変更申請を提出:AFSK 方式の電波型式を F1B, F1D から J2B, J2D に修正、F7D は J7D に
事の発端は、FT8 DX pedition Mode の Fox 側信号の電波型式が
F7D ではないと、裏でケチを付けられたことからです。
F7D ではなく F1D だと力説されているようで、
そういう考え方もあるのだと一応「認識」をしましたが、
私自身は理解 (納得) はできませんでした。
これを機に、指定を受けている電波型式の見直しについて、
再考することにしました。
色々な考え方や意見がありますので、どれが正解でどれが間違いかと言うのは、
正直よく分かりません。
以下も一つの考え方 (の紹介) だと思っていますが、
皆さんのお手本にしてくださいというつもりは毛頭ございません。
内容が間違っていても責任は負えませんので、あらかじめお断りしておきます。
PC で発生させた可聴帯域の副搬送波信号を使用する AFSK 方式などの信号は、
SSB モード (USB モード) で送信した場合、そのまま電波の周波数帯に周波数変換され、
最終的な電波としては F1B や F1D の信号とほぼ等価になります。
発射される電波で見ると、直接周波数キーイングする FSK 方式と AFSK 方式は
ほぼ区別が付かないはず (※) なので、AFSK 方式であっても F1B や F1D として
電波型式の指定を受けることが一般的であるものと思われます。
(※) 抑圧搬送波の抑圧が充分で、主搬送波が検出できない場合
単一のチャネルの場合は、これはこれで理解できますので、これまではそうしてきました。
ただ、DX pedition Mode の Fox 信号のように、チャネルが複数有る場合、
それが F1D だと言われてもピンときません。
電波型式の表示方法については、電波法施行規則 第四条の二 に記載されています。
一文字目:主搬送波の変調の型式
二文字目:主搬送波を変調する信号の性質
三文字目:伝送情報の型式
であり、一文字目の「主搬送波の変調の型式」については、
F:角度変調 / 周波数変調
J:振幅変調 / 抑圧搬送波による単側波帯
・・・
となっています。
したがって、PC で発生させた可聴帯域の副搬送波信号を SSB モードで送信する場合は、
主搬送波が「振幅変調の抑圧搬送波による単側波帯」なので、本来一文字目は「J」であり、
二文字目は「0」と「1」以外の数字にすべきと以前より考えていました。
ですので、Fox 信号 については、J7D とすると自分にはしっくりきます。
RTTY は J2B になりますし、JT65 や FT8 など は J2D、PSK31 なども J2B になります。
ただ、副搬送波の変調方式が (周波数変調のなのか位相変調なのか) 区別がつかなくなってしまうデメリットはあります。
そもそも、今まで何故 J2B や J2D が指定されてこなかったのか分かりませんが、
最近では実際に指定を受けられた方もおられるようです。
また、近畿総通と四国総通の両方に電話問い合わせしてみたところ、
特に許可しないというわけではなく、工事設計書 (附属装置の諸元を含む) の内容を
審査した上で、問題なければ指定しますとのことでした。
また、今回の変更申請の意図についても電話で相談しましたが、理解していただけたと感じました。
あくまでも、附属装置の諸元の書き方次第のようです。
早速、電波型式を修正する変更申請をしたかったのですが、問題にぶち当たりました。
1.9 MHz 帯と 10 MHz 帯の扱いです。
告示
無線局運用規則第二百五十八条の二の規定に基づくアマチュア業務に使用する電波の型式及び周波数の使用区別
により、これらのバンド (135 kHz や 475 kHz も) は、「A1A F1B F1D G1B G1D」
の五つの電波型式しか許可されません。
これは、近畿総通、四国総通両方のご担当者がハッキリ仰っていました。
どうするか悩みましたが、1.9 MHz 帯と 10 MHz 帯 においては F1B, F1D, G1B, G1D
と見なす旨を注釈に記載しました。
何とも中途半端ですが、仕方ないです。
ということで、SSB で送信するモードを、「J」の系列に修正する変更申請をしました。
修正箇所が多かったので、電子申請・届出システム Lite への入力も含め半日使いました。
さて、補正依頼などもなく、無事に変更できるでしょうか。
« 久しぶりに 144 MHz FT8 で QSO | トップページ | FT4で初QSO »
「無線(免許)」カテゴリの記事
- 一連の再免許申請が完了(2024.11.17)
- 移動しないアマチュア局の再免許申請には、電界強度の計算表の提出は不要(2024.04.14)
- 無線局の免許状返信用封筒(2021.01.23)
- クラブ局の免許に 1.9 MHz 帯 SSB など追加の変更申請(2021.01.19)
- ようやく「1.9 MHz 帯に J3E、J3F、A3E の型式を追加」の変更が完了(2020.10.09)
いったんF1Dとかで免許され、他局 他総通で既に免許された実績のある超有名なモードが新たな型式で免許されるのだろうか・・されてよいのだろうか・・という気はしております。ま、実際に 総通違いで別型式で免許された実績はあるようなのですが。
また、確かにSSBという振幅変調用のハードを使用して作り出されているわけですが、出力された信号の振幅にデータ成分は乗っかっていないので、J・・振幅変調とは言えないのでは??
