET Q1 のドレイン ー ソース間の電圧 $V_{DS}$ を見てみました。
上の波形は発振回路出力 (1 V/div)、下は Q1 の $V_{DS}$ (100 mV/div) です。
$V_{DS}$ 波形の 0 V は中心線のところなので、-20 mV 〜 +10 mVぐらいの範囲で振れています。

20220925_0007

 

ここで、2SK208 のデータシートを見てみます。
絶対最大定格に $V_{DS}$ の項はありませんので、$V_{DS}$ がマイナスに振っていても特に問題なさそうです。

 

下図は、2SK208 データシートから $I_D - V_{DS}$ のグラフを抜粋したものです。

20220925_0008

2SK208 のドレイン ー ソース間抵抗は、この特性曲線の傾きになるので、
ドレイン ー ソース間の電圧が- 20 mV 〜 +10 mV (ほぼ 0 V) で動作しているということは、
ゲート ー ソース間電圧 $V_{GS}$ の変化に対し、特性曲線の傾き すなわちドレイン ー ソース間抵抗の変化が大きいので、
AGC の制御としては好ましい動作点で動いてくれているということが分かります。

$V_{GS}$ が 0.78 V でしたので、特性曲線の傾きから大凡のドレイン ー ソース間抵抗 $R_{DS}$ を求めてみると、$$R_{DS}=\frac{2.25 V}{8 mA}\doteqdot 281 \Omega$$となります。

Q1 のソースに付いているデカップリングコンデンサ C2 は 1 µF なので、
発振周波数 755 Hz におけるインピーダンスは、$$\frac{1}{2\pi\times 755 Hz\times 1 \mu F}\doteqdot 211 \Omega$$です。
R1 と R2 (ともに 1 kΩ) が並列に付きますので、合成インピーダンスは約 194 Ω になります。

よって、発振回路の Gain を決める抵抗は、$$194 \Omega + 281 \Omega (R_{DS}) +4.3 k\Omega (R3) + 143 \Omega (VR1) = 4.918 k\Omega$$で、Gain は 3 倍強となり、発振条件に近い値になります。
計算やグラフからの読み取り誤差を考えると、まあまあ妥当な数字ではないでしょうか。
 
C2 は今回 1 µF にしましたが、発振周波数を考えるともう少し大きな値の方が良かったかも知れません。

 


サイドトーンモニタ用の発振器として考えていますので、まあ実用になりそうな感じです。

ヘッドホンドライブ回路については今回記載していませんが、
いちおう動作することは確認済みです。
ヘッドホンを繋いで、最適なレベルに合わせることは、次回の追試にしたいと考えています。

2022年9月23日 (金)

はんだこてのこて先

電子工作される方は、はんだこてのこて先はどのような形状のものをお使いなのでしょうか。

 


こて先の形状は用途によって最適な形状があることを、恥ずかしながら今まであまり意識せずに使っていました。
仕事でも趣味でも、これまではずっと B 型のこて先 (鉛筆を削った先の様な形状) を使ってきました。

最近 D 型のこて先 (マイナスの精密ドライバの様な形状) を使う機会があり、
チップ部品のはんだ付けが楽にできたことに感動しました。

早速 D 型のこて先を入手しました。
私の使っているはんだこては、少々古いですが HAKKO の 936 型です。
こて部分は S サイズの 900S-ESD なので、それに合うこて先を選びました。

220923_0001

左から、1.6D 型、1.2D 型、I 型、これまで使ってきた B 型です。

220923_0002

先端部分を少し拡大すると、形状の違いがよく分かります。
この D 型ですが、チップ部品のはんだ付け時に、基板と部品の両方に熱が伝わりやすいので、
きれいにはんだがすっと流れてくれます。

 

すべての方が D 型が使いやすいと感じるわけではないと思いますが、
私は結構気に入りまして、常用のこて先にしたいと思っています。

 


これやっと思ったら凝る方なので、
HAKKO の PRESTO のこて先も D 型に変えてみました。

220923_0003

220923_0004

こちらは少し先が太いです (3.5 mm あります)。
少し大きなものや、同軸コネクタなどのはんだ付けに良さそうかも知れません。

 


すべて、ヨドバシドットコムで買いました。
定価の 15 〜 20 % 引きで、ポイントが 10 % 付き、送料無料です。
トータルで考えると、まあまあお得だと思います。

