免許は受けているが電波を出したことがないモードの一つに、Hellschreiber (Feld-Hell) があります。
興味はあったものの、情報が少なく運用されている方もほとんどおられないので、これまで置き去りになっていました。
Youtube の動画で少し見たくらいです。
折角なので、電波を出すところまで試してみました。
◆ソフトウェア◆
何せ情報が少ないので、どのソフトウェアが良いか分かりません。
とりあえず、Feld Hell で検索してヒットした、Feld Hell Club の Web site から辿っていきました。
https://sites.google.com/site/feldhellclub/
画面左側のメニューに Software があるので入っていくと、
Feldhell Software として 10 個のソフトウェアが見つかります。
https://sites.google.com/site/feldhellclub/Home/software
有償のものや Windows 以外の OS 用があったりします。
今回は 6 番の、IZ8BLY 作 Hellschreiber を試してみることにしました。
◆セッティング◆
ダウンロードしたインストーラーを実行すれば、すぐにソフトウェアをインストールすることができます。
ソフトウェアを起動させた後、何となくの感覚で触ってみましたが、よく分からないところもあります。
メニューバーの ? の下に Help メニューがありますが、日本語のヘルプがあるので助かります
メニューバーの File の下に Preferences があり、ここで幾つか設定項目があります。
General タブではコールサインを入力します。
あと、Center freq (light click) はデフォルトで 1300 Hz となっていましたが、
以前 TSS から教えてもらった副搬送波周波数の 980 Hz に変更しました。
厳密には、附属装置の諸元で記載している周波数に合わすべきだと思います。
Computer Speed の選択肢は、時代を物語っていますね。
とりあえず、Pentium 200 or more に設定しました。

PTT タブの設定です。
PTT control は、COM4 までしか選択できません。
必要に応じて、PC 側のポート番号設定を入れ替える必要がありますね。
あと、Sound card は、Receiver / Transeiver とも、自作インターフェースで使用している
USB オーディオコーデックに設定しました。
Tools タブの設定です。
Mixer Program は、Windows 10 の音量ミキサーを設定します。
C:¥Windows¥System32¥SndVol.exe で良いと思います。

このように設定したら、ツールバーの左から二番目 ; Set input volume、三番目 ; Set output volume
のボタンを押すと、音量ミキサーが現れます。
ここで、アプリケーション側の音量を調整することになります。
Special macros などで使用するコマンドの説明は、ヘルプに載っているので参考にします。
(日本語ヘルプ画面より抜粋転載)

◆動かしてみる◆
これぐらい設定すれば、電波を出せる状態にはなると思います。
試験電波的に、430 MHz 帯で CQ を何度か出してみました。
当然ながら、応答はありません。
応答があったら、ビックリしたと思います。
ワッチ局がおられたかどうかも疑問ですが、仮にワッチされていた方がおられても、
怪電波にしか聞こえなかったかもしれませんね。
相手局がいなければ仕方ないので、二台の PC 間で音響信号での模擬通信をしてみました。

右の黒い部分がウォーターフォールですが、赤い線が Center freq を表しており (今回の設定では 980 Hz)、
受信信号の中心が赤い線辺りに来るよう、リグの周波数をチューニングすることになるのだと思います。
今回は、音響信号での模擬通信なので、その操作は必要ありませんでした。
ちゃんと受信して印字されています。
Hellschreiber は ASK (OOK) なので、入力信号の強弱 (振幅の大きさ) で印字の濃さが変わります。
また、外乱のノイズや妨害に大きく影響を受けます。
咳払いのタイミングでゴミのようなデータが印字されていますし、
擬似のビート妨害 (口笛) のタイミングでは、文字が崩れて読めなくなっています。
AGC の機能がありますが、状況に応じて使い分けすることになるようです。
Mode タブの下には、モード選択のメニューがあります。
Feld Hell (Hellschreiber) 以外に、PSK Hell や FM Hell なども設定可能です。

Hellschreiber は、古い技術のようです。
FT8 のように、デコードできるかできないかというデジタル的な通信も良いですが、
信号の強さやノイズの影響などで印字の濃さや鮮明さの様子が変わる、アナログ的な要素が多分に残った通信も、
非常に味があって面白いと思います。
また SSTV もそうですが、徐々にデコードしたデータが現れてくるのを見守りながら受信するのも、
非常にワクワク感があって面白いと思います。
いつか、どなたかと交信できればと思っています。
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