430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランを 7エレ 1λヘンテナに組み込み
先日より検討していた 430 MHz 帯用 50 Ω:50 Ω 強制バランを、
7エレ 1λヘンテナに組み込んでみました。
まずは、バランを支持するためのクランプを製作。
厚さ 1 mm のポリエチレン製まな板から切り出して作りました。
エレメント取り付け用の穴は、U バランの接続点から 6.9 cm のところに開けました。
(先日検討した Q マッチングの長さ 6.4 cm + エレメント幅 1 cm の 1/2)
マイクロストリップラインは、防錆のためハンダメッキを施しました。
ハンダを分厚く盛ると特性インピーダンスに多少影響でますので、
ハンダ吸い取り線を使ってハンダを薄く伸ばし、軽くサンドペーパーで磨きました。
裏面のベタパターンは、U バランの接続点から 6.4 cm のところでカットしました。
したがって、アンテナのエレメントをネジ止めしても、ベタパターンと接触することはありません。
また、ソルダーレジストを追加塗布して全面を覆いました。
7エレ 1λヘンテナに 430 MHz 帯用 50 Ω:50 Ω 強制バランを取り付けた様子です。
裏面はこんな感じです。
U バラン部分とブームが干渉しますので、ブームを U バランの間に通しています。
バランのクランプはまだボルトでブームに固定していませんが、
後日固定するように追加加工する予定です。
バラン組み込み後の、7エレ 1λヘンテナの全体図です。
430 MHz 帯用 50 Ω:50 Ω 強制バランを組み込み後に、
NanoVNA で 7エレ 1λヘンテナの特性を確認しました。
給電エレメントの (引き出し部分の) 長さが変わったせいか、
そのままでは同調点もインピーダンス (特にリアクタンス成分) がズレており、
調整が必要になりました。
そこでラジエータの左右エレメントの位置をずらして、
何とか良い感じのところまで追い込みました。
最終的な結果は以下のとおりです。
VSWR の最小点は、バランを取り付ける前より悪化してしまいましたが、
430 〜 440 MHz の範囲で 1.5 : 1 以内には収まっているようなので、
まあ良しとすることにしました。
バランを入れたからと言って、特段飛びが良くなるということはないと思います。
ただ、気のせいかも知れませんが、若干ノイズが減ったような気がします。
同相ループで入り込んでくるノイズ信号が抑えられるようになったと、勝手に納得しています。
まだあまり使い込んだ訳ではないので、後々いろいろと分かってくると思います。
昨日、何局か QSO させていただきましたが、
50 W で送信しても、特に不具合などは見られませんでした。
トロイダルコアを使った広帯域バランと違い、調整も必要で、製作するのは結構面倒くさいです。
強制的に不平衡 ⇔ 平衡の変換をさせて精神衛生上安心を得るという、
単なる自己満足に過ぎなかったのかも知れません。
これで、430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの製作は終了です。
<関連記事>
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その1)
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その2)
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その3)
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その4)
430MHz帯 7エレ 1λヘンテナの製作
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