出力電圧可変型 三端子レギュレータの電圧設定抵抗値
自分自身の備忘録です。
出力電圧可変型の三端子レギュレータは、外付けの抵抗で出力電圧を設定します。
抵抗値の決め方については三端子レギュレータICのデータシートに記載されていますが、
二通りのタイプがあるので注意が必要です。
例1. NJW4106のようなタイプ
■NJW4106のデータシートより抜粋■
ADJ端子 (帰還端子) には、出力ーGND間の抵抗で分圧した電圧を入力します。
出力電圧は上式で決まりますが、式中の分数の分母は R1 すなわちADJ端子ーGND間の抵抗です。
オペアンプを用いた非反転増幅回路と照らし合わせて考えれば、とてもイメージしやすいです。
また、DC-DCコンバータの電圧設定も、大抵この形になっています。
出力電圧可変型の三端子レギュレータは、全てこの形であると思い込んでいました。
例2. NJM317のようなタイプ
例1と同様にADJ端子 (帰還端子) には、出力ーGND間の抵抗で分圧した電圧を入力します。
(ADJ端子の電流は小さいので、これを無視すれば) 出力電圧も似たような式で決まります。
しかし、式中の分数の分母は R1 すなわち出力ーADJ端子間の抵抗です。
例1と比較すると、分数の分子/分母が逆になっているのです。
これには気付きませんでした。
内部回路を見てみると分かりますが、ADJ端子に帰還させた電圧と比較する基準電圧が、
例1ではGND基準 (GND + Vref)、例2では出力基準 (出力電圧 + Vref) と異なっているからです。
例2の回路を、例1での計算式で設計してしまうと、目標値と異なった出力電圧になってしまいます。
(目標より低い電圧になってしまうと思います)
これは一例に過ぎないと思いますが、
何でも思い込みで設計してしまうと失敗してしまいます。
基本に立ち返り、データシートをちゃんと見ることが重要なのです。
自分に対する戒めとして。
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