ちょっと前のことですが、コンテストでの運用を終えてリグを片付けようとしたときに、
DC 電源コードが熱を持っていることに気がつきました。
それ以来、DC 電源コードでの発熱や電圧降下が気になり出しました。
昨晩、430MHz FM で QSO していたときにその話をしたところ、
リグの種類は違えど、やはり同じような状況であるとのことでした。
私のリグは TS-2000SXで、QSO の相手方は IC-9700 をお使いでした。
430 MHz FM で 50 W 送信していると、みるみるうちに DC 電源コードが発熱します。
定量的ではないですが、「熱いに近い暖かい」ぐらいの温度感ということで、
お互いの見解が一致しました。
まあ、精神衛生上はあまりよろしくないです。
写真は TS-2000SX の DC 電源コードです。

圧着スリーブを鋏んで左側がリグ側、右側は DC 安定化電源側です。
リグ側の電源コードは、ビニル被覆線が 2 パラになっています。
発熱する箇所は、圧着スリーブの部分と右側の単線 (単芯ではない) の部分です。
まあ、大体想像はつきますね。
単線に変換しているのは、ヒューズ BOX を噛ましているからでしょうか。

このヒューズも、まあまあ発熱します。
ヒューズの抵抗値はどんなもんか調べてみたら、25 A 品で 3 mΩ 弱のようです。
参考:太平洋精工 BFAT-D 型 カタログより
https://www.pecj.co.jp/fuse/files/PEC_BFAT-D_jp.pdf
3 mΩ ってごく僅かのように感じますが、25 A も電流が流れると、
3 mΩ × 25 A = 0.075 V
の電圧降下が生じ、
3 mΩ × 25 A × 25 A = 1.875 W
の電力が損失し、熱に変わります。
+側、ー側ともにヒューズが入っていますので、合計で 4 W 弱の電力が損失しています。
結構バカにならないですね。
電源コードや圧着スリーブの抵抗、ヒューズ BOX での接触抵抗も有りますし、
電源コードが痛んでたりしたら抵抗値が大きくなるので、余計に電力損失 (発熱) してしまいます。
ヒューズを付けなければ、ビニル被覆線 2 パラ部分から電源供給することができ、
電圧降下や電力損失 (発熱) を抑えることができるのでしょうが、非常に危険でリスクが高いため、
絶対にやってはいけないことです。
DC 電源コードでの発熱はメーカーの想定内のことでしょうし、
触れないぐらいに異常な発熱や発煙などなければ、(精神衛生上よろしくないですが)
このまま使っても大丈夫なんでしょう。
また、電波法第五十四条第二項の観点から、必要最小限にパワーを落として送信するように
普段から心がけるべきだと思います。
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