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2019年11月 6日 (水)

副搬送波を用いた変調方式の電波型式の表記について

一連の電波型式の表記に関する議論については、その後も JL3MCM 局と何度かやり取りさせていただき、
ようやく自分なりに理解ができたつもりになりました。

またかと思われるかもしれませんが、自分のために過去の記事の整理として残しておきたいと思います。
あくまでも、現時点で私自身が認識している内容です。
間違いや追加事項などがあれば、随時修正していきます。

 


◆◆ 電波型式の基本的な表記ルール ◆◆

電波型式の表記に関するルールは、再三述べているとおり電波法施行規則 第四条の二に記載があります。

第一文字:主搬送波の変調の型式(アマチュア局に馴染みのある主なものを抜粋)
 N:無変調
 A:振幅変調の両側波帯
 H:振幅変調の全搬送波による単側波帯
 R:振幅変調の低減搬送波による単側波帯
 J:振幅変調の抑圧搬送波による単側波帯
 F:角度変調の周波数変調
 G:角度変調の位相変調
 D:同時に、又は一定の順序で振幅変調及び角度変調を行うもの
 X:その他のもの

第二文字:主搬送波を変調する信号の性質
 0:変調信号のないもの
 1:デイジタル信号である単一チヤネルのもので変調のための副搬送波を使用しないもの
 2:デイジタル信号である単一チヤネルのもので変調のための副搬送波を使用するもの
 3:アナログ信号である単一チヤネルのもの
 7:デイジタル信号である二以上のチヤネルのもの
 8:アナログ信号である二以上のチヤネルのもの
 9:デイジタル信号の一又は二以上のチヤネルとアナログ信号の一又は二以上のチヤネルを複合したもの
 X:その他のもの

第三文字:伝送情報の型式
 N:無情報
 A:電信の聴覚受信を目的とするもの
 B:電信の自動受信を目的とするもの
 C:フアクシミリ
 D:データ伝送、遠隔測定又は遠隔指令
 E:電話 (音響の放送を含む。)
 F:テレビジヨン (映像に限る。)
 W:AからFまでの型式の組合せのもの
 X:その他のもの

第一文字の「主搬送波の変調の型式」については、アマチュア局の場合、
無線機の送信モード(SSB、AM、FM など)と理解すればよいと思います。
上記のように定義されていますので、それに当てはめてそれぞれの電波型式の表記を考えればよいだけのはずです。

しかし、日本のアマチュア局の電波型式については「等価表記」なるものが存在し、
現状ではこの「等価表記」を使用することが前提となっているようです。
この「等価表記」の存在が、昨今急速に普及してきたデータ通信モードにおける電波型式の表記で
混乱や誤解を招いているものと思われます。
「等価表記」については後述します。

 


◆◆ 等価表記を考慮しない本来の電波型式の表記 ◆◆

まず、等価表記を考慮しない場合について考えます。
前述のとおり、電波法施行規則に当てはめればよいだけなので、考え方はシンプルになります。
一般的な電話 (J3E, F3E など) や電信 (A1A) などは、既に広く理解されている型式です。

誤解が多いのではないかと思われるのは、最近流行りのデータ通信モードや AFSK 方式の RTTY、SSTV など、
データで変調された副搬送波を主搬送波に乗せて送信する場合です。
これらの信号は、副搬送波を用いますので、表記の第二文字は0や1にはなり得ません。
単一チャネルの場合は2か3、複数チャネルの場合は7、8、9になります。

例えば、JT65 や FT8 のように、単一チャネルのデジタルデータ信号で周波数変調された副搬送波を
AM モード (振幅変調の両側波帯) で送信する場合は A2D、FM モード (角度変調の周波数変調) で
送信する場合は F2D になります。
最も一般的な SSB モード (振幅変調の抑圧搬送波による単側波帯) で送信するときはどうなるかというと、
それは J2D と表記されることになります。→[余談1]

また、先日の記事で議論になった FT8 の Fox 信号ですが、複数の副搬送波を用いた複数チャネルのデジタル
データ信号と考えられますので、上記の規則に当てはめると、副搬送波を AM モードで送信する場合は A7D、
FM モードで送信する場合は F7D、SSB モードで送信するときは J7D となります。→[余談2]

