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カテゴリー「無線(工作)」の117件の記事

2026年3月29日 (日)

ボイスメモリ用 IC ISD2560, ISD1012, APR33A3の比較まとめ

興味のない方は、どうぞここでページを離れてください。

先日測定した ISD2560 および ISD1012 は、MIC AMP(AGC AMP)を介さず、
ANA_IN 端子から信号を入力して評価を行いました。
一方、参考比較として取り上げた APR33A3 は、MIC AMP を含めた条件での特性でした。

一般的に、余計な回路を介さない方が良好な結果が得られるため、
APR33A3 は不利な条件で測定されていたことになります。
そこで、同一条件にて再度比較を実施しました。

APR33A3 に関しては、以前の評価で「ボコボコノイズ」に手こずっていましたが、
トランスを通して差動かつ絶縁で信号を入れることで、うまく改善できました。

なお、CQマシーンについては別の方式を検討しており、
これらの IC を使用する可能性は低いと考えています。
しかし、これまでに様々な検討を行ってきた経緯もあるため、
(個人的に特性が満足できないものも含めて) 備忘録として整理しておきます。

 


ここで改めて、ISD2560、ISD1012、および APR33A3 の録再機能に関するスペック比較を示します。

品種名 録音時間 サンプリングクロック 信号通過帯域
ISD2560 60秒 8.0kHz 3.4 kHz
ISD1012 12秒 10.6kHz 4.5 kHz
APR33A3 341秒 12kHz ?

 

1. 「無信号」の録音/再生

APR33A3 の圧倒的勝利です。

ISD2560 と ISD1012 は、MIC AMP(AGC AMP)を介すことで、
無信号時は AGC が効いて最大ゲインとなり、
ノイズまでしっかり増幅してしまいます。
そのため、ANA_IN から直接入力した場合と比べると、
聴感でもはっきり分かるレベルで劣化しています。

一方で、APR33A3 はかなり良好な結果です。
この違いを見ると、APR33A3 の MIC AMP には AGC が入っていないのか、
あるいは動作の仕方が異なるのではないかと感じます。

1-1. ISD2560

20260329_0001

 

1-2. ISD1012

20260329_0003

 

1-3. APR33A3

20260329_0005

 


2. 「1000 Hz 正弦波」の録音/再生

ISD2560、ISD1012、APR33A3 のいずれにもノイズは重畳していますが、
その性質はそれぞれ異なっています。
ISD2560 はハム音的なノイズ、
ISD1012 はホワイトノイズ的な成分が目立ち、
APR33A3 はシャリシャリとした高域ノイズといった印象です。

2-1. ISD2560

20260329_0007

 

2-2. ISD1012

20260329_0009

 

2-3. APR33A3

20260329_0011

 


3. 「200 Hz 正弦波」の録音/再生

スペクトル上では APR33A3 が良好に見えますが、
聴感上では  ISD2560 と比べてわずかによいかなという程度で
大きな差はないように感じます。
一方、ISD1012 は「サーッ」というノイズが目立ちます。

3-1. ISD2560

20260329_0013

 

3-2. ISD1012

20260329_0015

 

3-3. APR33A3

20260329_0017

 


4. 「2500 Hz 正弦波」の録音/再生

重畳しているノイズは 1000 Hz のときと同様の傾向で、
ISD2560 はハム音的なノイズ、
ISD1012 はホワイトノイズ的な成分、
APR33A3 はシャリシャリとした高域ノイズです。

4-1. ISD2560

20260329_0019

 

4-2. ISD1012

20260329_0021

 

4-3. APR33A3

20260329_0023

 


三品三様の特性ですが、どれも一長一短で、正直イマイチな印象です。
これまでの結果を見ると、ISD2560 を MIC AMP を介さずに、
ANA IN から直接入力するのが一番良かったです。
結果はこちら

しかし、冒頭に書きましたとおり、別案に考えが傾いています。
残念ながら、これらの IC はお蔵入り (またはゴミ箱行き) になることと思います。
欲しいと思われる物好きな方がおられるならば、お譲りします。

2026年3月15日 (日)

