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カテゴリー「無線(工作)」の92件の記事

2023年1月15日 (日)

PC オシロスコープを買いました

タイトルのとおりですが、PC ベースのオシロスコープ (USB オシロスコープとも呼ばれる) を買いました。

PC オシロスコープもいろいろ種類があり、スペックに依って値段もピンキリです。
いちおう 350 MHz 帯域のアナログオシロスコープも持っているので、
スペックはそんなに高くなくても良いと割り切り、一万円ちょっとの手頃な機種にしました。

 


今回買ったのは、OWON 製の VDS1022I という機種です。

20230115_0001

VDS1022I はサンプリングが 100 M/s で、帯域が 25 MHz です。
一万円を切る機種もいくつかありますが、帯域は 20 MHz とあまり変わらないものの、
サンプリングが 48 M/s と低いものばかりなので、スペックが結構違います。
ちょっと価格は高くなりますが、サンプリングレートは高い方を選ぶ方が良さそうです。

また、VDS1022 シリーズには絶縁型と非絶縁型が有ります。
非絶縁型は、PC の GND 電位とオシロスコープの GND 電位が共通になってしまいます。
今回入手した VDS1022I は絶縁型で価格は割高ですが、
正月初売りの 10 % クーポンも利用できたので、非絶縁型とほぼ同価格で入手することができました。

 


筐体は思っていたより小さく、軽かったです。
外付けの CD ROM ドライブぐらいのサイズ感です。

プローブは二本付属しています。
プローブにスイッチが付いており、1:10 と 1:1 が切り替えられるようです。

20230115_0002

USB ケーブルも付属しています。
ケーブルが途中で分岐していますが、珍しくコネクタすべてが Type A になっています。

20230115_0003

 


試しに、ちょっと信号の波形を見てみます。

 

【正弦波 周波数:1 MHz、振幅:2 Vpp】

アナログオシロスコープ:
20230115_0004

綺麗に波形が取れています。

 

PC オシロスコープ:
20230115_0005

暗くて見にくいですが、100 M/s なのと、垂直分解能が 8 bit しか無いので、
多少波形がカクカクしているところが見られます。

 

 

【AM変調波 キャリア周波数:1 MHz、変調波周波数:720 Hz】

アナログオシロスコープ:
20230115_0006

お馴染みの AM 波形のエンベロープが綺麗に取れています。

 

PC オシロスコープ:
20230115_0007

所々変調が掛かっていない箇所があるのは別要因ですが、
アナログオシロスコープとは見え方がかなり異なります。
変調波に対しキャリア周波数がかなり高いので、
実際の波形もこんなのではないでしょう。

FFT を掛けてみました。
20230115_0008

ぜんぜん側波帯が分離できていません。

 

 

【FM変調波 キャリア周波数:1 MHz、変調波周波数:1 kHz、デビエーション:50 kHz

アナログオシロスコープ:
20230115_0009

まあ何となく FM 変調が掛かっているのだなというのが分かります。

 

PC オシロスコープ:
20230115_0010

オシロスコープの表示を止めなければ、波形がウニョウニョ動いているので、
何となく FM 変調が掛かっていることが分かりますが、
表示を止めてしまうと周波数の変化が少ないため、普通の正弦波と見分けが付かないです。

こちらも FFT を掛けてみました。
20230115_0011

デビエーションが 50 kHz ぐらい (帯域幅としては 102 kHz)であることが
何となく分かります。

 


手持ちのアナログオシロスコープに比べるとかなり見劣りはしますが、
・小型で手軽なこと
・PC に波形やデータが取り込みやすいこと
・ワンショットトリガーなど、デジタルオシロスコープ的な使い方ができること
などの優位点もあります。

アナログオシロスコープと使い分けしていくことになると思います。

2023年1月14日 (土)

CMOSキーヤー Ver.2 の製作 (その4 ミス修正など)

先週完成させた CMOSキーヤー Ver.2 ですが、一箇所ミスがあったので修正しました。

 


下図で IC9 (TC7S66) ですが、電源が +5VA に繋がっています。
+5VA は音量ボリュームを絞りきったときに OFF となる 5 V 電源です。
一方で、IC9 の制御端子 (pin 4) は IC4 (74HC00) の出力 (pin 8) に繋がっており、
IC4 の電源は音量ボリュームを絞りきっても OFF とならない +5V から供給されています。

