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2019年11月15日 (金)

バッファゲートに正帰還を掛けたヒステリシスコンパレータについて (備忘録)

先週作製した周波数カウンタの入力回路 (波形整形回路) に、
74VHCU04 で構成したヒステリシスコンパレータを用いました。

そのヒステリシス電圧 (幅) の概算値見積もりについて、備忘録として残しておきたいと思います。

20191115_0001

バッファゲート (インバータ 2 段) の閾値を $V_{ TH } $、ヒステリシスコンパレータの入力立ち上がり時の閾値を $V_{ IH } $、
入力立ち下がり時の閾値を $V_{ IL } $、出力の 'H' 電圧を $V_{ OH } $、出力の 'L' 電圧を $V_{ OL } $ とすると、
入力信号の周期が、バッファゲート (インバータ 2 段) の伝搬遅延時間に対して充分長いときに、

①入力が 'L' のとき
$$V_{IL}+(V_{OH}-V_{IL})\times\frac{R_{i}}{R_{f}+R_{i}}=V_{IL}\times\frac{R_{f}}{R_{f}+R_{i}}+V_{OH}\times\frac{R_{i}}{R_{f}+R_{i}}=V_{TH}$$

②入力が 'H' のとき
$$V_{OL}+(V_{IH}-V_{OL})\times\frac{R_{f}}{R_{f}+R_{i}}=V_{OL}\times\frac{R_{i}}{R_{f}+R_{i}}+V_{IH}\times\frac{R_{f}}{R_{f}+R_{i}}=V_{TH}$$

$$\therefore V_{IL}\times\frac{R_{f}}{R_{f}+R_{i}}+V_{OH}\times\frac{R_{i}}{R_{f}+R_{i}}=V_{OL}\times\frac{R_{i}}{R_{f}+R_{i}}+V_{IH}\times\frac{R_{f}}{R_{f}+R_{i}}$$

$$V_{IL}\times{R_{f}}+V_{OH}\times{R_{i}}=V_{OL}\times{R_{i}}+V_{IH}\times{R_{f}}$$

$$(V_{IH}-V_{IL})\times{R_{f}}=(V_{OH}-V_{OL})\times{R_{i}}$$

よってヒステリシス電圧は、
$$V_{IH}-V_{IL}=\frac{R_{i}}{R_{f}}\times(V_{OH}-V_{OL})$$

ここで、$V_{OH}=V_{DD}$、$V_{OL}=0$ と考えても良いので、

$$V_{IH}-V_{IL}=\frac{R_{i}}{R_{f}}\times{V_{DD}}$$

すなわちヒステリシス電圧 (概算値) は、バッファゲート (インバータ 2 段) の $V_{ TH } $ に依存せず、
電源電圧 $V_{DD}$ と抵抗比 $R_{i}/R_{f}$ だけで決まるということになります。

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