« ボイスレコーダー用 IC APR33A3 の動作確認 | トップページ | QSO パーティー 2024 (1日目) »

2023年12月29日 (金)

ボイスレコーダー用 IC APR33A3 の動作確認2 (音質確認)

今日もボイスレコーダー用 IC の APR33A3 について動作を確認してみました。

 

前回動作確認したときに、VOUT1 端子、VOUT2 端子の出力は PWM と書きました。
もう少し APR33A3 のデータシートを見てみると、
オプションで VOUT2 端子が DAC 出力 (アナログ信号出力) も設定できるようです。

20231229_0001
(APR33A3 Datasheet より抜粋)

具体的にどのように設定したらよいのか、データシートには明確に示されていませんが、
記載されている回路例にヒントがありました。

20231229_0002
(APR33A3 Datasheet より抜粋)

VOUT1 端子を 1kΩでプルアップすると、VOUT2 端子から D/A 変換された信号が出力されるようです。
DAC は電流出力のようなので、300Ωの負荷抵抗で電圧変換する必要があるようです。
おそらく DAC 出力は PNP トランジスタのオープンコレクタか、P-MOS のオープンドレインだと思われますので、
負荷抵抗は GND に接続するように示されています。

コンデンサは省略しましたが、1kΩのプルアップ抵抗と300Ωの負荷抵抗を付けてみたところ、
VOUT2 端子からアナログ信号が出力されることが確認できました。

 


そこで、いろいろと信号を録音して、Wavespectra で特性を調べてみました。
自作のデジタルモード用インターフェースを使い、
録音は USB オーディオコーデック IC を経由して、LINE IN に入力、
再生音は DAC 出力を USB オーディオコーデック IC を介して PC に入力
させました。

まずは周波数特性を調べるために、ホワイトノイズを録音、再生してみました。

20231229_0003

5 kHz 強のところで、スパッとフィルタが効いています。
サンプリング周波数が 12 kHz なので、アンチエイリアシングフィルタの特性としてはこんなもんでしょう。
音声帯域が 5 kHz ぐらいまであれば、無線用途でも何とか使えそうな気がします。

 

次に、正弦波 200 Hz の録音、再生

20231229_0004

何かサイドバンドや、それを含んだ高調波歪みがありそうです。

音も聞いてみます。

何かボコボコしたノイズが乗っており、かなり耳障りです。

 

正弦波 500 Hz

20231229_0005

 

正弦波 1000 Hz

20231229_0006

 

正弦波 2000 Hz

20231229_0007

 

正弦波 3000 Hz

20231229_0008

 

正弦波 4000 Hz

20231229_0009

 

正弦波 5000 Hz

20231229_0010

どの周波数にしても、ボコボコノイズが乗ってしまいます。

 

ちなみに、正弦波 4000 Hz で録音レベルを下げてみました。

20231229_0011

やはりボコボコノイズは乗ってしまいます。

 

ところが無入力で録音すると、このボコボコノイズが乗りません。
また、マイクから入力しても、ボコボコノイズは乗りません。

マイクから、1 kHz 正弦波 (PC での再生音) を録音してみました。

20231229_0012

マイクの特性なのか、入力レベルが適切でなかったのか分かりませんが、
二次、三次の歪みが少し見えます。
ただ、ボコボコノイズが無いので、低域のノイズフロアがフラットになっています。

音はどうでしょうか。

ボコボコノイズはありません。

 

最後に、Acrobat Reader DC の読み上げ機能を利用し、
(人工的ですが) 音声を録音してみました。
内容は、FT-991A の取扱説明書の一部です。

PC のスピーカーの音を拾っているので、ちょっと薄っぺらい感じがします。
マイクの特性かもしれませんが、低音があまり出ていません。
サンプリング周波数が低いせいなのか、ちょっと声がシャリシャリした感じです。

 

CQ マシーンとして使いたいと考えていますので、
どこまで自然な音に近づけられるのか、もう少し検討が必要な気がします。

 


2024/1/7 追記

オシロスコープで波形を確認しておきました。

負荷抵抗 330 Ω

20240107_0001

 

負荷抵抗なし (無負荷)

20240107_0002

電流出力かどうかの確認。
やはり、負荷抵抗なしでは信号の振幅は得られず、DC 電圧も High に張り付いています。

 

負荷抵抗 100 Ω

20240107_0003

目分量で測定しているので誤差はありますが、
負荷抵抗を小さくした分だけ DC 電圧や振幅は小さくなっています。
当然の結果だと思います。

 

負荷抵抗 1 kΩ

20240107_0004

DC電圧は負荷抵抗を大きくした分高くなっていますが、
振幅がほとんど変わらない結果となりました。
波形が歪んでいるような感じもしませんし、理由が不明です。

上記の結果から、DCバイアス電流 (出力無信号時の電流) は、
 880 mV ÷ 330 Ω = 2.6 mA
 260 mV ÷ 100 Ω = 2.6 mA
 2.24 V ÷ 1 kΩ = 2.24 mA
ということで、2.5 mA 程度だと思われます。

« ボイスレコーダー用 IC APR33A3 の動作確認 | トップページ | QSO パーティー 2024 (1日目) »

無線(工作)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« ボイスレコーダー用 IC APR33A3 の動作確認 | トップページ | QSO パーティー 2024 (1日目) »