このような接続だと、+5VA が OFF のとき、IC9 に電源が掛からない状態で、
IC9 の制御端子に電圧が掛かってしまうことになってしまいます。
そうすると、IC9 内部の静電気保護ダイオードを介して +5V から +5VA に電流が逆流してしまい、
IC9 が発熱したり破損したりする可能性もありますし、+5VA も OFF にはなりません。

対策として、基板のパターンをカットし、IC9 の電源を +5V に繋ぎ替えました。
20230114_0001

 


次に、モニター出力に乗っている僅かなノイズですが、
サイドトーンと同じ周波数 (もしくはその倍音) に聞こえることと、
音量ボリュームを変化させてもノイズのレベルは変わらないことから、
1/2 Vcc バイアス電圧にノイズが乗っているものと推測しました。

試しに、1/2 Vcc バイアス (IC6 の pin 7) と GND 間に 1 µF のコンデンサを付けてみると、
ノイズがほとんど聞こえなくなります。

ウィーンブリッジ発振回路の検波部分を疑い、C15, R11 の接地先を 1/2 Vcc バイアスから +5V に変えてみましたが、
ノイズに変化は見られませんでした。

ということは、おそらくウィーンブリッジ発振回路の入力側の抵抗とボルテージフォロワ出力抵抗との分圧で、
1/2 Vcc バイアスに発振信号の成分が残留してしまっているものと考えられます。

根本対策としては、発振回路のバイアスとアンプ回路のバイアスを分けることだと思いますが、
基板上に余っている部品が無いので、仕方なく 1/2 Vcc バイアスと GND 間に 1 µF のコンデンサを付けることにしました。

オペアンプのボルテージフォロワ出力に直接容量負荷を接続することは発振する危険性が高いですが、
おそらく容量値が大きいので位相が回るよりゲイン低下の方が大きく、発振はしないのではないかと勝手に推測しています。
むしろ、電源 ON / OFF 時にコンデンサを充電 / 放電する電流が大きく、オペアンプの出力に負担を掛けてしまうことが
よろしくないことではないかと考えています。

 


ウィーンブリッジ発振回路の出力信号は、そこそこ正弦波に近い波形をしていましたが、実際はどうでしょうか。
デジタルオシロスコープで出力信号の FFT を掛けてみました。

20230114_0002

二次歪みが -42 dB 程度です。
三次以降の高調波はノイズレベル以下です。
(安物オシロスコープなので、分解能が低くノイズフロアが高いです)

A2A や F2A の副搬送波として使うには、信号の純度がイマイチかなと思います。

2023年1月 9日 (月)

CMOSキーヤー Ver.2 の製作 (その3 完成)

この冬休みに部品を買い揃えましたので、
昨年作った CMOS キーヤー Ver.2 をケースに組み込み、完成させました。

参考記事:
CMOSキーヤー Ver.2 の製作 (その1)
CMOSキーヤー Ver.2 の製作 (その2)

 


今回、ケースのパネルにレタリングを入れてみました。
レーザープリンタで印刷した透明のデカールシールを貼り、
保護のためクリア塗装をしました。

よくよく見ると、デカールシールを貼っているのがバレバレですが、
目立たなくさせるのは今後の課題かと思います。

レタリングの無い状態に比べ、まあまあ様になったと自己満足しています。

20230109_0001 20230109_0002

 


ケースの外観が完了したところで、基板や部品を取り付け、それぞれを配線しました。

20230109_0003

キーイングスピードは、12接点のロータリースイッチを使用し、
16 wpm から 38 wpm まで 2 wpm 刻みに設定できるようにしました。

サイドトーンの音量調整は、スイッチ付きのボリュームを使用しました。

電池だけでなく、AC アダプタも使用できるように、DCジャックを付けました。
電池ケースは、マジックテープ (ダイソーで購入) でケースに固定しています。

電池駆動のため、LED インジケータなど電流を消費するような回路は設けていません。
このキーヤーは、パドル操作していないときはクロックが停止していますので、
サイドトーンのスイッチを切っておけば、待機時の消費電流はほぼゼロです。

基板単体で動作確認したときは無かったのですが、
サイドトーンに僅かなハム音が乗っています (ハム音というより、発振器からの漏れと思われる)。
原因と対策は追ってするつもりですが、それさえ気にしなければ、取りあえず使えるものになりました。

