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2022年12月の3件の記事

2022年12月26日 (月)

1200MHz 10エレループアンテナの検討

先日 MMANA で円形ループアンテナのシミュレーションを検討したところ、
正十六角形以上で近似すれば良好なことが分かりました。
MMANAで円形ループアンテナのシミュレーション検討

今回、1200 MHz 帯用の10 エレメント ループ (円形) アンテナを
正十六角形で近似したデータを用いたシミュレーションにて検討してみました。

 


手っ取り早く、以前製作した 430 MHz 7 エレ スクエアループのデータを元に、
1200 MHz 帯サイズにスケールダウンしたところからスタートしました。

Excel を用いて MMANA に入力するエレメントの座標を計算し、
カンマ区切りの CSV ファイルにエクスポートして、
MMANA の定義ファイル (.MAA 形式のファイル) にコピー&ペーストすることを繰り返しました。

一通り10 エレまで入力したところで、MMANA で最適化を掛けました。
ただし、エレメントサイズは変化させず、エレメント間隔だけで最適化させました。

20221226_0001

 


ベストな結果かどうかは分かりませんが、まずまずのところまでは追い込めました。
シミュレーションでの結果ではありますが、アンテナ製作の目安にはなると思います。

20221226_0002

20221226_0003

20221226_0004

 


エレメントは、100 円ショップで売っている、3 mm 径のアルミ線にしようかと考えています。
ただ、ラジエータだけはアルミ線、銅線、真鍮棒どれにしようか迷っています。

エレメントクランプや給電点の加工もどうするか検討中です。
早く製作に取りかかりたいところですが、なかなか時間が取れません。
(他の中途半端な仕掛品もいくつもある状態です)

2022年12月25日 (日)

USB ーシリアル変換 IC FT231XS

以前に製作したデジタルモード用インターフェースで、設計をミスしたかと一瞬冷やっとしました。
今後同じような間違いをしないように、備忘録として書き留めておきます。

 


製作記事としては残していませんが、一昨年にデジタルモード用インターフェース Ver.2.6を作り、
現在主に使用しています。

USB ーシリアル変換 IC はそれまで FT232RL を使用してきましたが、
FT231XS の方が価格が安く、必要機能は揃っているということで、IC を変更しました。

最近 FT231XS のデータシートを見る機会があり、
FT232RL と FT231XS の I/O 電圧範囲が異なることに気がつきました。

FT231XS は I/O が 1.8 〜 3.3 V になっており (FT232RL は 1.8 〜 5 V)、
シリアル側の回路を 3.3 V 系に変更する必要があります。
その点を見落としていたのか、それとも設計時点で把握し敢えてそうしていたのか覚えていませんが、
シリアル側の回路は 5 V 系のままにしています。

20221225_0001


下側の回路は、RS-232 トランシーバに MAX3232を使用しており、
VCC を VBUS (5 V) に接続しています。

FT231XS の I/O は 3.3 V 系、MAX3232 の I/O は 5 V 系と、
I/O の電圧が異なる IC を直接接続しています (その割には、今まで誤動作無く使えている)。

FT231XS の出力の Hi レベルは 3.3 V で、MAX3232 の入力がCMOS レベルだったとすれば、
Hi レベルの閾値下限は Vcc × 0.7 (= 3.5 V) になるので、
3.3 V の入力では Hi レベルを保証できなくなってしまいます。

しかし、MAX3232 のデータシートを調べてみると、I/O は TTL レベルに近い仕様のようで、
Hi レベルの閾値下限が 2.4 V となっています。
(本来の TTL レベルだと、Hi レベルの MIN 値は 2.0 V)
つまり、3.3 V を入力しても、ちゃんと Hi レベルを認識してくれます。

MAX3232 のデータシートより抜粋

20221225_0002

一方で、MAX3232 の出力 Hi レベルは 5 V なので、
このまま 3.3 V 系 I/O の FT231XS に入力すると壊れてしまいます。

FT231XS のデータシートを調べてみますと、"Tolerant of 5V Input" と書かれており、
5 V 入力も許容されているので、問題ないようです。