2022年7月18日 (月)

5V単電源 ウィーンブリッジ発振回路の検討

ちょっと前に、単電源のウィーンブリッジ発振回路を検討しました。
前回は電源電圧は 9 V で検討したのですが、今回は 5 V で動作させることを考えてみました。

前回同様、回路を組む前にシミュレーションでの検討を行います。

 


前回検討した回路は、下図になります。

20220529_0001

この回路のままで単純に電源電圧を 5 V に下げても、まともに動作しないと考えます。

まず、オペアンプは入出力ともに rail to rail のものを選んだ方が良いと思います。

さらに、Q3 のエミッタフォロワは、入れることができません。
AGC の掛かる出力振幅が、Q3 の VBE の倍 (約 1.4 V) だけ大きくなり、
回路のダイナミックレンジ的に厳しくなってしまうからです。

ピーク検波回路も、Q2 のエミッタフォロワでは無く、
VFの小さい検波用ダイオードの方が良さそうです。

前回の回路で、歪みが増えてしまった原因を考えました。
それは、AGC 制御用の J-FET Q1のソース側に抵抗を移動させたことでした。
ソース側に抵抗を入れることにより、AGC 制御のゲインが下がって、
AGC 電圧のリップルが出力信号に変調を与えてしまい、
結果として出力信号の歪みになっていました。
抵抗は Q1 のドレイン側に入れないと駄目なようです。

 


そこで検討したのが、次のような回路図になります。
(結局、ほぼ基本形に戻ってしまいました)

20220718_0001

オペアンプは、5 V で動作する入出力 rail to rail の AD8539 です。
また、ピーク検波用ダイオード D1 は、VFの小さい検波用のショットキーダイオード RB876W です。
これらはシミュレーションを行う上で、LTSpice のモデルの中から適当に見つけたものを選んだだけです。

Q1 のソース側には +V/2 のバイアスを与える必要がありますが、
前述のとおり抵抗を入れると歪みが悪化するので、
適当に 1 kΩ + 1 kΩ の抵抗分圧 + 1 µF のパスコンとしてみました。
発振回路のゲインを決める抵抗 R8 はドレイン側に戻しています。

 

この回路で、シミュレーションした結果は次のようになります。

20220718_0002

波形の拡大図は、

20220718_0003

発振波形の振幅は 2 Vpp 強となっていますが、
これは R8 を 4.92 kΩ という値に調整した結果です。

R8 を小さくすれば振幅が大きくなり、
回路のダイナミックレンジに達したら波形が潰れ、矩形波っぽくなっていきます。
また、R8 を大きくすれば振幅が小さくなり、発振が止まってしまいます。
R8 の設定は、結構微妙です。

 

FFT も掛けてみました。

20220718_0004

二次歪は -70 dB 程度で、問題ないと思います。

 


さて、CW キーヤーのサイドトーンとして、出力信号を断続させる必要があるのですが、
前回の回路で検討した Q3 が使えなくなってしまったので、別の方法で実現させる必要があります。

ベタな回路でダサいのですが、アナログスイッチで出力信号を断続させることにしました。

20220718_0005

シミュレーションでは、LTSpice のモデルに有った ADG821 を使いましたが、
実際は 4052 や 4066 などの汎用 IC を使っても良いと思います。

バッファとイヤホンやヘッドホンなどのドライブを兼ねて、後段に反転アンプを設けました。
R10 を可変抵抗にして、音量調整すれば良いかと考えています。

 

この回路でシミュレーションしてみました。

20220718_0006

拡大図は、

20220718_0007

目論見どおり、信号の有無でバイアス電圧の変化がなく、動作しています。
信号の切り替わり部分が急峻なので、後段の反転アンプに軽い LPF を追加しても良いかも知れません。

 


9 V および 5 V の単一電源で動作するウィーンブリッジ発振回路が検討できましたので、
9 V 用のオペアンプとして NJM4556AV、5 V 用として AD8532AR を入手しました。
また、ピーク検波用のダイオードとして、1N60 (ショットキーダイオード型) も入手しました。
AGC 制御用の J-FET は、以前に入手した 2SK208 を使う予定です。

 

さて、9 V、5 V、どちらで作ろうか迷っています。

2022年5月29日 (日)