ボイスメモリ用 IC ISD2560 の動作確認

興味のない方は、どうぞここでページを離れてください。

CQマシーンを製作しようと思って30年近く前に入手したボイスメモリ用 IC「ISD2560」、
再び引っ張り出してきました。
今さらですが、その性能がどの程度のものなのか、もう一度詳しく確かめてみたくなったからです。

結論から言うと、ISD2560はギリギリCQマシーンに使えそうかな、という印象です。
以前に入手したISD1012 や APR33A3よりは良さそうで、この手の録再可能な1チップ IC は、
単純にサンプリング周波数の高低だけでは音質は語れないものがあることを思い知らされました。

かなり今さらな内容ですが、備忘録も兼ねて書いています。


■確認の目的

ISD2560をCQマシーンで使ったとき、果たして自分が納得できる性能が出るのか――。
今回はそこを確かめるのが目的です。

 

■評価環境

下の回路図をもとに基板を作り、実際に動作を確認しながら評価を行いました。

20260315_0001

プリント基板は、今回も自作してみました。

20260315_0002

音声の録音ですが、今回は MIC AMP(AGC AMP)は使わず、ANA_IN から直接信号を入力してみました。
AGC Filter は Vcc にプルアップして Gain Minimum とし、MIC AMP からの余計な影響を排除してあります。
具体的には、JP1 と JP2 をそれぞれジャンパで接続し、J6 の LINE_IN から信号を入れています。
ANA_IN から直接信号を入力したのは、MIC AMP の不要な AGC 特性を排除し、
この IC 本来の録音・再生性能を確認できるのではないかと期待したためです。

データシートによると、ANA_IN の最大入力レベルは 50 mVpp です。
また、ANA_IN の入力インピーダンスは 3 kΩ です。
今回製作した基板では、ANA_IN に 5.1 kΩ の抵抗が直列に接続されているため、
入力レベルは 3 kΩ と 5.1 kΩ によって分圧されます。
基板の LINE_IN に 100 mVpp を入力すると、
実際に ANA_IN に印加されているレベルは約 37 mVpp となります。

再生出力信号は、デジタルモード用インターフェースを通してPCに取り込み、
Wave Spectraを使って解析してみました。

ISD2560 の最大音声出力は 2.5 Vpp です。
一方、デジタルモード用インターフェースで使用している PCM2903C の最大音声入力
(フルスケール=Wave Spectra での 0 dB)は約 2.0 Vpp です。
PCM2903C の手前にはゲイン 1/5 倍の増幅回路を設けているため、
ISD2560 の最大音声出力を基準に換算したフルスケールは約 −12 dB となります。
少し特殊な設定ですが、解析時にはこの点を十分に考慮しておく必要があります。

電源経由で入ってくる 60 Hz のコモンモードノイズの影響を避けるため、
評価基板は電池で駆動し、PCもバッテリーで動作させて測定しました。
ノイズの少ない状態で特性を確認するにはやはりこれが一番です。

 

■評価結果

①Power Down モード

20260315_0003

Power Down モードでは、ノイズレベルは -120 dB 以下です。
フルスケールが -12dB であることを差し引いても、さすがにノイズはほとんど気にならないレベルと言ってよいでしょう。

 

②Stand by モード

20260315_0004

低周波領域では少しノイズレベルが上がりますが、
それでも -110dB 程度なので、実用上はほとんど気にならないレベルでしょう。

 

③無信号の録音/再生

20260315_0005

さすがに、少しノイズが気になるレベルかもしれません。
低い周波数領域では -80〜-90dB程度、500Hz以上でも -100dB程度です。
特に 80 Hz 付近の成分が少し目立ちますが、何が原因なのかは今のところ不明です。
また、高い周波数領域に多くのピークが見られます。

どうやら、これらのピークは IC の個体差があるようです。
同じ型番でも、微妙に特性が違うものがあります。

録音データです。僅かにサーっといったノイズが聞こえます。

 

20260315_0006

これは、同じ型番の 別の IC です。
先ほどの IC に比べると、80Hz に加えて 160Hz あたりのピーク も見られます。
全体的に見ると、若干ノイズ性能は先の IC よりも劣るかもしれません。

