「無線局免許手続規則の一部を改正する省令」に肖って変更申請をしてみました
ブログの記事にするつもりは無かったのですが、最近書くネタが乏しいので...
令和2年4月21に告示された、令和2年総務省令第42号「無線局免許手続規則の一部を改正する省令」では
みなさんご承知のとおり、データ通信モードの変更申請 (変更届) の手続きが大幅に簡略化され、
手軽にデータ通信モードを始めるきっかけにもなり得る法改正だと思います。
Web 上でもいろいろと解説されていますが、例えば JARL のホームページでも
引用ここから→
これまでは、アマチュア無線機の外部入力端子にパソコン等を接続したデータ通信を行う場合で、
新たなデータ通信を行う場合には、工事設計書欄に電波型式の追加や送信機系統図の提出、
附属装置(パソコン)の諸元表などの提出が必要でしたが、改正後は指定事項に変更が無いなど
一定の条件のもとで「無線局事項書及び工事設計書」の「15 備考欄」に「デジタルモード運用
のため附属装置(パソコン)を接続」等を記入することにより、これまで必要であった手続きを
省略することができるようになります。
←引用ここまで
ということで、無線局事項書及び工事設計書の備考欄に「附属装置を繋ぎますよ」と書いて
提出しておけば、免許状の記載の指定事項の範囲内 (※) で運用する場合には、
データ通信モードの仕様が変わっても、いちいち変更届を提出しなくてもよいと読み取れます。
※私の理解としては、「指定事項の範囲内」では無く、「無線局事項書及び工事設計書に記載の範囲内」ですが...
ということで、無線局事項書及び工事設計書の15 備考欄に「デジタルモード運用のため、
附属装置 (パソコン) を接続」の文言を入れるべく、連休前の4月23日に変更申請を提出しました。
変更届ではなく変更申請としたのは、1.9 MHz 帯にも J2E や J7W などのデジタル音声通信をはじめ、
その他データ通信モードについて「Jxx」などの電波の型式を追加したからです。
今回の変更申請については、電波の型式の指定に変更があり、免許状の記載事項が変わりますので、
今までどおり無線局事項書及び工事設計書は全て記載しましたし、附属装置の諸元も添付しました。
5/7 には審査終了、5/15 に新しい免許状が届きました。
これで次回以降は、新しいデータ通信モードが出てきても、手続き省略で対応できるはずです。
変更申請のきっかけは、FreeDV 2020 の追加を検討していたことです。
Free DV を含むデジタル音声通信は、3K00 J2E、3K00 J7W で免許を受けております。
ただし、附属装置の諸元に FreeDV 2020 は記載していませんでしたので、
これを追加する変更届を検討していました。
FreeDV 2020 については、ある程度の情報はインターネット上で収集できたのですが、
副搬送波の周波数範囲など、もう少し詳細な仕様が必要で、それがどうしても分かりませんでした。
実測で確かめようともしましたが、それも不正確で、しばらく検討が滞っていました。
そこに今回の 4/21 の告示があり、「デジタルモード運用のため、附属装置 (パソコン) を接続」の
文言を追加することにより、改めて附属装置の諸元に追加しなくても問題ないと理解しましたので、
早速変更申請を行うことにしたのです。
上記のとおり、デジタル音声通信は 3K00 J2E や 3K00 J7W と、占有周波数帯幅を SSB 送信機の
帯域幅いっぱいの 3 kHz で指定を受けていますので、FreeDV 2020 をはじめ、SSB モードで送信する
デジタル音声通信にはほぼ全て対応できるのではないかと考えています。
ただ、「デジタルモード運用のため、附属装置 (パソコン) を接続」の文言を追加すれば、
何でもありというのは、ちょっと注意が必要かと思っています。
無線設備規則別表第二号第54の規定に基づくアマチュア局の無線設備の占有周波数帯幅の許容値 の1
に占有周波数帯幅の許容値が定められています。
例えば、F1B や F1D の占有周波数帯幅の許容値は 2 kHz です。
大概は大丈夫だと思いますが、新たな仕様のモードが出てきたとき、占有周波数帯幅の許容値に
合致しているかを確認する必要があります。
ところで、今回は 1.9 MHz 帯に J3E や A3E を追加する変更はしませんでした。
夏頃に告示されるであろう 3MA にこれらが含まれることを見越して、敢えてそのようにしました。
J3E や A3E の追加に当たっては、変更に係る検査 (保証認定も含む) が必要かどうか
という議論もあるようですが、動向を見ながら検討しようと思っています。
その際には、現状の免許状から指定事項の変更が無いはずなので、
手続きが楽になってくれるのではないかと、淡い期待をしています。
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