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2019年9月 4日 (水)

主搬送波 SSB、副搬送波変調方式の電波型式を Jxx に修正 の続き

考えが浅はかでした。典型的な頭が悪い人のパターンです。

せっかく OM からコメントで、
「・・・バンドプラン告示が既に「等価」を前提とした表記になってしまっているので・・・」
とアドバイスをいただいていたのに、ただただ型式を Jxx へ変更することに
しか気がいっておらず、
重要なことを見落としていました。

 


告示
無線局運用規則第二百五十八条の二の規定に基づくアマチュア業務に使用する電波の型式及び周波数の使用区別
によりアマチュア無線のバンドプランが決められており、
135 kHz, 475 kHz, 1.9 MHz 帯, 10 MHz 帯は、A1A F1B F1D G1B G1D」
の五つの電波型式しか許可されないのは前述のとおりです。

ただ、この告示をよく見ていくと、
   3,520 kHz から   3,535 kHz まで
   7,030 kHz から   7,045 kHz まで
 14,070 kHz から 14,100 kHz まで
 18,100 kHz から 18,110 kHz まで
 21,070 kHz から 21,125 kHz まで
 24,910 kHz から 24,930 kHz まで

についても、電波の型式がA1A F1B F1D G1B G1D」しか割り当てられていません。
28.07 MHz から 28.15 MHz までは、A1A, A2A, A2B, A2D, F1B, F1D, G1B, G1D の 8 型式のみです


これらは、まさに JT65 や FT8 などで使われている周波数です。
今回 J2B や J2D に変更してしまった以上、これらの周波数範囲では電波を発射することができず、
実質 HF 帯では JT65 や FT8 などでの交信できないことになってしまいます。
今朝気付きました。

50 MHz 帯以上の周波数では、問題無さそうです。


そこで、急遽近畿総合通信局まで免許状を受け取りに行くことにし、
そのついでに
変更申請のご担当者に相談させていただきました。

結論としては、1.9 MHz 帯と 10 MHz 帯 において F1B, F1D, G1B, G1D と読み替えているのを、
全ての周波数帯において読み替えることができるという諸元の変更で、対応 OK ということになりました。
F1B, F1D は残っているので、G1B, G1D を復活させます。
ただし、J2B や J2D などの指定はそのまま残すということにさせていただきました。
次の修正が終わるまで、データ通信モードは 50 MHz 帯以上の V/UHF のみで運用可能となります。

結局、F1B → J2B や F1D → J2D と変更したことは、実質全く意味のないものになってしまいました。
他の方にとってはどーでもよいことで、独り相撲を取ってしまった形です。
これでは、知ったかぶりの笑い者です。

 


上記のことからすると、Fox 信号は F7D であれ J7D であれ、HF 帯の国内 QSO には使えないと
いうことになってしまいます。(Fox 信号を F1D で通しておられる方は、・・・? ですが)
(言い過ぎました) 上記の周波数範囲では電波を出すことができないということです。
バンドプランで、「全ての電波の型式」とされている周波数範囲では発射可能かと思いますが、
通常 FT8 で交信されている周波数とは異なり、実験目的以外に交信相手がいないと考えられるので、
HF 帯では実質使い道が無いのではないかと思われます。
(3,570 kHz, 7,076 kHz など、海外局との交信専用の周波数は例外かと思います)

 


本日、近畿総通のご担当の方には少し時間を取っていただき、色々と教えていただきました。
附属装置や外部装置を用いたデータ通信モードの急速な発展や普及に、法整備が追いついていないため、
今回のようなモヤモヤっとしたグレーな部分が散見されることは、ご担当者も認識されているとのことです。

附属装置などの諸元については、「FT8」といった個々のモードについては、総通では詳細内容まで
把握している訳ではなく、主に指定可能な電波型式かと秘匿性がないかどうかのチェックになっているようです。