 

20260315_0007

これは、手持ちの中でも 特性が一番悪かった IC です。
ピークの数も多く、レベルも高めなので、ノイズ性能はあまり良くなさそうです。
やはり個体差が影響しているようですね。

 

④ホワイトノイズ

 20260315_0008

ホワイトノイズを録音して再生し、周波数特性を確認してみました。
結果を見ると、おおむね 3 kHz くらいまでフラットな特性のようです。

 

⑤1 kHz 正弦波 (録音入力 100mVpp)

20260315_0009

二次歪みは -50 dB 程度 なので、リニアリティはさほど悪くなさそうです。
ただ、1kHz のピーク周辺に見られるサイドバンドは、80 Hz または 160 Hz との相互変調によるものかもしれません。
やはり、低周波のノイズ成分が影響している可能性がありますね。

録音データです。信号有りの状態だけだと、さほどノイズは気にならなさそうです。

1 kHz と無信号の差を比較してみてください。無信号時のノイズが気になり出します。

 

⑥1 kHz 正弦波 (録音入力 50mVpp)

20260315_0010

少し入力レベルを下げてみました。
その結果、二次歪みは -60dB 程度 まで改善しました。
ただし、1kHz のピーク周辺に見られるサイドバンドは、入力レベルを変えてもほとんど変化がありませんでした。

50 mV と無信号ノイズの差を比べてみてください。許容できますでしょうかね。

 

⑦100 Hz 正弦波 (録音入力 100mVpp)

20260315_0011

 

⑧200 Hz 正弦波 (録音入力 100mVpp)

20260315_0012

 

⑨300 Hz 正弦波 (録音入力 100mVpp)

20260315_0013

 

⑩500 Hz 正弦波 (録音入力 100mVpp)

20260315_0014

 

⑪800 Hz 正弦波 (録音入力 100mVpp)

20260315_0015

 

⑫1.5k Hz 正弦波 (録音入力 100mVpp)

20260315_0016

 

⑬2 kHz 正弦波 (録音入力 100mVpp)

20260315_0017

 

⑭3 kHz 正弦波 (録音入力 100mVpp)

20260315_0018

さすがに 3kHz 付近 までくると、折返しノイズのピーク(約5kHz)が目立ってきます。
やはり、きちんと アンチエイリアシングフィルタ を設ける必要がありそうです。

 

⑮4 kHz 正弦波 (録音入力 100mVpp)

20260315_0019

サンプリング周波数が 8 kHz なので、その半分の 4 kHz ではもうまともに録音・再生はできません。

 

⑯5 kHz 正弦波 (録音入力 100mVpp)

20260315_0020

折り返りが 3 kHz となって見えています。

 

■その他

ISD2560 を入手する以前に手に入れた ISD1012 についても、少し調べてみました。
録音時間は 12秒と短いものの、ISD2560 よりサンプリング周波数が高く、音質の向上が期待できそうだったからです。

20260315_0021

しかし、期待はあっさり裏切られました。
ノイズレベルは -80 dB 程度 と ISD2560 より高く、音質もあまり良くなさそうです。
サンプリング周波数が高いだけでは音質向上には直結しないようですね。

20260315_0022

1 kHzを録音したデータです。ノイズレベルが高いのが分かります。

さらに、以前測定した APR33A3 と比べても、APR33A3 の方がノイズレベルは高そうです。
こちらも単にサンプリング周波数が高いだけで、音質が良いとは言えなさそうですね。

20231229_0006

 

■結論

ISD2560 のノイズレベル(ノイズフロア)とフルスケールの差は 約 70 dB あり、
この数値だけで言うと CQ マシーンに使用するにはまず問題なさそうです。
ただし、80 Hz や 160 Hz 付近のノイズピークが少し気になります。
実際に音を聞いてみると、かすかにノイズが重畳されているのが分かります。
CQ マシーンとして実際に使ってみたとき (特に FM モード)、気になるかどうかは
微妙なところかもしれません。

ISD1012 は期待外れだったので、もはやゴミです。

2025年2月24日 (月)

