プッシュ式エレキー用マニピュレータ (失敗作)
以前、千石電商で圧力センサを手に入れました。
センサ部に圧力を加えることによって、端子間の抵抗値が変化するというものです。
データシートはこちらになります。
https://cdn.sparkfun.com/assets/8/a/1/2/0/2010-10-26-DataSheet-FSR402-Layout2.pdf
これを使って、無接点のエレキー用パドルでも作ろうかと思っていましたが、
それでは面白くないので、一つのセンサで短点、長点、短点/長点交互が出せるような
マニピュレータができないかと思い、お遊びで作ってみました。
結論から言いますと、失敗作になります。
が、折角なので記録として残しておきます (誰も興味は無いでしょうが...)
目標仕様としては、
①軽く押すと、短点が出る。
②少し強めに押すと、長点が出る。
③強く押し込むと、短点と長点が交互に出る (スクイーズ動作)。
マイコンなどの A/D 入力などを使うと簡単に実現できると思いますし、
そうでなくても NJM2901 などのコンパレータ IC を使うと少ない部品で構成できるはずですが、
今回は敢えてディスクリート部品 2SC1815、2SA1015 (相当品)で、超ローテクな回路を組みました。
回路図は以下のとおりです。
お遊びなので、回路設計は超テキトーです。
電源電圧 (5 V) を、圧力センサと 10 kΩ とで分圧し、コンパレータに入力しています。
コンパレータは 3 回路構成し、ウインドウコンパレータとなるように少し回路を付け足しています。
事前の評価で、圧力センサの端子間抵抗値は、ざっくり以下のようになりました。
無接触で、ほぼ ∞
軽く触れると、10 kΩ 程度
少し強く押すと、5 kΩ ぐらい
強く押すと、2 kΩ 〜 1 kΩ ぐらい
ユニバーサル基板にでも組めば良かったのですが、手持ちが無かったので、
サクッとプリント基板を作りました。
少し考え違いをしていて、回路を付け足した部分があり、基板の裏面に空中配線で接続しています。
先日製作した CMOS キーヤーに接続して、動作確認です。
一応、「短点出力」、「長点出力」、「短点 / 長点交互出力」の動作は確認できました。
ですが、致命的な問題がありました。
圧力センサに軽く触れようが、強く押そうが、必ず短点から出力してしまいます。
すなわち、最初に長点を出力させることができません。
動作させてみて気付いた (気付くのが遅い!!) のですが、
「長点出力」、「短点 / 長点交互出力」の状態にさせるには、
必ず先に「短点出力」の閾値を一瞬横切ることになりますので、
どうしても短点が先に出てしまいます。
これでは使い物になりません。
マイコンで構成した場合は、少しウェイト処理させるなどの対処法があるかも知れません。
9/6 追記
出力用のトランジスタ Q3、Q13、Q18 のベースと GND 間にコンデンサを付けて、
これらトランジスタの OFF → ON の立ち上がりを遅らせれば、対策可能かも知れません。
(Q18 のベースには抵抗を入れた上で)
一方で、これらトランジスタが ON → OFF のとき、コンデンサに充電された電荷を
(なるべく速く) 抜くパスを設けることが必要です。
コンデンサと並列に、少し大きめの抵抗を接続するなどすれば良いのでしょうが、
抵抗値はちょっと検討が必要に思います。
もしそれで上手く行ったところで、マニピュレータ自体の操作が難しく、
あまり実用的では無さそうなので、今回はこれ以上は追求しないことにしました。
ということで、「プッシュ式エレキー用マニピュレータ」は失敗に終わりました。
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