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2020年6月の7件の記事

2020年6月29日 (月)

マイクアンプの予備実験

以前購入したデジットの USB Audio Interface キットですが、
組み立てて動作確認したものの、使い道を活かせずに部品箱の奥深くで眠っておりました。

20200629_0001

元々はデジタルモードのインターフェース用に購入したのですが、
自力で基板を起こしましたので、必要性もなくなって置き去りにされていました。

 


今回、マイクで集音した信号を PC に取り込むためにこの基板を活用することにし、
マイクと基板を接続するためのマイクアンプを検討することにしました。

繋ぐ予定のマイクは、いつも無線で使用しているソニー製の ECM-23F5 です。

20200629_0002

7/1 追記
ソニーの ECM-23F5 は、ファンタム電源からの供給かつ平衡出力が可能です。
しかし、私自身はそこまでの「音マニア」では有りませんので、電池駆動の不平衡出力で充分です。
なので、マイクアンプもシングルエンド入力で考えています。

 


USB Audio Interface キットは、Codec IC に TI 製の PCM2906C を使っています。
ライン入力は、フルレンジで約 2 Vpp です。
(データシートによると、入力レベルは 0.6 VCCCI [Vpp], VCCCI = 3.3 [V], 0.6 × 3.3 ≒ 2 Vpp )
マイクを USB Audio Interface に繋ぐには、出力信号を 2 Vpp 程度まで増幅しないといけません。

ところで、マイクの出力レベルは幾らぐらいでしょうか。
オシロスコープで測ってみても、少し大きめの声で 50 mVpp 程度かなというぐらいしかわからず、
いまいちハッキリしません。
これでは、マイクアンプの利得をいくつにしたら良いかが分かりません。

 


ということで、まずは現物で確認しようということで、お手軽な予備実験用のアンプを作りました。
電源は、USB Audio Interface を経由して、Bus パワーの 5 V で動作させることを考えました。
20200629_0003

マイクアンプに必要な利得さえ分かれば良いので、回路は超テキトーです。
パスコンなども省略ですが、バイアス回路 (R1, R2) のパスコンはさすがに必要でした。
無かったら、盛大にノイズが乗りました。
利得は半固定抵抗で 0 〜 40 dB を可変できます。

利得が高いため、オペアンプは利得帯域幅積 (GBW) がある程度高いものが必要です。
また、5 V で動作させるため、Rail to Rail 入出力タイプのオペアンプが望ましいです。
デジタルモード用インターフェース Ver.1 から外した OPA2350 がこれらの条件を満足しますので、
ちょうど打って付けです。
(上記の回路図では、OPA2340 となっていますが、実際に使用したのは OPA2350 です)

残りの部品も、手持ちの部品箱の中の物で賄えました。

 


ユニバーサル基板やブレッドボードも持っていないし、配線も面倒くさいので、
ちょちょっとプリント基板を作って組み上げました。

20200629_000420200629_0005

組み立ても、本当に雑でテキトーです。

 


作ったアンプ基板を USB Audio Interface に接続し、
Windows 10 上で USB Audio Codec の入力レベルを 50 に設定して、
「このデバイスを聴く」の機能を使ってヘッドホンでモニターしながら、
適切と思われるレベルを半固定抵抗を回しながら探りました。

その結果、半固定抵抗が 26 kΩ程度 (すなわち利得が 27 倍) で良い感じでした。


予備実験の結果から、マイクアンプの利得は 30 〜 40 倍 (30 〜 32 dB) で考えることにします。
このままオペアンプ (OPA2350) を使ってマイクアンプとしても良いのですが、
あまり面白みも無いので、今回はディスクリート回路で組んでみようかと思っています。

大体の回路構成はできており、利得も決まったので、部品が集まり次第作成に取りかかりたいと思います。

2020年6月23日 (火)

WSJT-X 2.2.2 がリリース

WSJT-X 2.2.2 がリリースされています。

WSJT-X のページ
https://physics.princeton.edu/pulsar/K1JT/wsjtx.html

リリースノートはこちら
https://physics.princeton.edu/pulsar/K1JT/Release_Notes.txt

デコードが更に速くなったのでしょうか、気になります。
- FT8 decoder speeded up in Normal and Fast modes. This change gives a speed of decoding closer to that of v2.1.2 without compromising the number of decodes. 

