絶縁型デジタルモード用インターフェース基板を、何方かご興味ある方にお譲りしたいと思います。
ご興味ある方は、コールサイン @ jarl.com までメールでご連絡いただけると幸いです。
(コールサインは、弊ブログのサブタイトルに記載しています)
ご質問だけでもご連絡いただいて結構です。
先決 1 名の方にお譲りできればと思います。
ただし、弊記事下部に記載の点にご理解いただける方を希望いたします。
リグ - PC 間が USB ケーブル一本で直結が主流になりつつある現在、
あまりニーズが無いと思われますので、気長にお待ちいたします。
当分の間、記事のトップに表示させていただきます。
【仕様】
・入力側は USB (Type-B) で、USB ハブを搭載
USB バスパワーで動作可能
・USB オーディオコーデック IC を搭載
・オーディオ入力インピーダンス:約 10 kΩ
オーディオ出力インピーダンス:約 10 Ω
オーディオ入出力音量調整用ボリュームは無し (PC 側のシステムまたはソフトで音量調整)
・CW Keying、RTTY Keying、PTT 制御が可能 (WSJT-X、CTESTWin、MMTTY で動作確認済み)
出力はいずれも正極性のオープンコレクタ (耐圧:+55 V)
真空管式のリグなど、負極性のリグはそのままでは Keying できません。
・CAT 制御可能 (TS-590S、TS-2000SX で Hamlog, CTESTWin, WSJT-X 動作確認済み)
RS-232 インターフェース (TXD, RXD, CTS, RTS、RS-232レベル)
【ご理解いただきたい点】
・平日は仕事に勤務しておりますので、メールなどの返信が深夜になってしまいます。
迅速な対応ができませんことをご了承ください。
・お譲りするのは、基板のみです。
ケースや接続ケーブルなどは付属しません。
・パソコンやリグ、ハードウェアに多少知識のある方を希望いたします。
接続方法や導入方法については、可能な限りサポートさせていただきます。
ただし、リモート (メールなどでのやりとり) でのサポートには限界が有ることをご理解ください。
回路図はブログで公開しておりますが、ご希望があれば pdf ファイルをメールで送付いたします。
・申し訳ありませんが、送料と多少の部品代はご負担いただきたいです (儲けるつもりはありません)。
部品代の概算は 5k 程度の予定です。
(購入当時の価格をベースに、使い回し部品は半額として算出しています)
お近くの方であれば、直接手渡しも可能です。
・素人が設計、手はんだで組み立てしたものなので、プロ (メーカー製品) 並のクォリティを求めないでください。
・部品取りなど好きにご使用いただいて構いませんが、改造などに伴う故障や動作不良に関しては、
サポートいたしかねます。
よろしくお願いいたします。
以下、製作記事です。
もうデジタルモード用のインターフェースは新たに作る必要は無いのですが、
以前に製作した Ver.2 の出番が無くなったことと、手持ち部品を使い切りたかったので、
これらの部品を組み合わせて、絶縁型のデジタルモード用インタフェース (Ver.3.1) を作ることにしました。

◆◆ 設計のコンセプト ◆◆
基本的には、以前製作した Ver.3 と同一仕様です。
ただ、面実装部品を増やすことなどで、基板サイズを小さくすることを目標としました。
◆◆ 回路 ◆◆
Ver.3 とは大きく変わりません。

主な変更点は以下のとおりです (細かい変更点はもう少しありますが...)。
部品 |
Ver.3.1 |
Ver.3 |
USB Audio Codec IC |
PCM2906 |
PCM2903C |
オペアンプ |
AD8532 |
AD8656 |
USB-シリアルコンバータ |
FT232RL + FT231XS |
FT232RL × 2 |
トランス |
ST-78 |
ST-71 |
フォトカプラドライブTr |
2SC2712 (Bip Tr) |
2SK2962 (MOS FET) |
3.3V レギュレータ |
NJM2871BF33 |
ADP151AUJZ-3.3 |
Ver.3 と同様に、リグ側のトランス入出力にバッファ回路を設けていますので、
トランスの特性がリグ側のインピーダンスに影響されないようにしています。
以前 ST-78 の特性を測定したとき、周波数特性的にはトランスのドライブインピーダンスは 1 kΩ ぐらいが
ちょうど良さそうという結果でしたが、ノイズなどの飛び込みが心配でしたので、
低インピーダンスでトランスをドライブすることにしました。
RS232C 制御信号は、絶縁を介して TXD、RXD、RTS、CTS 信号の通信ができますので、
フロー制御も可能です。
◆◆ 基板 ◆◆
KiCAD Ver.7.0.1 でパターン設計しました。
メジャーアップデート後だったのですが、特に大きな問題はありませんでした。
基板サイズは 85 mm × 100 mm に収まりました。
(もっと詰まると思いますが、深追いはせずです)

プリント基板は、いつもの JLC PCB に依頼しました。
送料込みで 5枚 $3 は非常に助かります。
ガーバーデータ送って発注後、ちょうど一週間で手元に届きました。
◆◆ 組み立て ◆◆
いつものとおり、全て手ハンダによる実装です。
今回、二箇所に 1005 サイズのチップコンデンサを使用しましたが、
ハンダごてのこて先を変えたこともあり、難なくハンダ付けできました。
前作の Ver.3 との比較です。
だいぶ基板サイズが小さくなりました。
(左が今回製作した Ver.3.1、右が Ver.3)

絶縁無しの Ver.2.5 との比較です。
(左が Ver.3.1 で、右が Ver.2.5)

◆◆ 動作確認 ◆◆
基板の完成が、オール JA コンテスト開始の一時間前で、そのままコンテストに実践投入しました。
その結果、CTEST Win での周波数取り込み、CW Keying、PTT 制御は OK でした。
また、MMTTY での RTTY Keying、WSJT-X での FT8 でも動作が確認できました。
ただ、FT8 で信号を送出したとき、ハム音を拾いやすいことが分かりました。
LED デスクライトの電源ケーブル (DC 電源) からノイズを拾っているようですが、
電源ケーブルから話したり、基板とリグを繋ぐケーブルを手で持ったりすると、ノイズが減少します。
検討の結果、音声出力信号をプルダウンしている抵抗 10 kΩ (R26) を未実装とすることにより
改善することができました。
Ver.3 のときに見られた、絶縁デバイス ADuM5402 に起因する高周波ノイズは、
かなりレベルが低かったです。
しかし念のため、基板の裏面の絶縁間に、銅箔テープを貼っておきました。
銅箔テープの糊面は非導電性であり、かつ基板のソルダーレジストが塗布してある領域に貼りましたので、
絶縁間が (直流的に) 導通することはありません。
音声信号をループバックさせ、信号品質も確認しました。
まずは、1500 Hz の信号を PCM2906C からフルで出力したときの FFT 波形です。
2 次歪みは -80 dB 以下、3 次歪みも -70 dB 程度と、割と良好です。

出力レベルを 6 dB 下げてみました。
(いつも大体これぐらい、もしくはそれ以下の出力レベルで使用しています)
3 次歪みも -80 dB 以下となり、問題無いでしょう。

トランスの特性で厳しくなる、低い方の周波数ではどうでしょうか。
200 Hz でフル出力させたときの結果です。
3 次歪みが -60 dB 弱と、やはり若干歪みが増えてきます。
ただ、信号レベルをもう少し下げてやると、マシになるのでは無いでしょうか。

最後に、ホワイトノイズを入れて、周波数特性をみてみました。
低域が若干持ち上がっているかという感じで、高域は 20 kHz ぐらいまでフラットでした。

まあまあ使い物になりそうな感じです。
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