CMOSキーヤー Ver.3 の製作

その後も JO1VYV 局と何度かやりとりさせていただき、
その中で話題として挙がった
 ダイワインダストリ社のエレキー DK-200 / DK-210 の回路をベースに、
 短点メモリー/長点メモリーのアクセプト区間を可変できるもの
というアイデアを拝借し、CMOS キーヤー Ver.3 として作ってみました。

なお、DK-200/DK-210 の回路図と取扱説明書は、
現在でも下記からダウンロードできます。

回路図  :http://www.daiwa-industry.co.jp/ftp/DK-200_210_schematic.pdf
取扱説明書:http://www.daiwa-industry.co.jp/ftp/DK-200_210_manual.pdf

アクセプト区間とは、次に送出する符号の予約 (メモリー) を、
いま送出している符号の何パーセントの期間に受け付ける (アクセプトする)
かのことで、下記記事でも少し触れています。
https://ji3csh.air-nifty.com/blog/2020/08/post-c0eeaa.html

 


■回路■

CMOS キーヤー Ver.3 は、電源電圧を 9 V として再設計。
サイドトーンモニター回路で使用するオペアンプは、
9 V でも使用可能な NJM4556AV に変更。 
発振出力振幅は変更するつもりはなかったので、
ウィーンブリッジ発振回路 AGC 用抵抗の値は Ver.2 から変更せず。

DK-200/DK-210 の回路にある TUNE と SEMI (バグキーモード) は
特に必要性を感じていないので省略。

その他、
・サイドトーンモニター回路の電源が OFF できない問題を対策
・サイドトーンモニターの音量を絞ったときに残留しているノイズ (発振出力信号の漏れ) を対策
・ライン出力を削除
・外部キー入力回路の追加 (ただし、エレキー出力優先)
を盛り込みました。

できあがった回路図は以下のとおり。
20250224_0001

スピード調整は Ver.2 と同じく、16 wpm 〜 38 wpm の 12 段切り替え。
抵抗は別基板に実装。

サイドトーンモニターを ON したとき、
ヘッドホンで聴いていると耳が痛くなるぐらいの派手なポップ音が発生するので、
サイドトーンモニター ON 時のミュート回路も追加 (別基板に実装)。

20250224_0002

 


■基板■

CMOS キーヤー Ver.3 のメイン基板は面実装部品にこだわり、
コネクタ以外は全て面実装部品で構成。
基板は毎度の JLCPCB に依頼し、4 層基板で製作。
この程度の回路で 4 層基板を使用するのはどうかと思いましたが、
電源 / GND 配線を内層で引くことで他の配線がぐっと楽になり、
かつ大幅なコストアップにはならないので、迷わず 4 層を選択。

20250224_0003

別基板は、片面銅箔の紙フェノール基板 (FR-1) を用いて自作。

20250224_0004

 


■組み立て■

生基板自体は 1 月中旬に入手していたのですが、
仕事が多忙で、合間を見て組み立てていきましたので、
時間が掛かってしまいました。

メイン基板 (表面)

20250224_0005

メイン基板 (裏面)

20250224_0006

別基板 (表面)

20250224_0007

別基板 (裏面)

20250224_0008

 

これらの基板は、Ver.2 で使用していたケースに収納。
電池ケース (単三 × 6 本用) が大きくなり、結構キツキツな状態。

20250224_0009

メイン基板と別基板は二階建て構造。メイン基板は上段。

20250224_0010

 


■動作確認■

特に問題なく、すんなり動作しました。

サイドトーンモニターは、Ver.2 での不具合は解消されており、
ボリュームを絞ってもノイズ (漏れ信号) は聞こえませんでした。
音量が若干小さいように思いますが、実使用では許容範囲内です。

スピード設定も、ほぼ目標値どおりとなっています。
1 短点の長さが 60 ms のとき 20 wpm として換算すると、

設定値
(wpm)
1短点長 実測値
(ms)
換算スピード
(wpm)
16 75.20 16.0
18 67.40 17.8
20 60.20 19.9
22 55.20 21.7
24 50.20 23.9
26 46.40 25.9
28 43.00 27.9
30 40.20 29.9
32 37.60 31.9
34 35.40 33.9
36 33.60 35.7
38 31.50 38.1