 


作りかけのものが、ようやく一つ片付きました。

2022年12月25日 (日)

USB ーシリアル変換 IC FT231XS

以前に製作したデジタルモード用インターフェースで、設計をミスしたかと一瞬冷やっとしました。
今後同じような間違いをしないように、備忘録として書き留めておきます。

 


製作記事としては残していませんが、一昨年にデジタルモード用インターフェース Ver.2.6を作り、
現在主に使用しています。

USB ーシリアル変換 IC はそれまで FT232RL を使用してきましたが、
FT231XS の方が価格が安く、必要機能は揃っているということで、IC を変更しました。

最近 FT231XS のデータシートを見る機会があり、
FT232RL と FT231XS の I/O 電圧範囲が異なることに気がつきました。

FT231XS は I/O が 1.8 〜 3.3 V になっており (FT232RL は 1.8 〜 5 V)、
シリアル側の回路を 3.3 V 系に変更する必要があります。
その点を見落としていたのか、それとも設計時点で把握し敢えてそうしていたのか覚えていませんが、
シリアル側の回路は 5 V 系のままにしています。

20221225_0001


下側の回路は、RS-232 トランシーバに MAX3232を使用しており、
VCC を VBUS (5 V) に接続しています。

FT231XS の I/O は 3.3 V 系、MAX3232 の I/O は 5 V 系と、
I/O の電圧が異なる IC を直接接続しています (その割には、今まで誤動作無く使えている)。

FT231XS の出力の Hi レベルは 3.3 V で、MAX3232 の入力がCMOS レベルだったとすれば、
Hi レベルの閾値下限は Vcc × 0.7 (= 3.5 V) になるので、
3.3 V の入力では Hi レベルを保証できなくなってしまいます。

しかし、MAX3232 のデータシートを調べてみると、I/O は TTL レベルに近い仕様のようで、
Hi レベルの閾値下限が 2.4 V となっています。
(本来の TTL レベルだと、Hi レベルの MIN 値は 2.0 V)
つまり、3.3 V を入力しても、ちゃんと Hi レベルを認識してくれます。

MAX3232 のデータシートより抜粋

20221225_0002

一方で、MAX3232 の出力 Hi レベルは 5 V なので、
このまま 3.3 V 系 I/O の FT231XS に入力すると壊れてしまいます。

FT231XS のデータシートを調べてみますと、"Tolerant of 5V Input" と書かれており、
5 V 入力も許容されているので、問題ないようです。

FT231XS のデータシートより抜粋
20221225_0003

結論としては、FT231XS と 5 V 電源の MAX3232 の組合せは、特に問題無かったということになります。
(データのタイミング的な検証はできていませんが、今のところ不具合はありません)
※TTL レベル入力と Tolerant Input は、ロジックの電圧レベル変換で使用される手法の一つです。

 


また、上側の回路は FT231XS の出力で FET (2SK2962) をドライブしていますが、
3.3 V では ON しない可能性が考えられます。

2SK2962 のデータシートを調べると、ゲートしきい値電圧の最大は 2.0 V であり、
ID - VGS のグラフからしても、おそらく問題無いと思われます。

2SK2962 のデータシートより抜粋

20221225_0004

20221225_0005

 


結果的に問題無かったということになりましたが、
設計段階でそこまで気が付いていてそのようにしたのか、
それとも気がつかず見過ごしていたのかは記憶に残っていません。

このようなことが起こらないように、
設計段階でちゃんと設計思想を記録して残しておくことが重要です。
今回は後付けになりましたが、備忘録として残すことにしました。

2022年11月23日 (水)

CMOSキーヤー Ver.2 の製作 (その2)

取りあえず基板は完成した CMOS キーヤーですが、
キーイングスピード調節のボリュームをどれくらいの抵抗値にするのが最適かが不明なので、
ちょっと調べてみました。

ちなみに、CMOS キーヤーの発振回路は下図のようになっており、
J1 の先に 1 MΩのボリュームを接続しています。
RC 発振回路の抵抗値としては、VR + 100 kΩ となります。
20221123_0001

 


