ボイスメモリ用 IC ISD2560, ISD1012, APR33A3の比較まとめ
興味のない方は、どうぞここでページを離れてください。
先日測定した ISD2560 および ISD1012 は、MIC AMP(AGC AMP)を介さず、
ANA_IN 端子から信号を入力して評価を行いました。
一方、参考比較として取り上げた APR33A3 は、MIC AMP を含めた条件での特性でした。
一般的に、余計な回路を介さない方が良好な結果が得られるため、
APR33A3 は不利な条件で測定されていたことになります。
そこで、同一条件にて再度比較を実施しました。
APR33A3 に関しては、以前の評価で「ボコボコノイズ」に手こずっていましたが、
トランスを通して差動かつ絶縁で信号を入れることで、うまく改善できました。
なお、CQマシーンについては別の方式を検討しており、
これらの IC を使用する可能性は低いと考えています。
しかし、これまでに様々な検討を行ってきた経緯もあるため、
(個人的に特性が満足できないものも含めて) 備忘録として整理しておきます。
ここで改めて、ISD2560、ISD1012、および APR33A3 の録再機能に関するスペック比較を示します。
| 品種名 | 録音時間 | サンプリングクロック | 信号通過帯域 |
| ISD2560 | 60秒 | 8.0kHz | 3.4 kHz |
| ISD1012 | 12秒 | 10.6kHz | 4.5 kHz |
| APR33A3 | 341秒 | 12kHz | ? |
1. 「無信号」の録音/再生
APR33A3 の圧倒的勝利です。
ISD2560 と ISD1012 は、MIC AMP(AGC AMP)を介すことで、
無信号時は AGC が効いて最大ゲインとなり、
ノイズまでしっかり増幅してしまいます。
そのため、ANA_IN から直接入力した場合と比べると、
聴感でもはっきり分かるレベルで劣化しています。
一方で、APR33A3 はかなり良好な結果です。
この違いを見ると、APR33A3 の MIC AMP には AGC が入っていないのか、
あるいは動作の仕方が異なるのではないかと感じます。
1-1. ISD2560

1-2. ISD1012

1-3. APR33A3
2. 「1000 Hz 正弦波」の録音/再生
ISD2560、ISD1012、APR33A3 のいずれにもノイズは重畳していますが、
その性質はそれぞれ異なっています。
ISD2560 はハム音的なノイズ、
ISD1012 はホワイトノイズ的な成分が目立ち、
APR33A3 はシャリシャリとした高域ノイズといった印象です。
2-1. ISD2560

2-2. ISD1012

2-3. APR33A3

3. 「200 Hz 正弦波」の録音/再生
スペクトル上では APR33A3 が良好に見えますが、
聴感上では ISD2560 と比べてわずかによいかなという程度で
大きな差はないように感じます。
一方、ISD1012 は「サーッ」というノイズが目立ちます。
3-1. ISD2560

3-2. ISD1012

3-3. APR33A3

4. 「2500 Hz 正弦波」の録音/再生
重畳しているノイズは 1000 Hz のときと同様の傾向で、
ISD2560 はハム音的なノイズ、
ISD1012 はホワイトノイズ的な成分、
APR33A3 はシャリシャリとした高域ノイズです。
4-1. ISD2560

4-2. ISD1012

4-3. APR33A3

三品三様の特性ですが、どれも一長一短で、正直イマイチな印象です。
これまでの結果を見ると、ISD2560 を MIC AMP を介さずに、
ANA IN から直接入力するのが一番良かったです。
結果はこちら
しかし、冒頭に書きましたとおり、別案に考えが傾いています。
残念ながら、これらの IC はお蔵入り (またはゴミ箱行き) になることと思います。
欲しいと思われる物好きな方がおられるならば、お譲りします。
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