先日設計し直したマイクアンプですが、年末の休暇に入ってからプリント基板を作りました。
当初は両面基板で設計していましたが、片面でいけそうだったので、
手間の少ない片面基板に変更しました。
サイズは、88 mm × 56 mm です。

年が明けて本日、マイクアンプ Ver.2 の基板を組み上げました。
片面基板だと、何かショボく見えます。
前作のマイクアンプの部品で流用できるものは、前作の基板から取り外して使い回しました。


早速、動作チェックです。
各ポイントでの DC 電圧をチェックしましたが、ほぼ設計値どおりでした。
オペアンプを追加しただけ回路電流が増え、電源ラインに入れている抵抗 (22 Ω) での
電圧降下が少々大きくなっており、供給電圧より 0.2 V ほどドロップしています。
次に デジットの USB Audio Interface およびマイク (ECM-23F5) を接続し、
Windows の「このデバイスを聴く」の機能を使って、モニタ音のチェックです。
さすがに 10 倍 (20 dB) 追加したのは、やり過ぎでした。
Windows 10 上で USB Audio Codec の入力レベルを 10 ぐらいまで絞らないと、
入力レベルが大きすぎます。
そこで、後段アンプのゲインを落とすことにしました。
帰還抵抗を 10 kΩ から 3 kΩ に変えてみたところ、USB Audio Codec の
入力レベルが 50 ぐらいでちょうど良い感じになりました。
後段アンプのゲインは約 10 dB となり、トータルで 42 dB 程度になります。
Wave Gen で発生させた信号を今回製作したマイクアンプに入力し、
出力を Wave Spectra で見てみました。
Wave Gen の出力は 1 kHz サイン波 / -40 dB、USB Audio Codec の入力レベルは 100 です。

ちょっと見にくいですが、二次歪みは -70 dB 程度で、三次以上はそれ以下のレベルです。
思ったほど歪みのレベルが高くなく、ちょっと安心しました。
Wave Gen の入力レベルをこれより上げていくと、急激に歪みレベルが大きくなっていきます。
USB Audio Codec の入力レベルを下げてもほぼ同様なので、USB Audio Codec の入力レンジを
超えてしまっているものと思われます。
現在手持ちの抵抗が無いので最終形の回路にできませんが、以下のように修正したいと考えています。

新年早々の工作になりました。
2021/1/4 追記
Wave Gen の出力を 1 kHz サイン波 / ATT -36 dBとして、PC のヘッドホン端子から
今回製作したマイクアンプに入力したときの波形を見てみました。

約 2 Vpp 出力しています。
オシロスコープの波形では、目立った歪みなどは見られません。
このとき、Wave Spectra で見てみますと、

1 kHz のスペクトルがほぼ 0 dB となっており、
USB Audio Codec の入力ダイナミックレンジギリギリであることが分かります。
このときの二次歪み、三次歪みレベルを考えると、マイクアンプ自体のダイナミックレンジは
まだ余裕がありそうなことが分かります。
これ以上信号レベルを大きくすると、ダイナミックレンジを超えて歪みが極端に悪化します。
ノイズフロアから見て、S/N 比は -80 dB 程度かと思われます。
マイクアンプで発生しているノイズが大きいかどうか分からないので、無入力にしてみます。

低域でノイズフロアが持ち上がっていますが、先ほどよりはノイズレベルが低いので、
信号源のノイズ (S/N 比) が支配的だったように思われます。
ちなみに、マイクアンプも外して USB Audio Codec 単体で見てみると、

低域のノイズレベルは下がりました。
このあたりは、マイクアンプで発生させているノイズなのでしょうね。
レベルは低いのですが、幾つかスペクトルのピークが見られます。
電源 (USB bus 電圧) 由来なのか、USB Audio Codec で発生させているのかは不明です。
今後、電源は別途用意する予定にしていますので、そのときに比較できればと思っています。
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