単電源 ウィーンブリッジ発振器を使ったサイドトーン回路の検討

前回の記事で、単電源で動作するウィーンブリッジ発振回路を検討しました。
単電源 ウィーンブリッジ発振回路の検討

この回路を使って、CW キーヤーのモニター (サイドトーン) を考えてみます。

 


要は、発振波形を断続的にすれば良いので、その方法としては、
① 発振回路の出力信号を断続する
② 発振回路のループを断続する
③ 発振回路の AGC で制御する
などが考えられます。

発振回路の出力信号の「有」と「無」でバイアス点を変えたくないので、
③の方法が良さそうに思います。
出力信号の「有」と「無」でバイアス点が変わると、いわゆる「ボツ音」が加算されてしまいます。



ここで、前回検討した単電源のウィーンブリッジ発振回路を見てみます。
20220528_0017_20220528231401

上記③の方法だと、出力信号「無」のときに AGC のライン、すなわちピークホールドの電圧を落としてやれば良いのですが、
その後出力信号「有」に切り替わったとき、ピークホールドコンデンサ C3 を充電するパスが Q2 のエミッタ抵抗 R5 しかないので、
なかなか所定の AGC 電圧まで復帰せず、結果として信号の出力がかなり遅延します。
(シミュレーションでも確認済みです)

どうしようかと考えた結果、
ピークホールド電圧をもう一回 PNP トランジスタのエミッタフォロワで受けることにしました。
エミッタフォロワの PNP トランジスタ Q3 はドライブ能力はさほど必要はありませんので、
エミッタ電流は、500 µA 程度にしてみました。
20220529_0001
20220529_0002

PNP トランジスタのエミッタフォロワでバッファした AGC 信号であれば、
出力信号「無」のときに 電圧を落としても、出力信号「有」で直ぐに戻ってくると思われるので、
ここにキーイングの制御回路を追加してみます。

なお、ピークホールド回路のエミッタフォロワ Q2 はダイオードに戻しても大丈夫だと思います。
20220529_0003

キーイングの立ち上がりが若干鈍りますが、
何とかバイアス点を変化させずに発振波形を断続させることができました。
20220529_0004
波形の拡大図です。
20220529_0005
FFTを掛けてみました。
単電源化したときと比べて、歪みの悪化はほとんど無いと思われます。
20220529_0006

 


ここまでは机上検討です。
近いうちに実デバイスで実験してみたいと思います。

 

今回検討した回路は、あまりスマートではないかと思います。
ド素人が偉そうなことを言いますが、
回路の「答えは」一つではないので、設計にもそれぞれ個性があっても良いと思います。
そういうところが、アナログ回路の面白さでもあると思います。

2022年5月28日 (土)

単電源 ウィーンブリッジ発振回路の検討

ウィーンブリッジ発振回路を調べていると、
単電源の回路例は幾つか見つかるものの、
大概は正負電源を使った回路で紹介されています。

正負電源を使うメリットもありますが、
ちょっとした自作回路で負電源まで用意するのは面倒くさいので、
やはり単電源で動作する回路が欲しくなります。

自分でも単電源のウィーンブリッジ発振回路を考えてみようと思いましたので、
備忘録として残しておきます。

 


今回は実際に回路を組むのではなく、シミュレーションで検討します。
シミュレーターは、(あまり好きではないですが) LTSpice にしました。

ベースとなる回路は、Educational フォルダ内にある Wien.asc です。
このファイルをコピーして、Wien_SingleSupply.asc とでもしておきます。

macOS 版の LTSpice を初めて使ってみましたが、
Windows 版と見た目が全然違うので、少々戸惑いました。

20220528_0001

 

まず、このままでシミュレーションしてみます。
20220528_0002

一部拡大した波形は、
20220528_0003

FFT も掛けてみます。
20220528_0004

当然でしょうが、計算値どおり約1.6kHzで発振しており、
歪みも少ないようです。

 


ベースとなる回路の確認ができましたので、
ここから Step by Step で単電源化していきます。
面倒くさいですが、一気に変えてしまうと、
どこでミスしたかが分かりにくくなるからです。

単電源の電圧は、一旦 9 V を目標にします。
9 V でこの回路が動作するかどうか確認するため、
V1 の電圧を 4.5 V、V2 の電圧を -4.5 V としてシミュレーションしてみます。
20220528_0005