 

アクセプト区間の切り替えによる差異は、何となく感じるかなというところです。
いろいろと試した結果、
・短点メモリーは、長点符号の 50 % 区間
・長点メモリーは、ON (こちらは 0 % か 100 % しかない)
が自分にはしっくりくるかなという感じです。
ただ、スピードが遅いときは、短点メモリーは 75 % でも良いかなとも思います。
(ゆっくりの和文で、 を打ちたいところ、短点が一つ欠けてよく  になってしまう)

 


私の常用エレキーは、これで完成形にしようと思います。

2025年2月22日 (土)

KiCAD 9.0.0 リリース

KiCAD の 8.0.9 と 9.0.0 が立て続けにリリースされました。

https://www.kicad.org

KiCAD 8 で充分事足りているので、
しばらくは、8.0.9 で様子見しようと思います。

2024年10月21日 (月)

DAIWAエレクトロニックキーヤー DK-200/-210の回路を調べてみました

きっかけは、先日 JO1VYV 局から届いた 1本のメールです。

その内容は、2020年8月20日に書いた
 「汎用 CMOS ロジック IC を使ったキーヤーの製作」
の文中で、
昔発売していた、DAIWA のエレキー DK-200 / DK-210 がこの回路を採用していたと思います。
の一文に対するコメントでした。

 


JO1VYV 局は、開局当時より DAIWA エレクトロニックキーヤー DK-210 を
使用しておられたようで、その後エレキーをいろいろと自作されたものの、
DK-210 と同じ使用感のものに巡り会うことができなかったとのことです。

自作されたエレキーは CQ 誌などの雑誌記事の回路が元になっており、
DK-200 / DK-210 も何か元となる回路があるのではと探し続けておられましたが、
上記の一文で長年の疑問が解けたとのことでした。

その後何度かメールでやりとりし、情報交換させていただきました。

DK-200 / DK210 のスクイーズ動作時での短点メモリは、
長点の後半1/2期間のみ受け付けるようです。
JO1VYV 局も私も、長点後半1/2期間の短点メモリの DK-200 / DK-210 に
使い慣れて (癖がついて) しまい、リグ内蔵のエレキーを含む他のエレキーでは馴染めず、
短点が余計に送出されてしまうようになってしまったようです。

JO1VYV 局曰く、短点メモリの位置と打ちやすさの違いの関係などを
気にされるような方は周囲にもおられなかったようなので、
同じ悩み (?) を語っていた私の拙筆記事に共感をいただいたようです。

 


さて、ここで一瞬不安がよぎりました。

上述の、「昔発売していた、DAIWA のエレキー DK-200 / DK-210 がこの回路を採用していたと思います。
の一文は本当でしょうか。

その昔、DK-200 / DK-210の回路図 (取扱説明書に記載がありました) を見たときに、
詳細に比較したのか、使用されているICを見て類似していると思い込んだのか、
当時のことは思い出せません。

 

JO1VYV 局から DK-200 / DK-210 の取扱説明書のコピーを送っていただきましたので、
原典と思われるCQ 誌 1981 年 9 月号に掲載の
 「アクセプト区間を工夫した メモリー付きエレキー」(JA4DWQ OM 著)
の回路図と、再度比較してみました。

 

20241021_0001
DK-200 / DK-210 取扱説明書 (JO1VYV 提供) より抜粋 (低解像度に加工)

 

20241021_0002
CQ 誌 1981 年 9 月号の記事より抜粋 (低解像度に加工)

DK-200 / DK-210 の回路図を、論理記号レベルに落とし込んだ形で
KiCad の回路図に入力していきました。



結論としては、
予想どおりDK-200 / DK-210の回路はCQ誌の回路と基本的に同等であり、
CQ誌の回路がベースとなっていると思われます。

20241021_0003
DK-200 / DK-210 取扱説明書 (JO1VYV 提供) より抜粋 (低解像度に加工)