モールスのスピードは、リグ (TS-590S) 内蔵キーヤーの
キーイングスピード表示を参照にしました。

リグのキーヤーと CMOS キーヤーを同時に動かし、
同期の取れたとき (サイドトーンで唸りが無くなるとき) の
ボリュームの抵抗値を測っていきました。

結果は、以下のようになりました。

wpm VR抵抗値 発振回路抵抗値
16 943 kΩ 1043 kΩ
18 833 kΩ 933 kΩ
20 746 kΩ 846 kΩ
22 659 kΩ 759 kΩ
24 600 kΩ 700 kΩ
26 538 kΩ 638 kΩ
28 498 kΩ 598 kΩ
30 463 kΩ 563 kΩ
32 416 kΩ 516 kΩ
34 384 kΩ 484 kΩ
36 367 kΩ 467 kΩ
38 339 kΩ 439 kΩ

キーイングスピードと発振回路の抵抗値をグラフにしてみると、

20221123_0002

キーイングスピード (発振回路の発振周波数)は、抵抗の逆数に比例するはずです。
抵抗値を逆数にすると分かりづらいので、横軸のスピードの逆数にしてみると、
ほぼ直線関係が得られました。

20221123_0003

この直線関係を用いて、欲しいキーイングスピード範囲から抵抗値を求めることができそうです。

 


ちなみに、20 wpm の短点の時間は、60 ms と言われているようです。
試しに、キーイング波形を見てみました。

ボリュームの抵抗値が 746 kΩ すなわち発振回路の抵抗値が 846 kΩ のときの、
連続短点のキーイング波形です。
確かに、ほぼ 60 ms になっています。

20221123_0004

ネットを検索していると、この手の発振回路の発振周波数 f は、$$f=\frac{1}{2.2\times R\times C}$$との情報がよく出てきます。
20 wpm (= 60 ms = 16.666 Hz) のときの定数

$R=846 [k\Omega]$
$C=0.047 [\mu F]$

を当てはめてみると、$$f=\frac{1}{2.2\times (846\times 10^{3})\times (0.047\times10^{-6})}=11.431 [Hz]$$と計算が合いません。

係数 2.2 のところを 1.5 にしてやると、$$f=\frac{1}{1.5\times (846\times 10^{3})\times (0.047\times10^{-6})}=16.766 [Hz]$$と現物に近い値になります。
なぜなのでしょうか。以下推測してみます。
(間違っていたら、どなたか突っ込んでください)

 

この手の発振回路は、抵抗 R とコンデンサ C の時定数で決まる充放電を
繰り返すことによって動作しています。

仮に CMOS ロジックの入力閾値を電源電圧 Vcc の 1/2 (Vcc = 5 V の場合は 2.5 V) だとすると、
コンデンサの充放電動作は、
  3/2 Vcc (= Vcc + 1/2 Vcc) → 1/2 Vcc (閾値) の放電 と
  -1/2 Vcc (= 0 V - 1/2 Vcc) → 1/2 Vcc (閾値) の充電 を
繰り返すことになると考えられます。
すなわち放電は初期電圧の 1/3 で閾値に達し充電に切り替わり、
充電は到達電圧の 2/3 (初期電圧基準でみると 1/3 の電圧)
で放電にが切り替わる動作を繰り返しています。 

RC 回路のコンデンサ電圧 $V$ と時間 $t$ との関係は、初期電圧を$V_0$とすると、
放電は$$V=V_0\times e^{-\frac{t}{RC}}$$充電は $$V=V_0\times (1- e^{-\frac{t}{RC}})$$になるかと思います。

ここで、$$V=\frac{1}{3}\times V_0$$を代入すると、$$e^{-\frac{t}{RC}}=\frac{1}{3}$$ $$-\frac{t}{RC}=\log_e{\frac{1}{3}}=-1.099$$ $$t=1.099\times R\times C$$
これは、半周期の時間なので、発振周波数 $f$ は、$$f=\frac{1}{2\times t}=\frac {1}{2\times 1.099\times R\times C}=\frac {1}{2.198\times R\times C}\doteqdot\frac {1}{2.2\times R\times C}$$となり、係数 2.2 はこれに由来しているものと思われます。