確認するのは週末までお預けです、残念。
どなたかかが詳細なレポートをしてくださることを期待しています。

 

6/27 追記
TS-2000SX と FT-991AM、それぞれと組み合わせて FT8 で使ってみましたが、
特に問題は見受けられませんでした。
デコードの速さも、体感的には WSJT-X 2.2.1 から変わった感じはしませんでした。

2020年6月21日 (日)

デジタルモード信号のリグへの入力レベル (その2)

部品を手に入れたので、デジタルモード用インターフェースの出力ゲインを -0.5 倍に変更しました。
(反転増幅回路なので、ゲインにマイナス "-" を付けています)
回路の定数は、前回の記事どおりです。


早速リグに接続して、レベルの調整をしてみました。

前提条件としては、以下のとおりです
・デジタルモード用インターフェースの出力信号を、TS-590 または TS-2000 の ACC2 端子より入力
・TS-590 または TS-2000 のオーディオ入力レベルは 1 に設定
  TS-590 : Menu 66 (ACC2 端子のオーディオ入力レベル設定) → 1
  TS-2000: Menu 50B (パケット AF 入力レベルの設定) → 1
・Windows 10 のオーディオボリュームは 100 に設定

WSJT-X の pwr スライダーを調整して、ぎりぎりフルパワー出力となるレベルを測定しました。


結果として、概ねのpwr スライダー設定は
 TS-590 : -2.6 dB
 TS-2000 : -12 dB
でフルパワーが得られました。
(〜 50 MHz は 100 W、144 MHz / 430 MHz は 50 W、1200 MHz は未調査)
それ以上 pwr スライダーを上げても、ALC が効いてパワーは変わりません。

ちなみに、WSJT-X の pwr を 0 dB としたとき、デジタルモード用インターフェースの出力信号は約 820 mVpp、
-12 dB のときは約 200 mVppです (いずれも、実測値です)。

ということは、ACC2 端子のオーディオ入力設定を 1 としたときの入力レベルは、
 TS-590 は、約 600 mVpp
 TS-2000 は、約 200 mVpp
が目安になるということになりそうです。

もちろん、ACC2 端子のオーディオ入力設定を 2 以上に設定すれば、
もっと小さい信号振幅でフルパワー出力が得られます。


上記の設定変更をしたので、この週末 7 MHz、50 MHz、430 MHz の FT8 で交信をしてみました。
特段レポートの状況もいつもと変わりなく、交信ができました。

当面は、これでいこうと思います。
ただ、同じ Kenwood のリグ同士なのに、TS-590 と TS-2000 でレベルが異なるので、
リグを変えるたびにレベル調整が必要になるのが若干面倒かなと思います。

2020年6月14日 (日)

デジタルモード信号のリグへの入力レベル

ここのところずっと、データ通信モードでの交信がメインになっています。

FT8 の信号を受信していると、質の良い信号から程度の良くない信号まで、色々聞く (見る) ことができます。
程度の良くないと感じる信号は、ローカル局など信号強度が高いとき特に目立ちます。

二倍、三倍高調波を含んだ信号や、Windows の警告音が混じった信号などは論外ですが、
例えば、
・送信切り替え時に、「ポコ〜ン」と派手にポップ音が出る。
・送信切り替え後、信号送出開始までの一瞬、無変調時に「ゴーーー」と派手にノイズが出る
・送信切り替え後、信号送出開始までの一瞬、発振気味のようなノイズが出る
といったような感じです。
WSJT-X のウォーターフォール上では、なかなか分かりづらいです。

あくまでも推測ですが、リグに入力している信号がオーバーレベルになっているとか、
スピーチプロセッサが ON になっていることなどが、原因の一つになっているのでは
ないかと考えています。