20241021_0004
DK-200 / DK-210 回路を論理記号レベルに落とし込んだ回路図 (低解像度に加工)

この回路図を見ると、DK-200 / DK-210短点メモリーも、
長点の後半50%部分で掛かるようになっていることが分かります。

ただ、基準クロック発生部分がちょっと異なっていたり、
TUNEやSEMI (バグキーモード) などが追加されていたり、
WEIGHTで符号を鈍らせる回路が追加されていたりと、
いくつかアレンジされている部分もありました。

これで私もスッキリしました。

 


今回のやりとりでは短点メモリの掛かり方だけでいろいろと話題は盛り上がり、
こんな細かいことではあるものの、奥が深いなぁと感じました。

素晴らしい回路を考案され、CQ誌に投稿された JA4DWQ OM と、
それをベースに使いやすいキーヤーを製品化した (と思われる) DK-200 / DK-210 に感謝しつつ、
今回自作した CMOS キーヤー (Ver.2 ですが) を使い続けていきます。

JO1VYV 局は、
「ロジックICで構成したエレキ―はアマチュア無線の文化遺産だと思っています」
と仰っていました。
こんなマイナーなブログの誰も感心を持たないような記事に興味を持っていただき、
大変嬉しく思います。

2024年6月30日 (日)

負電圧出力チャージポンプ IC NJW4191

NJW4191 は、大きな出力電流は取れないものの、
手軽に正電圧から負電圧が得られる便利な IC です。

このような反転出力が得られるタイプのチャージポンプ IC は、
正側と同じ値の負電圧 (例えば、+5 V → -5 V) が得られるものが多いですが、
この IC は負帰還を掛ける電圧を調整することにより、
それ以外の電圧 (例えば、+5 V → -3.3 V) も得られるという、
より便利な IC です。

※NJW4191 シリーズのデータシートより引用
20240630_0001

出力と GND 間に挿入した抵抗で分圧した電圧を FB 端子へ負帰還させることにより、
出力電圧が設定されます。

抵抗値の設定は、下記のとおりです。

※NJW4191 シリーズのデータシートより引用
20240630_0002

これを見ると、先週「出力電圧可変型 三端子レギュレータの電圧設定抵抗値」について書いた内容と同じように、
式中の分数の分母が R2 すなわち出力と FB 端子の間の抵抗となっています。

先週記事を書いたのは、実はこの IC を使おうとして失敗したからなのです。

 


実際に基板を組んで動作させてみました。

20240630_0003

DC 9 V を入力し、三端子レギュレータで 5 V に変圧してから、
NJW4191で -5 V も生成させる回路になっています。
74HC4053 を両電源で動作させ、ゼロバイアスの信号を切り替えするような実験回路です。

この基板を組み立てたとき、NJW4191 の電圧設定抵抗 R1 と R2 を逆に間違えていたので、
約 -1.6 V 程度しか出力せず、原因特定するまでしばらく掛かってしまいました。
データシートをよく読めばすぐに分かる話なのに。

R1 と R2 を適切な状態に戻せば、無事 -5 V を得ることができました。

 


CQ マシーン用に検討しているボイスレコーダー用 IC の APR33A3 の音声入力回路で、
ノイズを回避するために昨年末からいろいろと実験しているものの、
なかなか上手く解決できません。

上記の 74HC4053 を使った回路や以前に記事を書いたマイクアンプの検討も、
それに関連する内容です。
ただ、いま 74HC4053 の手持ちが無く実験中断中で、牛歩のような進捗です。

2024年6月23日 (日)

出力電圧可変型 三端子レギュレータの電圧設定抵抗値

自分自身の備忘録です。

出力電圧可変型の三端子レギュレータは、外付けの抵抗で出力電圧を設定します。
抵抗値の決め方については三端子レギュレータICのデータシートに記載されていますが、
二通りのタイプがあるので注意が必要です。

 


例1. NJW4106のようなタイプ

■NJW4106のデータシートより抜粋■
20240623_0001

ADJ端子 (帰還端子) には、出力ーGND間の抵抗で分圧した電圧を入力します。
出力電圧は上式で決まりますが、式中の分数の分母は R1 すなわちADJ端子ーGND間の抵抗です。