しかし、実際にはコンデンサの電圧は、3/2 Vcc 〜 -1/2 Vcc まで振れません。
なぜならば、CMOS ロジック IC の入出力端子には大抵 ESD (静電気破壊) 保護用のダイオードが内蔵されており、
おおよそ Vcc + 0.6 V、GND - 0.6 V でクリップされてしまいます。
電源電圧が 5 V の場合は、だいたい 5.6V 〜 -0.6 V の間で振れることになります。

実際にコンデンサの波形を見てみても、以下のとおりVcc + 0.5 V、-0.5 V でクリップされていることが分かります。
(電池の電圧の関係で Vcc = 約 5.5 V になっている)
閾値も厳密には、ぴったり 1/2 Vcc ではありません。

20221123_0005

であれば、先ほど計算した $t$ はどうなるかというと、$$初期電圧の\frac{2.5}{5.6}$$になるまでの時間になるので、$$-\frac{t}{RC}=\log_e{\frac{2.5}{5.6}}=-0.806$$ $$t=0.806\times R\times C$$ $$f=\frac{1}{2\times t}=\frac {1}{2\times 0.806\times R\times C}=\frac {1}{1.612\times R\times C}$$となり、実験結果の 1.5 に近い値が得られました。
しかし、Vcc が異なる場合 (例えば、Vcc = 9 V など) は、この係数はまた変わってくるはずです。

 

備忘録を残す良い機会になりました。

2022年11月 5日 (土)

CMOSキーヤー Ver.2 の製作 (その1)

5 V 単電源のウィーンブリッジ発振回路も試作で上手く動作したので、
以前製作した CMOS キーヤーと組み合わせたものを作りました。

参考:汎用 CMOS ロジック IC を使ったキーヤーの製作
   5V単電源 ウィーンブリッジ発振器の試作
   5V単電源 ウィーンブリッジ発振器の追試

 


■回路■

回路図は以下のとおりです。
(図をクリックすると、多少大きく表示されると思います)

20221105_0001

基本的には、これまで検討、製作してきた回路の流用です。
キーヤーの変更点としては、出力のキーイングにフォト MOS リレーを使用しました。
先に繋がる機器の極性を不問とすることが目的です。

 

サイドトーンモニタ回路は、1/2 Vcc の基準電圧生成を抵抗分圧+ボルテージフォロワにしました。
試作検討段階では、いろいろとゴテゴテした回路にしていましたが、
基準電圧を抵抗分圧+ボルテージフォロワで生成した方が部品点数が少なく済むということと、
歪み特性を含めた回路安定性を考えると、結局は基本的な回路に戻した方がベターという判断となりました。

 

ヘッドホンアンプは、ステレオヘッドホンに繋げるよう、ダンピング抵抗の手前で L / R に分配しました。
オペアンプが 1 回路余ったので、ライン出力 ? も設けました。
(多分運用する機会は少ないと思いますが...) A2A や F2A での副搬送波にも使えると思います。

 

部品は、サイドトーンモニタ回路を中心に、面実装品へ変更しています。
 D1:1N4184W・・・キーヤーのクロック生成回路のダイオード 
 Q2:2N7002 (T2N7002BK)・・・フォト MOS リレー駆動用 FET
 IC8:TLP172A・・・キーイング用フォト MOS リレー
 D2:1SS154・・・ピーク検波用ショットキーバリアダイオード
 IC9:TC7S66・・・サイドトーンモニタスイッチング用

 

■基板■

パターン設計はいつもどおり、KiCADを使いました。
基板サイズは、85 mm × 60 mm に収めました。

20221105_0002


プリント基板は久しぶりに、JLCPCB で作製してもらいました。
基板が 2 ドル、送料が 1 ドル、合計 3 ドル で基板を作ってもらえるので、驚きです。
(PayPal を利用したので、手数料 0.5 ドル 取られましたが、それでも 3.5 ドル = 約 530 円)
基板発注してから、10 日ほどで手元に届きました。

 

組み立てには、半日ほど掛かりました。
キーヤー部の部品は、前回製作した基板から部品を移植して流用しました。

20221105_0003

 


■動作確認■

サイドトーンモニタ部のウィーンブリッジ発振回路は、少々フィードバック抵抗のカット&トライを要しましたが、
まあまあ綺麗な正弦波の発振波形が得られました。

20221105_0004

ウィーンブリッジ発振回路の出力で、2 Vpp 強の振幅が得られています。
フィードバックの抵抗 (R7 と R9) は、3.9 kΩ、390 Ω としました。

 