かく言う私も、上記のような程度の悪い信号を出しているようであればお叱りを受けそうですので、
その辺は多少気を遣っているつもりで、リグの送信モニター音をヘッドホンで聴くようにしています。

 


先日、ローカルの JK3DGX 局に FT8 の信号をモニタしてもらう機会があり、信号を聞いてもらったところ、
「無変調でも送信状態になったことが分かりますよ」というレポートをいただきました。
今までリグのモニター音では気付きませんでしたが、無入力時のノイズが重畳されており、
S/N 比がそんなに良くないということに気付かされました。
ちなみに、デジタルモード用インターフェースからの信号は、TS-590 や TS-2000 の ACC2 端子に入力しています。

リグのモニターレベルを最大にして、WSJT-X の TEST CAT で PTT を ON にすると、
確かにウジャウジャとしたノイズが確認できます。
これは、TS-590 も TS-2000 もどちらにも共通しています。

デジタルモード用インターフェースを ACC2 端子に接続せず、全くの無入力状態で
同様の確認を行っても同じ結果が得られるので、インターフェース出力の S/N 比が悪いのでは無く、
ACC2  端子の音声入力端子の S/N が良くないものと思われます。
ACC2 の音声入力調整 (0 〜 9 で調整可) を小さくすると、そのノイズレベルは小さくなっていきます。

できるだけ送信信号の S/N 比を良くしようということで、ACC2 の音声入力調整
 TS-590 : Menu 66 (ACC2 端子のオーディオ入力レベル設定)
 TS-2000: Menu 50B (パケット AF 入力レベルの設定)
は最小値の 1 として、デジタルモード用インターフェースの出力信号レベルを調整するよう、
再考することにしました。

 


対処策として、デジタルモード用インターフェースの出力ゲインを変更することを検討しようと思います。
具体的には、現状出力回路のゲインが -0.2 倍になっているところを -0.5 倍に変えてみることです。
回路変更の箇所は下記のとおりです。

20200614_0001

信号レベルは、Windows のオーディオレベルか WSJT-X の pwr で合わせ込めば良いかと考えています。

 


あと、入出回路のカップリングコンデンサの要否については、以前の確認が間違っていたので、
ついでに修正することにします。
下図は TS-2000 のサービスマニュアルからの抜粋ですが、赤のラインが PC → リグへの入力信号、
青のラインがリグ → PC への出力信号です。

入力信号は点線で囲ったとおり 12 kΩ (R508) でプルダウンされた形になっていますので、
5.6 kΩ (R776) + 3.9 kΩ (R775) とで抵抗分割されますが、インターフェース側は
カップリングコンデンサがあった方が良さそうです。

一方出力信号は、エミッタフォロワの出力がカップリングコンデンサで DC カットされていますので、
インターフェース側のカップリングコンデンサは無い方が良いと思います。

20200614_0002

入力信号側は、ダイオード D713, D712 によるクリッパー回路が入っています。
2 × (2 × Vf) の振幅、周囲温度にも依存しますが、概ね 2.4 Vpp でクリップされます。
それ以上の振幅を加えてしまうと、歪み (主に奇数次?) が増え、送信信号の質を落としてしまいますね。

 


カップリングコンデンサだけは修正しましたが、抵抗が入手できていないので、
入力レベルの変更は少し先になりそうです。

なるべく綺麗な信号を送出できるように工夫していきたいです。

2020年6月 8日 (月)

久しぶりに水星を見ました

またまた、無線とは関係の無い話です。

天文マニアの方々にとっては全く大したことでは無いでしょうが、
久しぶりに水星 (ほうき星ではない) を見ました。

 


昨日6月7日は非常に良い天気で、夕方までずっと快晴でした。
ふと、このような良い天気の日には、水星が見られるのではと思い、
ネットで調べてみると、今がちょうど絶好の見ごろとのこと。
こんなチャンスを逃してはならないと、観察してみました。

 

6月7日 20:00 前の西北西の空です。
かなりブレブレになってしまいましたが、何とか写っています。
雲一つ無い快晴でしたので、肉眼でもハッキリ見えました。

20200608_0001

 

