検討中だったマイクアンプ、何に使うかと言うと、PC への音声の取り込みになりますが、
CTESTwin など CQ マシン機能の音声データ作成
FreeDV 用のマイク
などに活用したいと考えていました。
ようやく、先日の予備実験の結果を基に、トランジスタ 3 石で利得 31 dB の
マイクアンプを作ってみました。
回路は一般的なもので、エミッタ接地の二段増幅に負帰還を掛けています。
マルツの製作記事も参考にさせていただきました。
https://www.marutsu.co.jp/contents/shop/marutsu/mame/187.html
USB の VBUS から電源を取ることも考え、電源電圧は 5 V で設計しました。
今回使用したトランジスタは、2SC3324-BL、2SA1312-BL、2SC2712-Y です。
元々は、2SC2240 と 2SA970 (TO-92 パッケージ) で作ろうとしていましたが、
秋月で BL ランク品が手に入らなかったので、チップ品 (SC59 パッケージ) になりますが、
似たような特性の 2SC3324-BL、2SA1312-BL を使うことにしました。
エミッタフォロワは 2SC1815 でも良かったのですが、他に合わせてチップ品の 2SC2712 としました。
発振が怖いので、hfe の低い Y ランク品を用いました。
接続するマイク ECM-23F5 の推奨負荷インピーダンスは 10 kΩ とされています。
なので、ECM-23F5 から見た負荷インピーダンス R2 // R3 // R4 を約 10 kΩ
となるようにしています (R5 + Q1 の入力インピーダンスは取りあえず無視)。
一方、ECM-23F5 の出力インピーダンスは 150 Ω 程度と低インピーダンスですので、
Q1 から見た入力側のインピーダンスは (150 Ω // R2 // R3 // R4) + R5 となり、
R5 が支配的になります。
ここで、初段に用いた Q1 の 2SC3324 はローノイズ品ですが、その特徴を活かすように
入力インピーダンスやコレクタ電流を決めます。
<2SC3324 のデータシートより抜粋>

このグラフより、コレクタ電流を 200 µA 位にすると、信号源インピーダンスを
1 〜 10 kΩ に設定すれば、NF が良くなりそうです。
なので、R5 を 1 kΩ としました。
10 kΩ ぐらいでも良かったかも知れません。
あとは、目標最大出力振幅 2 Vpp のときに各トランジスタが飽和しないよう、
DC バイアス設定を決めていきます (ボケ防止の、頭の体操にもなります)。
R10 は 1.2 kΩ の方が良かったかも知れません。
負帰還を掛けないときの利得は、手計算で初段が約 22 dB、二段目が約 40 dB の、
トータル 約 62 dB です。
それに対し、負帰還を掛けたときの利得は約 31.7 dB で、30 dB ほどの負帰還が
掛かっていることになります。
今回もプリント基板を作製することにしました。
片面で作ろうと思っていましたが、結局両面基板になってしまいました。

プリント基板は自作です。
チップ部品を実装しますので、半田ブリッジ防止のため、
両面ともソルダーレジストの処理をしました。
自分で言うのも何ですが、まあまあの出来かなと思います。
6.3 Φのフォーンジャックは、基板実装タイプを使っています。
抵抗は、タクマンの REX シリーズを使いました。


USB Audio Interface の基板につないで、動作チェックです。

まず DC 電圧の確認から。
取りあえず、ほぼ設計どおりのバイアス電圧になっています。
次に、マイク ECM-23F5 をつなぎ、
Windows 10 上で USB Audio Codec の入力レベルを 50 に設定して、
「このデバイスを聴く」の機能を使って、自分の声をヘッドホンでモニターしました。
特にノイズや歪みなども感じられず、クリアに集音出来ているようです。
オーディオマニアの方からすれば、全くイマイチの音かも知れませんが、
私にはこれで充分に感じました。
もう少し詳細な特性は、後日測ってみたいと思います。
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