諸元の内容は申請者 (諸元の作成者) の力量に依るところが大きく、少々モードの仕様が間違っていたりしても、
電波型式の指定が可能で秘匿性が無いことが確認できれば、総通では許可されてしまうのが実態のようです。
であれば、ある程度申請者の自己責任も求められるものと思われますので、
諸元の内容は充分に吟味して作成するべきだと思います。

 


9/5 追記

G1B, G1D の復活と、諸元の修正 (全周波数帯において「等価表記」への読み替え可とする注釈追記) の
変更申請を提出しました。
免許状の記載事項に変更が無いので、審査終了の時点で運用可能になります。

繰り返しになりますが、現状の法令下では「F1B, F1D, G1B, G1D」 に関しては、
これらが「等価表記」であることを認識しつつ、これらの表記で申請するのが
賢明であるということがわかりました。

 


9/10 追記

ようやく、無線局免許状等情報 に今回の変更内容が反映されました。
だいぶ行数が減りました。

 


9/17 追記

やっと、追加の変更申請が審査終了しました。
これで、また HF 帯でも FT8 などの電波が出せるようになりました。
あらかじめ、総通の変更申請ご担当者と相談しておいたので、審査は早く処理していただけたものと思います。
これにて、今回の変更申請については完結です。

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無線(免許)」カテゴリの記事

コメント

デジタル系にかじりついてから リグも周辺機器も新旧を組み合わせて使う為に困ることが多くて 皆さんのブログを参考に知恵を頂いていますが いずれも大変参考になります。ありがとうございます。

達五郎さん、はじめまして。
デジタル系、なかなか難しいですよね。
他の皆さんのような、有益な情報は発信できていません。
マニアックでうんちくに近い内容ばかりですが、ちょっとでも興味を持っていただけると嬉しいです。

Ji3CSHさん、

CWと狭帯域データの専用バンドでは、「A1A F1B F1D G1B G1D」
の五つの電波型式(具体的にはCSHさんが考えているJと7が入っていない)で十分であると電波法(=総務省)は考えているのはなぜなのだろうと考えて見るのも良いかもしれせんね。

JA5AEA さん、こんにちは。コメントありがとうございます。

免許状受け取りの際、本件に関しても近畿総通の方に話をお伺いしたのですが、
記事でも書いたとおり近年急速に普及した JT65 や FT8 などの附属装置を用いたデータ通信モードに対して、
法整備が追いついていないのは認識されているようです。
現状も、機械式の RTTY 装置などを用いたデータ通信などの時代に想定された電波型式のままのようです。
JARL を通じて改善要望をすればという話もしましたが、東京オリンピックも控えており、
総務省がアマチュア無線に構っている余裕は無いようなので、長い目で考えてみてはとのことでした。
改善要望は出さないと、始まらないですね。

ji3cshさん、

いやいや、DXペディションモードと類似の方式は1980年代の1G(アナログ自動車電話)とそれ以前の古い古い自動車電話方式ですでに使われておりましたよ。言い方を変えれば当時はこのやり方以外の多チャンネル化は技術的に困難だったからです。相談に行かれた時に対応された方は若いので知らなかったのでしょう。(実際DXペディションモードを例えば時分割のようにもっと特性のよい現代的な方法でやらなかったのかと開発人物に聞いたら「時間がなかったから」が答えでした。その時のやり取りは小生のブログにあるはずです。)

もちろんこんな古い方式でも国内で運用できるように付属装置諸元は作成できます。もしそれをコピペするのがいやなら、相談のやり方を変えてDXペディションモードの付属装置諸元の書き方を教えてくださいと総通にお願いするのはどうでしょうか?