同様に考えて、変調された副搬送波を用いる AFSK 方式の RTTY、SSTV、ファクシミリなどは、
AM モード / FM モード / SSB モードで送信するとそれぞれ、
 A2B / F2B / J2B、A3F / F3F / J3F、A3C / F3C /J3C
となることは明らかです。

後述の「等価表記」の存在と直感的なイメージから、特に J2B, J2D, J3C などの表記に対して
非常に違和感を覚える方が大半だと思いますが、表記の規則からするとそのようになります。
くどいですが、あくまでも主搬送波は「振幅変調の抑圧搬送波による単側波帯」で
それを変調しているものが副搬送波だからです。

以上のように、「等価表記」を考慮しない場合は、これまでの常識から考えるとかなり違和感がありますが、
非常にシンプルに表記を考えることができます。

私はその考えに則り、総通のご担当者より「等価表記で」とご指導を受けていたところを、
敢えて J2A、J2B、J2C、J2D、J2E、J3C で指定を受けました。

ただし、現状のバンドプランが「等価表記」を前提に策定されているため、
例えば J2B や J2D で指定を受けたとしても、運用できる周波数範囲が「全ての電波の型式」に限られるので、
JT65 や FT8 で通常使用されている周波数で電波を発射できないという、思わぬ落とし穴があるので注意が必要です。
現状では、「等価表記」が可能であれば、そちらを優先させる方が得策かと思います。

 


◆◆ アマチュア局では一般的となっている等価表記 ◆◆

次に「等価表記」についてです。
「等価表記」については慣例的なものと思っていましたが、きちんと審査基準に記載があることを教えていただき、
その内容を初めて知りました。

リンク先に情報が纏まって掲載されており、その電波法関係審査基準の中で、
 [別表1]の[2]の項の[別表] 地域周波数利用計画策定一覧表 第15号 アマチュア局
の備考1に明記されています。文面は以下のとおりです。

主搬送波を周波数変調又は位相変調した単一の副搬送波で振幅変調(抑圧搬送波単測波帯の場合に限る。)
することにより等価的に周波数変調波又は位相変調波を得る場合は、
主搬送波の変調の型式を周波数変調又は位相変調とする。

この審査基準の記載に従えば、以下のように「等価表記」されることになり、
一般的に認識されている電波型式になります。

 J2B → F1B, G1B
 J2D → F1D, G1D
 J3F → F3F
 J3C → F3C

SSB モードで送信した場合、副搬送波の信号がそのまま送信周波数帯に周波数変換され、
主搬送波を周波数変調や位相変調した信号とほぼ同じになるので、
例えば J2D と F1D が等価であるという「等価表記」についても理解はできます。→[余談7]

しかし、この審査基準は上記のとおり「単一の副搬送波」が前提なので、
例えば FT8 Fox 信号のような複数の副搬送波を用いる FDM の場合には「等価表記」の定義には当てはまらず、
前述の「等価表記」を用いない J7D と表記するのが妥当と考えます。

同様に、デジタル SSTV の Easy Pal やデジタル音声の FreeDV なども、
複数の変調された副搬送波を用いる FDM なので、SSB モードで送信した場合でも
「等価表記」には当てはまりません。
SSB で送信する場合の FreeDV は一般的には G1E や G7W とされているようで、
総通でもそのように認識し判断されているように見受けられますが、
実はそうでは無く「等価表記」を用いない J2E や J7W とすべきです。
また、Easy Pal も一般的には F1D とされているようですが、これも J2D になります。→[余談3]
既に G1E や G7W、F1D として広まってしまっているので、今さら何を言うんだと
あちこちから猛反発やお叱りを受けそうですが...