ブレブレ写真が気に入らないので、リベンジで6月8日にも観察してみました。
6月8日 20:00 過ぎの西北西の空です。
今日は残念ながら、薄い雲に覆われてしまいましたが、何とか写真に収めることができました。
ちょっと暗くて解りにくいですね。

20200608_0002

 


水星は太陽の近いところを周回しているため、日没直後または日の出前の
ごく僅かな時間帯しか見ることができません。
また、金星ほど明るくないので、地球から近い割にはなかなか見つけにくい惑星です。
子供の頃から見てみたいと思っていましたが、なかなか条件が揃わなくて願い叶わず、
初めて水星を見たのが、2004年3月28日です。
そのときの写真です。まだ、1エリアに居たときのことです。
大変興奮したことを覚えています。

20200608_0003

 


もう数日間は、夕方西の空に水星が見やすい位置にあるようです。
ただ、天気が悪くなりそうなので、残念ながら観察は難しいでしょうね。

ところで、アマチュア無線で興味ある天体と言えば、太陽、月、流星ぐらいでしょうか。

2020年6月 7日 (日)

WSJT-2.2.1 + FT-991A で動作を確認

先週 WSJT-X 2.2.0 の GA 版が出ましたが、多くのバグがあったようです。
JH4VAJ 局のブログに、バグ情報がまとめられています。
http://www.jh4vaj.com/archives/18141

自分に関係するところでは、FT-991 (A) の制御ができない点です。
確かに、FT-991A で動かそうとしても、WSJT-X を起動させるとエラーが出て、
制御ができません。

 


そのような状況だからでしょうか、バグ改修版の WSJT-2.2.1 が早々にリリースされました。
https://physics.princeton.edu/pulsar/K1JT/wsjtx.html

早速ダウンロードし、FT-991A との接続をチェック。
以前のバージョンと同じように、問題なく動作することを確認しました。
試しに 50 MHz で CQ を出している局をコールしてみましたが、ちゃんと QSO できました。

WSJT-X 2.2.1 でもまだバグがあるようですね。
http://www.jh4vaj.com/archives/18214
ただ、今のところ、私の環境では影響ないかなと思っています。

 


FT-991A を出してきたついでに、ファームウェアのアップデートをしておきました。

2020年6月 3日 (水)

WSJT-X 2.2.0 正式版を英語 UI で起動させる

WSJT-X 2.2.0 の -rc2、-rc3 と立て続けにリリースされていたのは知っていましたが、
早々と正式版がリリースされたことを、本日ネットの情報で知りました。
早速ダウンロードして、インストールしました。

 


大きな変更点は、UI (User Interface) が日本語になっていることです。
リリースノートによりますと、

(引用ここから→)
  Note that UI translation is automatic, based on your system primary language.
(←引用ここまで)

とのことですので、使用している OS が日本語であれば、勝手に User Interface が日本語になってしまうようです。

さらに、
(引用ここから→)
  If you do not want the WSJT-X UI translated to your local language then start WSJT-X
  with the '--language=en' command line option:

(←引用ここまで)

とのことなので、以前のように英語の User Interface でも起動させることができるようです。

 


しかし、いちいちコマンド入力で立ち上げるのは面倒くさいです。
Windows のスタートボタンから立ち上げられないか、少し調べてみました。

まずは、スタートメニューのフォルダにある、WSJT-X のショートカットを見つけます。
そして、WSJT-X のショートカットアイコン上で右クリックし、プロパティを選びます。

20200603_0001

 

次に、リンク先(T): は、C:¥WSJT¥wsjtx¥bin¥wsjtx.exe のようになっていましたので、
ここに --language=en を付け加えて OK ボタンを押します。

20200603_0002

スタートのボタンが消えていましたので、左側のアプリケーション一覧の wsjtx から、
スタートにピン止めをするを選びました。

 

これで、スタートボタンの wsjtx を押せば、英語メニューで立ち上がるようになりました。

20200603_0003 

 


実際に使用するのは、週末になります。

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