JA5AEA さん、ご意見ありがとうございます。
総通の方からコメントをいただいたのは、PC などの附属装置を用いたデータ通信モードでの「等価表記」のあり方
についてであって、DX ペディションモードの諸元や電波型式という観点ではお話を伺っていません。
私自身、DX ペディションモードの Fox 信号を発射して、バリバリ QSO を稼ぎたいという願望は無く、
「全ての電波の型式」とされている周波数範囲で送信 (実験的な交信など) ができればそれで良いと考えています。
少し方向性が異なっており、正論で考えれば (私の考えが正しいかどうかは分かりませんが) どうなるかの方に
興味があっただけです。
今回の変更申請で J7D が許可されましたので、自局の FSK の多重通信に関しては、今のところこれで良いと考えています。
J2B, J2D は失敗しましたが...
どうしても FT8 で使用される周波数で Fox 信号を送信して QSO したい方がおられるのであれば、
JA5AEA さんの諸元を参考にされるとか、総通のご担当者に確認するとされたら良いのではと思います。

JI3CSHさん、

長くJI3CSHさんのブログを読ませていただいておりますので、ご興味は

1.F7D vs. F1D (多チャネル)

から

2.F7D vs. J7D (等価表記)

-----------------------------
主搬送波が SSB のものに関して、
  F1B, G1B → J2B
  F1D, G1D → J2D
  F1C → J2C
  F3C → J3C
  F7D → J7D
  F7W → J7W など
-----------------------------

に移っているのは認識しています。

2.のことに関してアマチュア無線のデータ用の付属装置諸元の書き方は伝統的に以下のような書き方で整理されています。例えば http://msy.or.tv/ham/shogenn.pdf

F1DをSSBモードで利用する場合

SSB/F1D

F1DをFMモード利用する場合

FM/F1D


即ちSSBモードであろうとFMモードであろうと電波型式はF1Dに統一することになっています。(逆にいうとF1Dで記載しないと総通から補正を求められはず)ただしモードはほとんど自明なので最近のFT8の諸元では省略されているのは承知しています。JI3CSHさんの諸元ではモードを記載されました?

そして等価表記に関してJI3CSHさんが近畿総通に相談されたときにこの書き方の説明なり補正はなかったのでしょうか?

JA5AEA さん、こんばんは。
仰るとおり今回の変更申請では、可聴周波数帯の副搬送波を用いた AFSK 方式も F1B や F1D と読み替え可能
なのであれば、それらに統一して欲しいと補正依頼が来ました。
一つ前の記事で書きましたが、J2B や J2D など 占有帯域幅を付する型式は通常のアマチュア無線での使用を
想定していないものであり、可能な限り指定を避けたいことと、「等価表記」である F1B や F1D が過去からの
経緯で一般的なので、統一を図るべきとのことでした。そのような総通の方針であるということと理解しました。
それを理解した上で、やはり敢えて J2B や J2D として指定を受けることに挑戦したいという旨を説明し、
今回の変更申請の審査が終了しました。

「等価表記」を含めた複数の考え方ができると思うので、総通または総務省として画一的な見解を示すことは
できないかということも尋ねましたが、個別のモードは総務省や総通で定めたものでは無く (その存在は認識
しているが)、仕様を明示することはできないと言われました (近畿総通のご担当者の見解です)。

附属装置の諸元については、ご紹介いただいたようなフォーマットに準じて記載しています。
FSK に関しては、リグの FSK 端子を ON/OFF して送信する方式 (本来の F1B, F1D) と、
既に F1B や F1D に周波数変調された副搬送波をリグのマイク端子から入力して送信する AFSK 方式
(等価表記で F1B, F1D) を分けて記載しています。
後者に関しては、コメントいただいたように、送信機のモード (主搬送波) と電波型式の相関も省略せず記載しています。
送信機のモード (主搬送波) が SSB:J2B, J2D (F1B, F1D)
送信機のモード (主搬送波) が FM の場合は、F2B, F2D と私は考えており、そのように諸元を書いて指定を受けています。

JI3CSHさん、

近畿総通およびJI3CSHさんの対応方を改めてご説明ありがとうございます。

頂いたコメントでJI3CSHさんの認識と申請趣旨は

1.JI3CSHさんは近年急速に普及した JT65 や FT8 などの附属装置を用いたデータ通信モードに対して、
法整備が追いついていないことを前提としている。(たぶん総通は法整備の不備は認めないと思いますが小生はわかりません。)