FT231XS のデータシートより抜粋
20221225_0003

結論としては、FT231XS と 5 V 電源の MAX3232 の組合せは、特に問題無かったということになります。
(データのタイミング的な検証はできていませんが、今のところ不具合はありません)
※TTL レベル入力と Tolerant Input は、ロジックの電圧レベル変換で使用される手法の一つです。

 


また、上側の回路は FT231XS の出力で FET (2SK2962) をドライブしていますが、
3.3 V では ON しない可能性が考えられます。

2SK2962 のデータシートを調べると、ゲートしきい値電圧の最大は 2.0 V であり、
ID - VGS のグラフからしても、おそらく問題無いと思われます。

2SK2962 のデータシートより抜粋

20221225_0004

20221225_0005

 


結果的に問題無かったということになりましたが、
設計段階でそこまで気が付いていてそのようにしたのか、
それとも気がつかず見過ごしていたのかは記憶に残っていません。

このようなことが起こらないように、
設計段階でちゃんと設計思想を記録して残しておくことが重要です。
今回は後付けになりましたが、備忘録として残すことにしました。

2022年12月11日 (日)

MMANAで円形ループアンテナのシミュレーション検討

1200 MHz 帯のループアンテナを検討してみようと思いました。
以前 430 MHz 帯のループアンテナを作ったときは、正方形 (スクエア) の 1λ ループにしましたが、
今回は円形のループアンテナにしたいと考えています。

 


まずは、MMANA を使ってシミュレーションし、机上検討から始めます。
しかし、MMANA では円形の定義ができないようなので、正多角形で近似する必要があります。
では、どこまで多角形にすれば良いのでしょうか。
既に充分議論し尽くされた話かも知れませんが、自分でも試してみたいと思い、
MMANA で多角形の種類をいくつか変えてシミュレーションしてみました。

とりあえず、今回は多角形の比較だけなので、基本的な 1エレメント 1λのループアンテナでシミュレーションしてみます。
1295 MHz で同調する (リアクタンス成分が 0 Ω となる) ように、エレメント長を調整しました。
シミュレーションは、リアルグラウンド、2 m 高としました。

 


【結果まとめ】1295 MHz 1λループアンテナ

形状 正四角形 正八角形 正十六角形 正三十二角形 正六十四角形
エレメント全長 26.65 cm 25.93 cm 25.74cm 25.75 cm 25.72 cm
インピーダンス 約142 Ω 約149 Ω 約154 Ω 約157 Ω 約157 Ω
絶対利得 8.66 dBi 8.88 dBi 8.93 dBi 8.96 dBi 8.96 dBi

 

これを見ると、正十六角形以上で各数値の変化が少なくなっており、円形にかなり近似できていることが分かります。
なので、円形ループアンテナのシミュレーションは、正十六角形以上にすることが望ましそうです。
ただし、あまり細かくしすぎるとシミュレーションに時間が掛かってしまいますので、
妥協点としては正十六角形がベター、正八角形で何とか許せる範囲という感じがします。

あくまでもシミュレーション上の話なので、この結果と実物の実測が合うという検証は別途必要かと思います。

 


以下は、シミュレーションの結果図です。

Excel の関数を用いて正多角形の全辺長から頂点の座標を計算させ、
カンマ区切り形式の CSV ファイルでエクスポートして、MMANA の定義ファイルにコピー&ペーストしました。
(Excel では、正N角形の全辺長からN個の頂点座標データを出せるようにしました)

賢い方々は、マクロを組んで MMANA の定義ファイルを直接出せるようにしているのでしょうね。

① 正四角形
20221211_0001

 

② 正八角形 
20221211_0002

 

③ 正十六角形 
20221211_0003

 

④ 正三十二角形 

20221211_0004

 

⑤ 正六十四角形 

20221211_0005

 


次は、エレメント数を増やして、1200 MHz 帯のループアンテナ設計をしていく予定です。

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