汎用 CMOS ロジック IC を使ったキーヤーの製作
夏休みの工作第三弾です。
今やエレクトロニック・キーヤー (エレキー) はマイコン 1 個で作る時代ですが、
昔ながらの汎用 CMOS ロジックを使ったキーヤーを作ってみました。
回路は、CQ 誌 1981 年 9 月号に掲載された、
「アクセプト区間を工夫した メモリー付きエレキー」(JA4DWQ OM 著)
を 74HC シリーズに焼き直したものです。
このエレキーの特徴は、長短点メモリーの受付動作にあります。
上図はスクイーズ動作をしているイメージです。
短点メモリーは、長点の後半以降しか受け付けません。
例えば、K の符号を打つときにパドルをスクイーズしますが、
短点メモリーの受付期間が長点の全区間の場合、短点パドルを戻す操作が遅れてしまうと、
K のつもりが C になってしまいます (よく私はやってしまいます)。
短点メモリーを受け付ける期間を、長点の後半の半分とすることにより、
少々短点パドルを戻す操作が遅れてしまっても、短点を誤送出するリスクを下げることができます。
特に高速で符号を送出している場合に、有効ではないかと思います。
◆ 回路図 ◆
コネクタ J1 の先には、スピード調整用の 1 MΩ ボリュームが接続されます。
1 MΩ ボリュームと直列に、数十 kΩ の抵抗を入れた方が良いと思います。
(直列に接続する抵抗で、高速側のスピードが決まるはずです)
◆ 基板 ◆
65 mm × 55 mm のサイズで作りました。
プリント基板は JLCPCB に発注しました。
お気づきかも知れませんが、ヘッドホンアンプ、デジタルモードインターフェース Ver.2.5 と
まとめての発注です。送料をケチるためです。
◆ 組み立て ◆
部品数も少ない上、表面実装部品がほとんど無いので、あっという間に組み上がりました。
シルク印刷に対して、IC のマーキングが逆になっているのは、センスが無い印です。
IC は随分前に買い集めた物を、部品箱から引っ張り出してきました。
昔の東芝マークが懐かしいです。このマーク好きです。
1984 年の第 10 週に製造された IC でしょうかね。
◆ 動作確認 ◆
足らない部品があるので、仮組みでの動作確認をしました。
取りあえず、長点、短点、スクイーズ動作とも問題なさそうです。
ケースに収めることと、電池駆動にすることを次に考えたいと思います。
昔発売していた、DAIWA のエレキー DK-200 / DK-210 がこの回路を採用していたと思います。
DK-200 を使っていましたが、非常に使い心地が良かったです。
短点メモリーが工夫されていたので、機敏に反応できない私にちょうど良かったのだと思います。
リグ内蔵のエレキーを使い出してからは、スクイーズ動作時の短点誤送出が増えたのを記憶しております。
このエレキーも、ケースに収めて使えるようになったら、実戦に投入していきたいと思います。
« デジタルモード用インターフェース Ver.2.5 の製作 | トップページ | MSK144 での QSO (2020年 8月12日 ペルセウス座流星群) »
「無線(工作)」カテゴリの記事
- CMOSキーヤー Ver.3 の製作(2025.02.24)
- KiCAD 9.0.0 リリース(2025.02.22)
- DAIWAエレクトロニックキーヤー DK-200/-210の回路を調べてみました(2024.10.21)
- 負電圧出力チャージポンプ IC NJW4191(2024.06.30)
- 出力電圧可変型 三端子レギュレータの電圧設定抵抗値(2024.06.23)
« デジタルモード用インターフェース Ver.2.5 の製作 | トップページ | MSK144 での QSO (2020年 8月12日 ペルセウス座流星群) »
コメント