ちゃんと発振してくれます。
20220528_0006

次に、単電源にします。

V1 の電圧を 9 V とします。
V2 の電圧は 4.5 V として、bias という net 名を付けます。

元の回路で -V の箇所を GND に、GND だった箇所を bias に変更します。
つまり、元回路から 4.5 V オフセットさせて動作させる形になります。
20220528_0007 

動作の中心が 4.5 V になりました。
20220528_0008

ここで、ピークホールド回路のダイオード D1 を、PNP トランジスタのエミッタフォロワに変えます。
この変更は、自分が理解しやすくするためなので、必須ではありません。

このとき、PNPトランジスタ Q2 のエミッタ抵抗は bias ではなく、電源 +V に接続します。
ピークホールド用コンデンサ C3 も同様に電源 +V に接続します。
C3GND に接続してしまうと、電源投入時に発振ループが最小ゲインからスタートするので、
上手く発振してくれない可能性がありますので注意が必要です。
20220528_0009 20220528_0010

次に、R4 の接続先の bias を無くします。
ここは、電圧 4.5V (=+V/2)、インピーダンス 10 kΩ なので、
+VGND 間を 20 kΩ の抵抗分割に変換します。

C2 の接続先は GND でも大丈夫だと思います。
20220528_0011

C2GND に接続した影響か、発振開始が少し遅れるようになりましたが、
何とか発振しています。
(C2+V に接続した方が、若干発振開始が早いようです)
20220528_0012

次は、ゲイン調整用 J-FET Q1 に接続されている bias を何とか無くすことを考えます。
AGC の電圧が若干変わるかも知れませんが、Q1R2 を入れ替えてみます。
20220528_001320220528_0014

最後に、R2 に接続されている bias を無くします。
先ほどの R4 と同様に、+VGND 間の 9.8 kΩ の抵抗分割に変換します。
20220528_001520220528_0016

これで bias が消えましたので、V2 を削除します。
あと、R2R7 ですが、9.8 kΩ という抵抗は手に入りにくいので、
E24 系列の抵抗値で何とかなるように工夫します。
元々のインピーダンスが 4.9 kΩなので、1 kΩ と 3.9 kΩ に分解して、
1 kΩ の部分を 2 kΩ の抵抗分割に変換します。
20220528_0017

20220528_0018

波形を拡大してみます。
綺麗な正弦波のように見えます。
20220528_0019

FFTを掛けてみます。
若干歪みが悪くなったようです。
20220528_0020

 


何とか単電源でウィーンブリッジを動かすことができました。
ただ、あくまでもシミュレーションでの机上検討のお話です。
実際に回路を組むときには、もう少し検討が必要かと思います。

キーヤーのサイドトーン用に検討しようと思って始めましたが、
長くなってしまったので、キーイング回路の追加は別記事で残します。 

2021年4月30日 (金)

精密圧着ペンチを購入

配線と基板、または配線同士を接続する際、コネクタを使うことがあります。
私の工作では、JST 製の EH シリーズ圧着コネクタを結構使っています。

コネクタで面倒くさいのが、配線をコンタクトピンでカシメる作業です。

専用の圧着工具があるのは知っていましたし、昔に職場で使ったこともあります。
ただし、数万円と高価ですし、コネクタの種類毎に揃える必要があり、
とてもそんなものは買えませんでした。

なので今までは、ラジオペンチなどでコンタクトピンをかしめてました。
ただカシメが不充分なことが多く、ハンダを流し込んでごまかしていました。
また、配線の被覆部分のカシメが中々上手く行かず、失敗することも多かったです。
作業中にコンタクトピンの尖った部分 (被覆部分のカシメ部分) が指に突き刺さり、
怪我をすることも時々ありました。

このような状況だったので、コネクタの処理は本当に苦痛でした。

 


たまたまインターネットを見ていたら、コネクタのコンタクトピンをカシメるのに、
精密圧着ペンチが使えるということを知りました。

もう少し詳しく調べると、ENGINEER 製の PA-09 が良さそうです。
ENGINEER 製だと、PA-20 や PA-21 も使えそうですが、
小型コネクタを使う機会の方が多いのではないかと思い、
早速、PA-09 をネット通販で購入しました。

20210430_0001

使い方に関しては、メーカーのホームページや個人ブログなど、
いろいろとインターネット上に情報がありますので、ここでは敢えて書きません。

 


