JLCPCB で四層基板を作ってみました
自分の電子工作では多層基板は無縁だろうと思っていましたが、
今回初めて四層基板を試してみました。
基板作製を依頼したのは、いつもの JLCPCB。
50 mm × 50 mm サイズまでであれば、四層基板 5 枚でも 2.0 USD なので驚きです。
ただし、内層の銅箔厚は 0.5 oz (17 µm) が基本です。
GND 層や電源層として用いるには 1 oz (35 µm 厚) は欲しいところですが、
1 oz にするにはオプション料金が追加となってしまうのが少々残念です。
大電流を流すような回路で無ければ、0.5 oz でもさほど問題にならないでしょう。
また、ソルダーレジストの色はグリーンのみが基本となるようです。
好みの問題だと思いますが、私はグリーンでも全然問題ありません。
今回製作した基板は 100 mm × 85 mm なので 7.0 USD でしたが、それでもかなり格安です。
ただ、100 mm × 100 mm を超えると、一気に 28.3 USD と価格アップするようです。
二層基板であれば、100 mm × 100 mm 5 枚までは 2.0 USD ですが、
プラス $ 5.0 で四層基板にできるのであれば、基板のパターン設計はグッと楽になり、
非常にメリットになると感じます。
今回依頼した基板は、絶縁型デジタルモード用インターフェースです。
以前製作した Ver. 3.0 の回路にミスが見つかり、それを修正するついでに基板サイズを小さくしました。
電源配線の引き回しが結構邪魔になり、GND 領域が途切れ途切れになってしまう部分もいくつか出てきて、
納得できるパターン設計がなかなかできませんでした。
これまでは多層基板のハードルは高いと思い、手を出すことにかなり躊躇していましたが、
今回思い切って四層基板で設計するよう舵を切ってみました。
案ずるよりは産むが易し、意外にすんなりと設計できました。
表面と裏面は主に部品間の配線、内層1は ベタGND、内層2はベタ電源としました。
これでGND や電源の配線領域も充分確保しつつ、他の配線も割と思いどおりに引くことができました。
いろいろな特性向上も期待したいです。
ビアは貫通ビア (表面から裏面まで貫通) のみです。
表面 (または裏面)ー内層、内層ー内層のビアも適用できるのかもしれませんが、
オプション料金が掛かる可能性があるので、使いませんでした。
結局、基板代:7.0 USD、送料:0.95 USD、Paypal 手数料:0.5 USD の合計:8.45 USD で四層基板が出来上がりました。
10 USD 以下で四層基板が手に入るなんて、今まで考えたこともありませんでした。
発注したのは 8/27 の夜中で、9/9 には届きました。
二層基板の場合より製造日数は 2 日ほど長くなりますが、この価格を考えたら我慢できます。
届いた基板は下の写真ですが、見た目は二層基板をほぼ同じです。
GND に繋がるランドのハンダ付けをしていて、若干ハンダの乗りが悪いなと感じました。
おそらく内層1のベタ GND に熱が逃げて、ランドに加わる熱が不足気味になっているのだと思います。
ハンダごての温度を少し上げるか、少し大きめのハンダごて使用した方が良さそうです。
何とか部品の移植も終わり、基板が完成しました。
100 mm × 100 mm までの四層基板が、送料や手数料込みで 10 USD 以下で作れることは、非常に魅力的なことです。
自分の中で、四層基板を使うハードルがかなり下がりました。
一層または二層のパターン設計を基本としていても、
配線の引き回しや GND や電源領域の確保で悶々とするぐらいならば、
プラス 5.0 USD で (ちょっと贅沢に) 四層基板にする選択肢の方がお薦めだと思います。
注) 上記の価格は、2023年9月時点のものです
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