キーイング後の発振波形です。
カメラのシャッタースピードと、オシロスコープの掃引スピードの関係で、
波形の右側が切れたように見えていますが、ちゃんと連続して動作しています。

20221105_0005

ヘッドホンで聞いてみても、ちゃんとしたキーイング音が得られていました。
ただ、実用範囲ではあると思いますが、キークリック音が少し気になるかなという感じでした。

上図の波形で見ると、発振波形がスパッと ON / OFF しています。
また、発振波形とキーイングの周波数が同期していないので、
ON / OFF のタイミングが正弦波の 0°、180° (0 V となる位相) と合っておらず、
ランダムな位相で ON / OFF するような動作になっています。
これらが、キークリック音の要因であるのではないかと考えられます。

 

リグに繋いで、リグのサイドトーンモニタでも動作を確認することができました。
フォト MOS リレーは応答速度が遅いので、キーイングに影響しないか心配しましたが、
入力側 LED 電流 (IF) を約 8 mA 流した今回の設計では、キーイングスピードを上げても、
特に問題になるようなことはありませんでした。 


今回は基板の組み立てと、仮組みでの動作確認までとなりました。
ケースやスイッチ類を買ってきて、実用的なキーヤーとして完成させたいと思います。

2022年10月16日 (日)

チップ抵抗を各種取り揃えました

最近は自作でも面実装部品を使うことが増えてきました。

ちょっとした実験や、特性の合わせ込みなどのときに
抵抗の定数を取っ替え引っ替えしたりしますが、
欲しい抵抗値が直ぐに手に入らないことがしばしばあります。

なので、チップ抵抗を手持ち部品として各種揃えてみることにしました。

 


抵抗のサイズは 2012 サイズです。
1608 サイズでもはんだ付けは苦になりませんが、
プリント基板を自作することが多いので、少し大きめサイズの2012にしました。

抵抗値は、よく使いそうなものと思われる
 100Ωから100kΩまでの E12 系列
 100kΩから1MΩまでの E6 系列 (680kΩを除く)
 22Ω、33Ω、47Ω、4.3kΩ、20kΩ
の46種類 ±5%品をそれぞれ100個ずつ。

20221016_0001

20221016_0002

1MΩなどは使い切れないであろうと思われますが、まあ安いので良しとします。
これでしばらくは、気兼ねなく抵抗は使えそうです。

テーピングを10個単位ぐらいに細切れにして、
小袋に入れないとちょっと嵩張ってしまいます。

 


抵抗は、抵抗値、許容誤差、サイズ (耐電力) を決めてやれば、
(自作レベルであれば) 大体どこのメーカーを選んでも大きな失敗はしないと思います。

一方で、チップセラミックコンデンサ (MLCC) は、
容量値、許容誤差、サイズ、耐電圧のほか、DCバイアス特性、温度特性なども気にしないといけないので、
結構選択肢が狭まってしまうことが多いです。

2022年10月15日 (土)

デジタルモード用インターフェースのオペアンプ換装

FT8 などのデータ通信を行うときには、
パソコンとリグとを接続するのに自作のインターフェースを使っています。

何種類かこのインターフェースを作りましたが、
最近はもっぱら非絶縁タイプの Ver.2.6 を使用しています。

Ver.2.6 は製作記事にはアップしていませんが、Ver.2.5 から
 USBオーディオコーデックを PCM2903C
 USB Hub を GL850G
 USB-シリアル変換 を FT231XS
に変更したものです。

221015_0001

このオーディオ部分で使用しているオペアンプは AD8532A ですが、
今回 音質の評判がまあまあ良い AD8656A に換装しました。

写真上部の 8pin SOIC が AD8656ARZ です。
元々使用していた AD8532ARZ とパッケージコンパチなので、
そのまま付け替えが可能でした。

221015_0002

 

今回換装したオペアンプ周辺の拡大写真です。

221015_0003

ちょっとでも低ノイズ、低歪みの信号を出したいという思いでオペアンプを換装しましたが、
ノイズ、歪みの発生源となるボトルネック箇所は他にあると思います。
オペアンプを変えたところでノイズや歪みの改善度合いは微々たるものの可能性が高く、
全くの自己満足に過ぎないと思っています。