オペアンプを用いた非反転増幅回路と照らし合わせて考えれば、とてもイメージしやすいです。
また、DC-DCコンバータの電圧設定も、大抵この形になっています。

出力電圧可変型の三端子レギュレータは、全てこの形であると思い込んでいました。

 


例2. NJM317のようなタイプ

■NJM317のデータシートより抜粋■
20240623_0002

例1と同様にADJ端子 (帰還端子) には、出力ーGND間の抵抗で分圧した電圧を入力します。
 (ADJ端子の電流は小さいので、これを無視すれば) 出力電圧も似たような式で決まります。
しかし、式中の分数の分母は R1 すなわち出力ーADJ端子間の抵抗です。
例1と比較すると、分数の分子/分母が逆になっているのです。
これには気付きませんでした。

内部回路を見てみると分かりますが、ADJ端子に帰還させた電圧と比較する基準電圧が、
例1ではGND基準 (GND + Vref)、例2では出力基準 (出力電圧 + Vref) と異なっているからです。

例2の回路を、例1での計算式で設計してしまうと、目標値と異なった出力電圧になってしまいます。
(目標より低い電圧になってしまうと思います)

 


これは一例に過ぎないと思いますが、
何でも思い込みで設計してしまうと失敗してしまいます。

基本に立ち返り、データシートをちゃんと見ることが重要なのです。
自分に対する戒めとして。

2024年5月26日 (日)

M54821P を用いた5桁周波数カウンタをケースに組み込み

周波数カウンタの基板を作ってから長らく放置していましたが、
ようやくケースに組み込んで完成させることができました。

周波数カウンタの製作記事はこちら
M54821P を用いた5桁周波数カウンタの製作

 


元々はトランスを組み込んで AC 100 V から電源供給するようにしたかったのですが、
無計画にケースを購入し、基板を作ったので、トランスがケースに収まりきらず、
製作意欲喪失で五年近くも放置状態となっていました。

AC 100 V からの電源供給を諦め、
AC アダプタから DC 9V を供給することで妥協することにしました。
これで、何とかすべての基板がケース内に収まりました。

AC アダプタのプラグは、センタープラスとセンターマイナスがあるので、
どちらにも対応できるよう、電源基板のブリッジダイオードは残しました。

20240526_0001

LED 表示基板への配線は少し長めですが、結束バンドでばらけないようにして、
基板の周囲をぐるりと引き回しました。

 

20240526_0002

 

フロントパネルは殺風景です。
また、BNC コネクタの位置が微妙に真ん中よりです。
パネルレイアウトを意識せずに基板を作ったのが原因です。
デザインセンスがないのがバレバレです。

LED 表示の窓は、内側に 1 mm 厚の透明塩ビ板を貼り付けて保護しています。
また断面は黒色のペイントマーカーで塗りつぶして、
アルミ素地の銀色が目立たない様にしています。
写真では残せていませんが、LED 基板取り付け用ビスにも黒のペイントマーカーを塗っておきました。

20240526_0003

 

リアパネルは、DC ジャックと電源スイッチです。
ヒューズは省略しています。

20240526_0004

 


まあ、周波数カウンタとしての利用価値は低いので、
これからも登場機会はほとんど無いと思います。

2024年2月25日 (日)

KiCAD 8.0.0 リリース

タイトルのとおりですが、
7.0.11が出たばかりなのに、なんと 8.0.0 もリリースされました。
https://www.kicad.org

取りあえずダウンロードはしましたが、インストールは躊躇しています。
しばらく様子見でしょうか。

 


無線のアクティビティが下がっているので、無線ネタがなかなか書けません。

2024年2月23日 (金)

KiCAD 7.0.11 リリース

CADソフト KiCAD の 7.0.11がリリースされました。
https://www.kicad.org

KiCAD Version 8 rc3 までリリースされているなかでのリリースなので、
Version 7 としては最後のリリースになるのでしょうか。

早速インストールさせていただきました。

より以前の記事一覧