早速使ってみましたが、ちょっとコツを掴めば、簡単に綺麗にカシメることができます。
これで本当に、コンタクトピンの処理が楽になりました。
大げさかも知れませんが、今まで苦痛だった作業が、逆に楽しくなるぐらいです。
もっと早く手に入れておきたかったです。

 

こういう便利な工具を手に入れると、工作意欲が増しますね。

2021年4月29日 (木)

USBオーディオインターフェース装置の製作

一ヶ月ぶりのブログ更新です。

タイトルは大層なのですが、活用できていなかった部品や基板を組み合わせて、
USB 経由で PC へ音声信号の入出力ができる装置を完成させました。

同等以上の性能の市販 USB オーディオインターフェースは、もっと安く買うことができると思います。
しかし、死蔵しかけていた遊休部品の有効活用を兼ねて、製作することにしました。


USB オーディオコーデックは、7年ほど前に購入したデジットのキットを使用しました。
基板自体は、2015 年の正月ごろに完成済みです。

20210429_0001

 

音声入力は、以前に製作したマイクアンプ Ver.2 を使用しました。
https://ji3csh.air-nifty.com/blog/2020/12/post-a57d80.html
https://ji3csh.air-nifty.com/blog/2021/01/post-940bb1.html

 


今回追加で製作した基板は、電源回路とヘッドホンアンプです。

電源回路は、ヘッドホンアンプに供給する ±9 V と、
USB オーディオコーデックおよびマイクアンプ供給する +5 V を生成します。
+5 V は、アナログ回路用とデジタル回路用とで分けるため、二系統設けました。

20210429_0002

回路は平凡なものです。
センタータップ付きのトランスに接続し、正負両電源を得ています。

20210429_0003

 

ヘッドホンアンプは、以前に製作したヘッドホンアンプの部品を流用しました。
https://ji3csh.air-nifty.com/blog/2018/06/1-1bb9.html
https://ji3csh.air-nifty.com/blog/2018/06/tpa6120a2-2-6f8.html
https://ji3csh.air-nifty.com/blog/2018/06/tpa6120a2-3-52a.html
(ちなみに、現在普段使っているヘッドホンアンプは、Ver.2 にアップデートしています)

20210429_0004

以前作ったヘッドホンアンプからは少し回路を変えています。
電源電圧は、±9 V としました。
TPA6120A2 は、Gain = 1 で使用しています。
その代わり、OPA2604 で Gain = 3 としています。
入力は電解コンデンサでカップリングして、DC カットさせました。

20210429_0005

 


出来上がった基板を並べてみました。
全て同じサイズで作っています。

20210429_0006

 

ケースに組み上げました。
ケースは、タカチの CU-14N です。
以前ヘッドホンアンプ用に購入したものの、結局使わず仕舞いで眠っていたものです。
中身はスカスカですが、良いサイズのケースが見つからなかったので、
遊休部品を活用することにしました。

20210429_0007

USB オーディオコーデック基板と電源基板は積み重ねています。

20210429_0008

パネル前面は、シールやレタリングを貼っていないので、非常に寂しい感じです。
向かって左側が MIC IN、右側が HEADPHONE OUT です。

20210429_0009

スイッチはパネル背面にあります。
USB コネクタも背面です。

20210429_0010

 


USB オーディオコーデックの PCM2906C のサンプリングが 16 bit / 48 kHz までなので、
特に高音質が得られる訳ではありませんが、オンライン会議や無線用途では充分かと思います。

2021年3月30日 (火)

ACライン用コモンモードフィルタのケース更新

30 年ほど前に、ハムショップマッコイ (だったと思います) の通信販売で購入した
AC ライン用コモンモードフィルタ MAF-20 です。

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元々は AC コードも AC アウトレットも付いていませんでしたが,
ケースを加工して使いやすいようにしていました。

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長年使ってきたので,ケースが割れてきたり,AC アウトレットの内部端子が曲がってきたり,
AC コード部分のゴムブッシュがちぎれてきたり、かなりガタがきていました。

そこで、ケースを交換することにしました。

 


まずは、AC ライン用コモンモードフィルタを取り外します。
このコモンモードフィルタは、いわゆるキャンセル巻のタイプです。
フィルタの両端には、元からコンデンサが付いていませんでした。

リニアアンプ用に、電流容量の大きい AC ライン用コモンモードフィルタ (型番は失念) も
同時に購入しましたが,そちらはフィルタの両端にコンデンサが付いていたと思います。
実家のどこかで眠っているはずです。

