マイクアンプ Ver.2 の製作 (その1)
今年は新型コロナウィルスの影響で在宅勤務が多く、自宅から Web 会議に参加する機会も増えました。
そのときに、今年の夏頃に作ったマイクアンプが活躍しています。
ソニーの ECM-23F5 と接続し、デジットの USB Audio Interface を経由して USB で PC に接続しています。
https://ji3csh.air-nifty.com/blog/2020/07/post-0482f7.html
ただ、このマイクアンプがゲイン不足ではないかと感じてきました。
Web 会議で音声が小さいと言われたことはありませんが、
「このデバイスを聴く」の機能のモニタ音や、ボイスレコーダーアプリで記録した再生音を聞くと、
Windows 10 上で USB Audio Codec の入力レベルを 100 に設定しても、音声レベルが低いと感じます。
そこで、マイクアンプのゲインを見直すことを考えます。
オリジナルの回路がこちらです。
ゲインを上げるには、R9 (8.2 kΩ) を大きくするか、R7 (220 Ω) を小さくすればよいです。
ただし、R7 を変えるとバイアス電圧が変わってしまいます。
なので、簡単にやろうとすると、R9 を大きくした方が良さそうです。
どれだけゲインが不足しているかは定量的に捉えていませんが、
感覚的には 10 〜 20 dB 程度ではないかなと思われます。
この回路の開ループゲインが約 62 dB で、30 dB ほどの負帰還を掛けて、最終的に約 32 dB としています。
20 dB ゲインを上げようとすると、負帰還量が 10 dB 程度になってしまい、
周波数特性と歪み特性の悪化が懸念されます。
そこで、この回路の構成はゲイン配分は変えず、後段にアンプを追加する方向で考えます。
後段に設けるアンプは、手っ取り早く手持ちのオペアンプ OPA2350 で組むことにします。
二回路入りのオペアンプなので、アンプが一つ余ってしまいます。
勿体ないので、2SC2712Y のエミッタフォロワをボルテージフォロワで置き換えます。
20 dB ゲイン向上を前提に、回路図を引いてみました。
DC 直結回路としたかったのですが、一旦カップリングコンデンサで DC カットして、
後段のオペアンプのバイアス電圧を仕切り直すことにしました。
プリント基板も作り直しです。
特に深い意味はありませんが、デジットの USB Audio Interface キットと同サイズの
88 mm × 55 mm で作ることにしました。
若干余裕を持った部品配置になります。
作業はここまでで、冬休み以降に続きをしていきたいと考えています。
最終的には、モニタ用のヘッドホンアンプも付けて、ケースに収めた形にまとめたいです。
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