でも趣味は自己満足の世界なので、良い IC を使っているという満足感だけでも充分なのです。

2022年10月 1日 (土)

5V単電源 ウィーンブリッジ発振器の追試

先週末、5 V 単電源のウィーンブリッジ発振器を作りました。
5V単電源 ウィーンブリッジ発振器の試作

今日は、そのヘッドホンドライブ回路について、少し見てみました。

 


発振回路で発生させた信号をヘッドホンで音を鳴らすために、
一部回路を変更しました。

20221001_0001

・ダンピング抵抗 (R12 = 24 Ω) の追加
・プルダウン抵抗 (R13) を50 kΩ から 100 kΩ に変更・・・手持ち部品の都合上

20221001_0002

 

取りあえず、ヘッドホンドライブ回路 (反転増幅器) の入力抵抗 (R9) は10 kΩ、
帰還抵抗 (VR2) は 5 kΩ 半固定 のまま動かしてみました。

横着ですがヘッドホンの L と R を単純に短絡して、
ヘッドホンドライブ回路の出力に接続しました。

 


ヘッドホンで聴いてみた感じでは、偶然にも VR2 は 5 kΩ でちょうど良い感じでした。
VR2 を 5 kΩ にすると音は若干大きめかなという感じで、
逆に 0 Ω にするとほぼ無音まで絞り込めます。

ちょうど良い音量のところで、信号波形も見てみました。
 上 (CH1) が発振回路の出力波形 (IC1 の pin 1)
 下 (CH2) がヘッドホンドライブ回路の出力波形 (J2 の pin 1)
負荷 (ヘッドホン) は、ゼンハイザー HD206 を接続

20221001_0003

だいたい、200 mVpp 弱で良い感じの音量になっているようです。

定量的な測定できていませんが、ヘッドホン端子のところでも、
まあまあ綺麗な正弦波になっているように思います。

 


この回路をベースにサイドトーンモニターを作製し、
CW キーヤーと合体させたものを作りたいと考えています。

2022年9月25日 (日)

5V単電源 ウィーンブリッジ発振器の試作

5V単電源 ウィーンブリッジ発振回路の検討から、少し時間が経ってしまいました。
 参考:5V単電源 ウィーンブリッジ発振回路の検討

暑さも和らいできたせいか、ようやく電子工作のやる気が出てきましたので、
実際に回路を組んで動かしてみました。

 


■回路■

前回シミュレーションを行った回路に準じますが、発振の Gain を決める抵抗は可変できるように、
R3 (4.3 kΩ) と VR1 (1 kΩ) に変更しています。
また、発振周波数を決めるコンデンサ C4、C6 は、0.01 µF から 0.022 µF に変更しています。

さらに、後段にヘッドホンドライブ回路 (反転増幅回路) を追加しており、
出力振幅を可変できるように、帰還抵抗を VR2 (5 kΩ) としています。

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■使用部品■

IC1 のオペアンプは、アナデバ製の AD8532AR を使いました。
低電圧の rail to rail 入出力であり、かつ出力電流が ±250 mAと大きく、
データシートにヘッドホンアンプ応用例が記載されているオペアンプです。
GB 積は 3 MHz とあまり高くないですが、扱う周波数が 1 kHz 程度と低く、
Gain も高くて 3 倍程度なので、まあ大丈夫でしょう。

Q1 の FET は手持ちの 2SK208-GR を使いました。
低周波用 FET の定番 2SK30 の表面実装パッケージ品だそうです。

R6 の 1 MΩ 以外は、いちおう金属皮膜抵抗を使いました。
発振周波数を決める C4 と C6 は、フィルムコンデンサを使いました。

 

■基板■

今回は試作なので、ユニバーサル基板で組んでも良かったのですが、
オペアンプと FET が表面実装品なので、プリント基板を作りました。
ジャンパも使わず、片面のパターンで収まりました。

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■組み立て■

プリント基板に穴を開けるのが面倒くさいので、
抵抗やコンデンサもパターン面にはんだ付けしました。
今回は試作ということもあり、部品の再利用も考慮して、
抵抗やコンデンサのリード (足) は長めにカットしています。
見た目にも、特性的にもよろしくないのでしょうが、
あくまでも試作ということで割り切っています。
※出力の終端抵抗は後から追加したので、基板には実装されていません。