このように「等価表記」があるがために、副搬送波が単一か複数かで、例えば F1D か J7D のように
第一文字が変わってしまうケースがあり、混乱や誤解を与える原因になっているように思われます。
「等価表記」をしなければ、J2D か J7D の第二文字のみの違いとなるので、大変分かりやすいと思います。

また、上記の審査基準が広く知られている訳では無さそうなので、余計に独自の解釈も相まって、
色々な情報が錯そうしている状態になっているのではないかと推測します。

ベースバンドの信号で直接的に振幅変調や周波数変調を行う場合は、
何も悩まずに A1A (CW)、F1B (RTTY)、F1D (パケット通信など) と表記することができます。

 

なお、(あまり流行らなかった) 静止画テレビ電話の信号 (旧表記 A5J、振幅位相変調された副搬送波を使用)
については、D3F ではなく J3F になるとされています。
上記の審査基準により「等価表記」が当てはまらないことが判り、長年の疑問が解けました。
「等価表記」の前提が周波数変調又は位相変調であり、振幅変調や振幅位相変調は対象でないからです。
→[余談4]

Hellschreiber も振幅変調された副搬送波を用いるので、上記の審査基準には当てはまりません。
500H A1B で指定を受けられている方もおられるとは思いますが、これは 500H J2B となるべきです。

 


◆◆ 占有周波数帯幅 ◆◆

最後に、占有周波数帯幅についてです。発射する電波の占有周波数帯幅が、周波数帯や電波型式で定められている条件に適合するかどうか、
信号の仕様から見積もる必要があります。
また、個別に指定を受ける電波型式には、占有周波数帯幅を付することが必要な場合もあります。

占有周波数帯幅の計算式は、
 無線設備規則別表第二号(第6条関係)
 ITU-R SM.328, Annex 3 の (11) や Annex 4 など
で規定されています。

また、FSK については、以前私自身も調べて記事を書きました。
変調された副搬送波の占有周波数帯幅も、これらの計算式によって求めることになります。

ここで、変調された副搬送波を SSB モードで送信する場合は、
その副搬送波がそのまま送信周波数に周波数変換される形になりますので、
(電波の占有周波数帯幅) ≒ (副搬送波の占有周波数帯幅) と考えてよいものと思います。
ですので、例えば FT8 の信号 (占有周波数帯幅が 50 Hz) を SSB モードで送信した場合は、
電波の占有周波数帯幅も 50 Hz として良いはずです。→[余談5]
もちろん過大入力などによる歪みなど、信号品質の劣化が無いことが前提です。

誤解が多いと思われるのは、AM モードや FM モードで送信する場合です。
AM モードの場合、(電波の占有周波数帯幅) = 2 × (副搬送波の占有周波数帯幅) ではありません。
FM モードの場合も、電波の占有周波数帯幅を副搬送波の占有周波数帯幅だけで見積もることはできません。
これらの場合は、副搬送波の最高周波数を基に占有周波数帯幅を見積もるべきと考えます。
無線設備規則に記載の占有周波数帯幅の計算式でも、最高周波数で求めることになっています。

FT8 の信号を例に取って考えますと (FT8 の信号を AM モードや FM モードで送信することはまず無いでしょうが)、
AM モードで送信する場合、電波の占有周波数帯幅は 2 × 50 Hz = 100 Hz とはなりません。

WSJT-X などのソフトでは、副搬送波の周波数を変えることができます。
附属装置の諸元にも、副搬送波の周波数範囲は可変しており、そのような諸元の記載で書かれている方が
多いのではないかと思います。
例えば副搬送波の範囲を 
300 ~ 2800 Hz としているとすると、
副搬送波の最高周波数は、周波数偏移および変調による帯域の広がりを考慮して、
2800 Hz + 50 Hz = 2850 Hz になります。
したがって、FT8 を AM モードで送信する A2D の占有周波数帯幅は、
2 × 2850 = 5700 Hz (5K70) にすべきです (下図のとおり)。

20191106_0001a

また、FT8 を FM モードで送信する F2D の占有周波数帯幅は、
周波数偏移が 
5 kHz のノーマルモードだと、カーソン則に当てはめ
2 × 2850 Hz + 2 × 5 kHz = 15.7 kHz (15K7) になるでしょう。

実際には、無線設備規則 別表第二号(第6条関係) 表1に、
特にアマチュア局に関しては、平成21年03月17日 総務省告示第125号の
無線設備規則別表第二号第54の規定に基づくアマチュア局の無線設備の占有周波数帯幅の許容値
の1に
占有周波数帯幅の許容値が定められていますので、注意が必要です。
アマチュア局の A2D は占有周波数帯幅の許容値が 2.5 kHz ですので、
24 MHz 帯以下の5K70 A2D は NG です。 

