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2024年2月の3件の記事

2024年2月25日 (日)

KiCAD 8.0.0 リリース

タイトルのとおりですが、
7.0.11が出たばかりなのに、なんと 8.0.0 もリリースされました。
https://www.kicad.org

取りあえずダウンロードはしましたが、インストールは躊躇しています。
しばらく様子見でしょうか。

 


無線のアクティビティが下がっているので、無線ネタがなかなか書けません。

2024年2月23日 (金)

KiCAD 7.0.11 リリース

CADソフト KiCAD の 7.0.11がリリースされました。
https://www.kicad.org

KiCAD Version 8 rc3 までリリースされているなかでのリリースなので、
Version 7 としては最後のリリースになるのでしょうか。

早速インストールさせていただきました。

2024年2月18日 (日)

マイクアンプ Ver.3 の製作

三年ほど前にもマイクアンプを作りましたが、今さらながらちょっと気になるところが出てきました。
マイクアンプ Ver.2 の製作 (その1)
マイクアンプ Ver.2 の製作 (その2 : 完成)

無信号時のノイズフロアですが、下図のように低周波領域で持ち上がっています。

20210104_0008

作った当時はあまり深く考えませんでしたが、
オペアンプで発しているノイズではないかと思い始めました。

低ノイズと謳われているオペアンプでも、CMOS タイプとバイポーラ (または J-FET) タイプとではノイズ特性が異なります。
入力換算雑音電圧密度が同じような値でも、規定している周波数がバイポーラ (または J-FET) タイプの方が低いです。
同じ低い周波数で比較してみると、CMOS タイプの方が入力換算雑音電圧密度が大概大きくなります。

前回作ったオペアンプは、ボルテージフォロアと 10 dB 増幅に使用したのですが、
帯域制限しなかったので、特に低周波領域でノイズが大きくなってしまったと思われます。

周波数が低くなるほどノイズが大きくなるのは、オペアンプの 1/f ノイズが見えているのだと思います。

 


そこでノイズ特性を改善させるため、今回オペアンプを使わない構成でマイクアンプを作り直してみることにしました。

20240218_0001
20240218_0002 20240218_0003

電源電圧を 9 V に変更することにより、
トランジスタ二段でも開ループ利得が 約 71 dB の増幅回路を構成することができました。
約 30 dB の負帰還を掛けて、仕上がり利得が約 42 dB の増幅器にしています。

最初はエミッタフォロワの出力から負帰還を掛けていましたが、
どうも波形がすぐに歪んでしまうので、二段目の出力から負帰還を掛けるように変更しました。

出力段のエミッタフォロワは、J-FET による定電流源で駆動するようにしてみました。

入力部のバイアス回路は、PSRR を考慮して少し形を変えてみました。
スマートな回路ではありませんが、仕方ありません。

 


正弦波信号を入力端子から入れて、波形を見ていきます。

約 2 Vp-p の出力はそれなりに得られています。

20240218_0004

約 2 Vp-p の出力時の二次歪みは、-60 dB 弱です。
ノイズフロアも、前作より下がったように思います。

20240218_0005

10 dB 入力レベルを下げてみると、二次歪みは -70 dB ほどになります。
三次歪みは、ほぼノイズレベルです。

20240218_0006

ホワイトノイズを入力して周波数特性を見てみます。
低域から 20 kHz 弱まで、ほぼフラットです。

20240218_0007

最後に無信号時のノイズです。
低周波領域のノイズ持ち上がりは見られず、ほぼフラットです。

20240218_0009

 


結論として、ノイズ特性の改善はできたように思います。

ただ、エミッタフォロワから負帰還を掛けたときの波形歪みは、
いろいろな箇所を疑ってみましたが、改善させることはできませんでした。

心残りで残念ですが、結果オーライということで、今回はこれで行こうと思います。

 


2024/2/25追記

エミッタフォロワの出力から負帰還を掛けたときの波形歪みの原因は、発振でした。
無入力時に約 10 MHz の発振波形 (綺麗な正弦波) が見られました。

設計時にシミュレーションでも動作確認していたのですが、
過渡解析では発振波形は見られず、小信号解析 (周波数特性) は 100 kHz までは問題なかったので、
安心していました。
小信号解析を 100 MHz まで拡げてみてみると、10 MHz 付近でピーキングが見られ、
正利得時の位相も 180 ° 以上回ってしまっていました。
すなわち位相余裕が全く無い状態でした。これでは発振してしまいます。
この約 10 MHz の発振波形が負帰還の邪魔をして、波形歪みを起こしていたようです。
C6, R8, R9 の組み合わせを変えたりしても、位相余裕がさほど増えるわけではありませんでした。

エミッタフォロワの手前から負帰還を掛けた場合は、位相余裕がありました。
C6 を 330 pF にすると、(シミュレーション上ですが) 位相余裕は 45 ° 程度になりました。
C6 を増やしていくと位相余裕が増していきますが、(オーディオ信号帯域の) 高域の周波数特性が悪化します。
なので、C6 は 330 pF で良さそうです。

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