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■動作確認■

回路に電圧 (約 5.5 V) 印加すると、すぐに発振波形が確認できました。
割と綺麗な正弦波が出力されており、AGC がちゃんと効いています。

発振周波数は約 755 Hz となっています。
設計値は、$$f=\frac{1}{2\pi CR}=\frac{1}{2\pi\times 0.022\mu F \times 10k\Omega}\doteqdot 723 Hz$$
なので、誤差は 4.4 % ありますが、部品 (おそらくコンデンサが主) のバラツキ範囲内なのでしょう。

VR1 を回すと、発振波形の振幅が変化します。
VR1 を回しきって 0 Ωにしても、振幅は大きくなりますが、発振波形が歪むことはありませんでした。

発振回路の出力 (IC1 の pin 1) で、振幅が 2 Vpp となるように、VR1を調整してみました。
このとき、VR1 の抵抗値は 約 143 Ωでした。

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ピーク検波後の波形も見てみました。
半波整流なので、若干サグが出ています。

写真ではカーソルを表示させていませんが、
発振波形のボトムとピーク検波後の電圧差、すなわちピーク検波用ダイオード D1 の
順方向電圧 $V_F$ は、約 0.23 V でした。

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ピーク検波電圧と FET Q1 のソース電圧との差、すなわち Q1 の$V_{GS}$ は、約 0.78 V でした。
波形の上が Q1 のソース電圧、下がピーク検波電圧です。

20220925_0006  

$2\times (V_{GS}+V_F)=2\times (0.78 V+0.23 V)=2.02 V$ となり、
(当然でしょうが) 出力振幅を 2 Vpp に調整した結果と合致しています。

 

■ちょっと考察■

FET Q1 のドレイン ー ソース間の電圧 $V_{DS}$ を見てみました。
上の波形は発振回路出力 (1 V/div)、下は Q1 の $V_{DS}$ (100 mV/div) です。
$V_{DS}$ 波形の 0 V は中心線のところなので、-20 mV 〜 +10 mVぐらいの範囲で振れています。

20220925_0007

 

ここで、2SK208 のデータシートを見てみます。
絶対最大定格に $V_{DS}$ の項はありませんので、$V_{DS}$ がマイナスに振っていても特に問題なさそうです。

 

下図は、2SK208 データシートから $I_D - V_{DS}$ のグラフを抜粋したものです。

20220925_0008

2SK208 のドレイン ー ソース間抵抗は、この特性曲線の傾きになるので、
ドレイン ー ソース間の電圧が- 20 mV 〜 +10 mV (ほぼ 0 V) で動作しているということは、
ゲート ー ソース間電圧 $V_{GS}$ の変化に対し、特性曲線の傾き すなわちドレイン ー ソース間抵抗の変化が大きいので、
AGC の制御としては好ましい動作点で動いてくれているということが分かります。

$V_{GS}$ が 0.78 V でしたので、特性曲線の傾きから大凡のドレイン ー ソース間抵抗 $R_{DS}$ を求めてみると、$$R_{DS}=\frac{2.25 V}{8 mA}\doteqdot 281 \Omega$$となります。

Q1 のソースに付いているデカップリングコンデンサ C2 は 1 µF なので、
発振周波数 755 Hz におけるインピーダンスは、$$\frac{1}{2\pi\times 755 Hz\times 1 \mu F}\doteqdot 211 \Omega$$です。
R1 と R2 (ともに 1 kΩ) が並列に付きますので、合成インピーダンスは約 194 Ω になります。

よって、発振回路の Gain を決める抵抗は、$$194 \Omega + 281 \Omega (R_{DS}) +4.3 k\Omega (R3) + 143 \Omega (VR1) = 4.918 k\Omega$$で、Gain は 3 倍強となり、発振条件に近い値になります。
計算やグラフからの読み取り誤差を考えると、まあまあ妥当な数字ではないでしょうか。
 
C2 は今回 1 µF にしましたが、発振周波数を考えるともう少し大きな値の方が良かったかも知れません。

 


サイドトーンモニタ用の発振器として考えていますので、まあ実用になりそうな感じです。

ヘッドホンドライブ回路については今回記載していませんが、
いちおう動作することは確認済みです。
ヘッドホンを繋いで、最適なレベルに合わせることは、次回の追試にしたいと考えています。

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