MMANAで円形ループアンテナのシミュレーション検討
1200 MHz 帯のループアンテナを検討してみようと思いました。
以前 430 MHz 帯のループアンテナを作ったときは、正方形 (スクエア) の 1λ ループにしましたが、
今回は円形のループアンテナにしたいと考えています。
まずは、MMANA を使ってシミュレーションし、机上検討から始めます。
しかし、MMANA では円形の定義ができないようなので、正多角形で近似する必要があります。
では、どこまで多角形にすれば良いのでしょうか。
既に充分議論し尽くされた話かも知れませんが、自分でも試してみたいと思い、
MMANA で多角形の種類をいくつか変えてシミュレーションしてみました。
とりあえず、今回は多角形の比較だけなので、基本的な 1エレメント 1λのループアンテナでシミュレーションしてみます。
1295 MHz で同調する (リアクタンス成分が 0 Ω となる) ように、エレメント長を調整しました。
シミュレーションは、リアルグラウンド、2 m 高としました。
【結果まとめ】1295 MHz 1λループアンテナ
形状 | 正四角形 | 正八角形 | 正十六角形 | 正三十二角形 | 正六十四角形 |
エレメント全長 | 26.65 cm | 25.93 cm | 25.74cm | 25.75 cm | 25.72 cm |
インピーダンス | 約142 Ω | 約149 Ω | 約154 Ω | 約157 Ω | 約157 Ω |
絶対利得 | 8.66 dBi | 8.88 dBi | 8.93 dBi | 8.96 dBi | 8.96 dBi |
これを見ると、正十六角形以上で各数値の変化が少なくなっており、円形にかなり近似できていることが分かります。
なので、円形ループアンテナのシミュレーションは、正十六角形以上にすることが望ましそうです。
ただし、あまり細かくしすぎるとシミュレーションに時間が掛かってしまいますので、
妥協点としては正十六角形がベター、正八角形で何とか許せる範囲という感じがします。
あくまでもシミュレーション上の話なので、この結果と実物の実測が合うという検証は別途必要かと思います。
以下は、シミュレーションの結果図です。
Excel の関数を用いて正多角形の全辺長から頂点の座標を計算させ、
カンマ区切り形式の CSV ファイルでエクスポートして、MMANA の定義ファイルにコピー&ペーストしました。
(Excel では、正N角形の全辺長からN個の頂点座標データを出せるようにしました)
賢い方々は、マクロを組んで MMANA の定義ファイルを直接出せるようにしているのでしょうね。
⑤ 正六十四角形
次は、エレメント数を増やして、1200 MHz 帯のループアンテナ設計をしていく予定です。
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