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元のケースと同じものが手に入らなかったので、今回はテイシンの TB-54-B を購入しました。
幅,高さが一回り大きいものになります。
AC アウトレットも新調しました。

元のケースに収めていたときは、クッションになるようなものは入れてなかったので、
フィルタのビビり音 (特に PC の AC アダプタを接続したときに顕著) が気になりました。
なので、ケースの底面と蓋の裏面に、緩衝材になりそうなものを貼り付けました。

AC ケーブルとフィルタ,AC アウトレットとフィルタの接続部分、
すなわち AC 100 V がむき出しになる部分には、自己融着テープを巻いて保護しておきました。
熱収縮チューブがあれば良かったのですが,手持ちが無かったので...
見てくれは良くないですが,気休め程度にはなるかと思います。

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こんな感じで完成です。

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2021年3月17日 (水)

ヘッドホンアンプ保護回路の製作

以前自作したヘッドホンアンプは、ほぼ常時パソコンに接続した状態になっています。
音楽や動画などを視聴するときは、ヘッドホンアンプの電源を入れていますが、
ヘッドホンアンプを使わないときは電源を切っています。

この電源を切った状態でパソコンのヘッドホン端子と接続するのは、好ましくありません。
例えばパソコンの警告音やゴミ箱を空にする音など、不意に音声が出力されたとき、
無電源状態のヘッドホンアンプ入力回路 (IC) に電圧を掛けてしまうことになってしまいます。

IC には絶対最大定格が定められており、自作ヘッドホンアンプの入力 IC である DRV135 の
入力端子の絶対最大定格は、V- 〜 V+ (すなわち負電源電圧 〜 正電源電圧) となっています。
(DRV135 データシートより)
電源を切った状態では、負電源電圧 = 正電源電圧 = 0 V なので、入力端子には正負どちらの
電圧も印加してはならないのです。
絶対最大定格を超えると、IC がダメージを受ける、壊れるなどの可能性が非常に高くなります。

パソコンとヘッドホンアンプの接続を外す、音声出力ボリュームを最小にしておく、もしくは
パソコンを使うときは常時ヘッドホンアンプの電源を ON にするなどすれば問題無いですが、
面倒くさかったり、たまに忘れてしまったりすることもあります。

 


前置きが長くなりましたが、ヘッドホンアンプの電源を OFF にしているときは、
入力回路も切ってしまおうということで、保護回路を作ることにしました。

回路は単純で、ヘッドホンアンプの電源に連動してリレーで入力回路を切り替えるだけです。
ついでに出力回路側もリレーで切り替えるようにしました。
また、電源 ON 時の簡単な遅延回路も入れました。

 

下図は製作当初の回路図です。
12 V 用のリレーを、MOSFET 2N7000 で制御しています。
R1 (470 kΩ) と C1 (10 µF) で、簡単な遅延回路を構成しています。
C1 が電解コンデンサであり温度特性が良くないこと、MOSFET の閾値電圧 (VTH) に
温度特性があることから、遅延時間の精度はあまり良くなく、あくまでも簡易的なものです。
電源 OFF 時には、C1 の電圧を D1 で急速に放電させます。

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ヘッドホンアンプの大きさに合わせて、プリント基板を作り、基板を組み上げました。

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ケースへの組み込みは、多層構造 (ヘッドホンアンプの下に配置) としました。

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動作を確認しましたが、入力回路、出力回路の切り替えは問題無さそうです。
特に電源 OFF 時のボツ音は、かなり軽減されるようになりました。

しかし、電源 ON 時の遅延がほとんど無く、電源 ON とほぼ同時にリレーが切り替わってしまいます。
何故そうなってしまうのか少し悩みましたが、
 ① CR の時定数が小さいこと
 ② 2N7000 の閾値電圧 (VTH) 2.1 V に対し、電源電圧が 12 V と高いこと
が原因と考えました。

特に ② が支配的であるのではないかと考え、対策として C1 と並列に 470 kΩ の抵抗を
追加することにしました。
変更後の回路図は次のとおりです。

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これで、約 1 秒程度の遅延が得られるようになりました。
追加の抵抗は、基板の裏面に付けました。

 


あまり褒められた回路ではないと思いますが、
これで気兼ねなくパソコンとヘッドホンアンプを常時接続し、
ヘッドホンアンプの電源を切ることができるようになりました。

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