 


長くなりましたが、以上が色々と失敗を重ね、各 OM からアドバイスをいただいた結果、
自分なりに整理ができたと考えている内容です。

またコメントいただいていましたが、「等価表記」をやめて、
かつ J2B、J2D など第一文字が J の主要な表記を一括表記に含めるよう、
法令・規則・バンドプランを改定されるのが望ましいと考えます。
が、「等価表記」が前提の表記法が広く深く浸透してしまっている以上、
一筋縄では行かないとは予想されます。

受信端では「J2B と F1B」や「J2D と F1D」などは区別が付かないですし、
別にどちらであっても問題ないことだと思います。
ただ、送信する側としては、自局の無線局の工事設計書を
「SSB送信機に、附属装置から副搬送波を入力して送信する」
としている以上、自局の無線局免許に指定される電波の型式は J2B や J2D などに
すべきではないかと私は考えます。
「等価表記」だと、工事設計書の内容に矛盾が生じると感じます。

最後に、色々とコメントやアドバイスをいただいた JL3MCM 局にお礼申し上げたいと思います。

 


◆◆ 余談  ◆◆

[余談1]
SSTV (副搬送波 FM 方式) の信号を AM モードで送信する場合、最終的な信号の振幅にデータの情報が無いから
A3F ではなく F3F という議論が以前よりあったようですが (過去の記事でも書きましたが)、
上記より A3F であることは明らかだと考えます。
また、周波数スペクトルで考えても、周波数変調信号ではないことが分かると思います。

[余談2]
SSB モードで送信した Fox 信号は F7D という意見があり、私も当初はそのように考えていましたが、
仮に「等価表記」が適用できるとしても、現在ではそれは間違いと考えています。

20191106_0002a
ただし、FM モードで送信した Fox 信号は、F7D です。

[余談3]
データ多重信号でも、単一キャリアの TDM 方式であれば等価表記の対象に該当し、
SSB モードで送信すると F7D になるのかなと考えます。

[余談4]
以前、副搬送波を用いて、等価的に全搬送波による単側波帯や低減搬送波による単側波帯などの電波を得ることで、
例えば H2B や R2B などの型式の指定を受けておりましたが、
上記の審査基準からすると誤りであることが分かりました。
先日の変更申請で既に削除済みです。

[余談5]
何回か記事で書いていますが、FSK の周波数偏移 (幅) と占有周波数帯幅を混同しているケースが、
まだ時々見受けられるように思います。

[余談6]
JT65 や FT8 などのデータ通信信号を、LSB モードで送信した場合、
秘匿性に引っかかるかどうかを総通のご担当者に尋ねたことがあります。
LSB モードで送信すると、周波数や位相が反転した信号の電波になり、
通常 USB モードで運用している局はデコードできないはずです。
例えばグループ内で示し合わせて LSB モードで交信するようなことをすれば、
秘匿性に抵触する可能性はあるとのことです。
ただ、そのようなモードが例えば FT8 reverse とかいう名前などで一般的になってくれば、
当然ですが問題ないようです。

[余談7]
J2D と F1D は厳密には異なり、例えばキャリアポイントの位置が異なると思います。
 J2D のキャリアポイントは、抑圧搬送波の周波数
 F1D のキャリアポイントは、無変調時の送信周波数

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無線(免許)」カテゴリの記事

コメント

これからWSJT系の申請をしようとして検索して,貴局のページに出会いました.
大変参考になる詳細な情報ありがとうございました.
特に,複数の電波型式として登録できるような場合に,どの電波型式とみなすかでバンドプラン上,送信できる周波数が異なるというのは,(バンドプラン以前の旧世代の出戻りハムなので特に)目からうろこでした.

差し出がましいですが,一応通信の学術分野で仕事をしておりますので,その観点からの私見をお伝えします.何らかのご参考になれば幸いです(お礼のつもりです).

omが「等価表記を考慮しない本来の電波型式の表記」とされているものは,正確には「電波の発生方法に基づく表記」とでも呼ぶべきものかと存じます.アナログ回路しかなかった時代と異なり,任意波形をディジタル回路で生成しADCで電波として送出できる時代になっていますので,信号生成の方法ではなく,実際にアンテナから発生する信号の電波の形式で整理する(「等価表記」)方が合理的だと考えます.例えばオーディオ信号をON-OFFしたものを周波数変換して生成しようが,中間周波数をON-OFFしたものを周波数変換しようが,目的周波数正弦波をON-OFFしようが,全部A1Aだという考え方です.(学術的には Amplitude Shift Keying/ASK の特殊例の On-Off Keying/OOK)となります.