2.やはり敢えて J2B や J2D として指定を受けることに挑戦したいという旨を説明し、今回の変更申請の審査が終了しました。

であることが確認できました。


総通はやるべきことはやったがJI3CSHさんの挑戦の趣旨を理解して「特栽」としたことがわかり納得しました。


ご説明頂きありがとうございました。

JA5AEA さん、こんばんは。
ご理解いただいたとおりと思います。
私の国語力が無いため三回分の記事に渡ってグジャグジャと書きましたが、内容はシンプルです。
 ①電波型式のルールに忠実に従って表記すればどうなるかを考え、それを貫き通した。
 ②総通の対応は、一般的な「等価表記」を勧めたが、指定可能な型式であり問題ないので許可した。
 ③バンドプランで縛りがあるため、現状 F1B, F1D, G1B, G1D は従来どおり「等価表記」とする方が得策。
賢明な方は、真似はされないと思います。

Ji3CSHさん、

了解です。

小生の関心事を話しているところに、関連する情報として話に割り込んで垂れ流す方もいらっしゃいます。そのために関心事の結論が得られなくなったのであえて質問させてもらいました。

最後に念押しのコメントまで書かせてしまい恐縮しています。

ではお元気で。

JA5AEA さん、こんばんは。
わざわざお返事いただきまして、ありがとうございました。

こんにちは。私は実はそこまで深く考えていたわけではなくて、SSB送信機に
単一チャネルの副搬送波を注入する場合に、(主搬送波が抑圧されてしまうため)
周波数変換された副搬送波を、変調された主搬送波とみなした電波の型式とする
旧来からの慣例(と私は理解しています)が、総務省告示や電波法関係審査基準の中で
(日本のアマチュア局におけるローカルルールとして)統一されてしまっているので、
総務省が根本的に見直すまでは無視するわけにいかない程度の意味のつもりでした。
バンドプランも告示の原文を見ておかないと実態としての「狭帯域データ」のつもりでいるとうっかりしますね。

SSB送信機に副搬送波を注入する場合に、アナログ系は(J2A/J2B/)J3C/J3F/J8W、
デジタル系だとJ2C/J2D/J2E/J2F/J7D/J7Wとかにこの際見直していただければ、
あとは伝送の中身と占有周波数帯幅で区分するだけでバンドプランとの整合が
容易になって不毛な議論を避けられると思うのですが。

MCM さん、こんばんは。
そうなんですね。しかし、今回色々と気づきがあり、助かりました。ありがとうございます。
総務省が出している「アマチュアバンド使用区分別早見表」
http://www.soumu.go.jp/main_content/000357476.pdf
にも「狭帯域データ」としか書かれていないので、よく調べておかないと拙かったです。
「F7D」 で Fox を発射されている方がおられるようでしたら、バンドプラン上も問題になりますね。
主搬送波が SSB の場合の表記について総通に話を伺った結果は先のコメントのとおりで、
結構時間が掛かると思われますし、総務省が必要性を感じていなければ、働きかけても動かないような気もします。
こんなくだらんことにエネルギーを掛けるより、もっと別のことに注力すべきと言われそうですね。

ji3cshさんには既に自明のことと思いますが、電波の型式は、変調方法と信号波の内容を表現しようとしているので(正確には施行規則の書きぶりになりますが)、変調後の合成については表現していないのですね。キャリアごとに送信機を用意して共用器で合成するアナログ自動車電話基地局の電波の型式を単体キャリアで表記するのは当たり前の話で、前提が全く異なります。蒸し返すつもりは全くありませんが、一連のコメントを読んで誤解する人がいるといけませんので念のため。

MCMさん、こんにちは。
返事が遅くなりまして、申し訳ございません。
コメントいただいたことは、大体理解しているつもりです。
本件発端については、コメントいただいたことと等価表記を組み合わせて、F1D という解釈をされたのかなと認識していました。
今回ハッキリコメントいただきましたので、私自身の理解も深まったと思います。
ありがとうございました。

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