そもそも,電波型式は,送信機(付加装置を含めて)の内部構造は(終段管関連を含め)とは関わりなく,出力の電波の性質(と入力情報の種類)だけで定まるべきで,同じ信号について(生成方法によって)複数の解釈が存在するのは,電波形式の分類上の問題だと思います.現在のような生成に基づく分類や,A1A, A1Bのように受信側次第で電波形式がかわるような規定は,真空管時代の名残ではないかとおもっています.実験のために特殊な変調の信号(電波領域信号を直接発生するの任意波形発生器をつかって生成するので生成のやり方にもとづく電波形式にはそぐわない)を使う実験局免許をとろうとする度にいつも苦労している点です.

とはいえ,法制度に直接介入できない立場のハムとしては,現在の法制度の解釈をまとめてくださっている記事は大変参考になりました.
重ねてお礼申し上げます.

こんにちは、コメントいただきましてありがとうございます。
通信のプロの方の貴重なご意見、大変参考になります。
任意信号発生器を使った複雑な変調波で実験されておられるようで、実験局免許の取得にご苦労されていることお察しいたします。

特殊な実験変調波の詳細はよく分かりませんが、電波型式表記の大きなポイントは、主搬送波を
 直接ベースバンド信号で変調しているか
 (ベースバンド信号で変調された) 副搬送波で変調しているか
ではないかと思っています。
これは、「電波の発生方法に基づく表記」であろうが、「生成された電波の性質に基づく表記」であろうが、どちらも同じではないかと思います。

ややこしいのは、主搬送波が抑圧搬送波の単側波帯のときですね。
抑圧搬送波単側波帯の変調を「変調」として見るか、単なる「周波数変換」として見るかで、仰るような「電波の発生方法に基づく表記」か「等価表記」かの議論になります。
仰るとおり、最終的な電波としてみた場合、「等価表記」とした方が良いというのも、ある程度理解します。
単純な単一副搬送波の FSK、PSK、ASK/OOK であれば、そうだと思います。
しかし、最近の複雑なマルチサブキャリア FDM の FSK や PSK など、等価表記し難い通信モードも扱われるようになってきています。
であれば、無理矢理「等価表記」するのではなく、「電波の発生方法に基づく表記」とした方が、電波法どおりの表記ルールであり、かえって誤解もなくなるのではないかというのが私の意見です。

とてもわかりやすく、有用な情報を共有いただきありがとうございます。
アマチュア局免許情報を検索していて、HF帯でF7Dの指定を受けている局がありましたが、これは、このページの解説に出てくるFT8のFOXとなるために申請したもと想像しておりますが、これい以外の運用ではどの様なものが想定されますでしょうか。

JF1VRU さん、こんばんは。
ご覧くださいまして、ありがとうございます。

さて F7D ですが、「デイジタル信号である二以上のチヤネル」の「データ伝送、遠隔測定又は遠隔指令」なので、データ多重信号を用いた通信が想定されますね。
文字データ信号の多重、文字データ信号と映像データ信号のなど、幾つか組合せは考えられると思いますが、ただし HF 帯の F7D は占有周波数帯幅が 3 kHz 以下に制約されていますので、実用的なものは少ないように思います。

例えば、FT8 の 1 シーケンス (15 秒) の途中でデータを切り替えて二つのデータを送ることは、記事の「余談3」の単一副搬送波の時分割多重に当たるので、「等価表記」を適用すれば F7D での通信になると思います。
また、FT8 は 8 トーンの副搬送波ですが、トーン数を増やして(例えば 64 トーンなど)多重したデータを載せれば、これも「等価表記」の審査基準に準拠できると思いますので、F7D での通信になると思われます。ただし、新しい通信方式は「秘匿性」の無いことが明白で無いと許可されないと思いますので、今のところそのような通信は行われていないのではないでしょうか。

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