投稿: JA7KPI | 2019年8月16日 (金) 22時44分
JA7KPI さん、こんばんは。
否定的な意見は多々あるだろうと覚悟していましたが、早速コメントいただきましてありがとうございます。
「変わり者の変な挑戦」として、聞き流していただければと思います。
屁理屈ばかり捏ねくり回すことになりますが、電波はデータ信号で振幅変調されていないように見えますが、データ信号は副搬送波に乗っており、その副搬送波で電波 (主搬送波) が振幅変調されているものと理解しています。
また、最近のリグは、DSP で変調されているものが多く、充分に主搬送波は抑圧されているのでしょうが、実際は僅かに残っていると思われるので、厳密には J2* と F1* は別物ではないかと思います。
ただ実用的には、主搬送波は問題ないレベルまで抑圧されているので、 J2* も F1* を同等に扱うことが一般的になっているのだと思っています。
ところで、昔から疑問に思っていましたが、過去流行った (?) 静止画テレビジョンの電波型式だけが、J系列の J3F (旧表記は A5J) となっています。D3F にならないのは、何故なんでしょうね。
なお、総務省のホームページにある、「電波型式の表示方法」の資料には、SSTV も J3F になっています。
投稿: ji3csh | 2019年8月17日 (土) 02時40分
明らかに複数チャネルの伝送を「単一チャネルだ、F1Dだ」と言い張る屁理屈よりは、素直に複数チャネルとして正規に免許を受ける方が簡単ですし、もう既に実践しているところです。(但し、バンドプラン告示どおり1.9MHzと10MHzについてはF1Dのみとしています。)
今まではほとんど問題になることがなかった「等価表記」ですが、環境の変化で矛盾が現れるようになってきた感じがしています。どこかでいったん整理する必要があるでしょうね。
投稿: jl3mcm | 2019年8月18日 (日) 11時09分
MCMさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
仰るとおり、FOX の件は「等価表記」の矛盾が浮き彫りになったケースではないかと思います。
個人的には、色々と見直す良いきっかけになりました。
なお、今のところ FOX 信号で送信するつもりはありません。
投稿: ji3csh | 2019年8月18日 (日) 14時56分
本来あるべき姿を追求しようとしてもバンドプラン告示が既に「等価」を前提とした表記になってしまっているので、その歯がゆさは私も理解します。私の場合では結局、厳密にはJ2D/J7Dだが過去からの経緯と慣習を尊重して等価的にF1D/F7Dと表記する、と諸元で併記して指定は「等価表記」のままです。
そもそもこの話の発端がどこなのか実は知らないのですが、このことに限らず、アマチュア無線の世界では正しい(根拠が明らかな)情報がなぜか流通せず、誤りを含む情報の方が広まってしまっていることをよく感じます。そういう意味で、根拠を明確にしているこのblogは(そういうことが当たり前でなければならないのですが)貴重な存在と思っています。
投稿: jl3mcm | 2019年8月20日 (火) 21時01分
すみません。書きながら考えたのですが、FDMの5多重を「FM」でくくるのは不自然で、私もJ7Dと表記すべきという結論に至りました。前言は一部撤回となりますが、重要な示唆を与えていただき感謝します。
投稿: jl3mcm | 2019年8月20日 (火) 22時31分
MCMさん、こんばんは。
MCMさんと多分同じように、最初は FDM / TDM のマルチチャネル FSK を F7D として諸元を作成していました。
今回の件で、J7Dとするのが一番素直な考え方と再認識し、一応総通に意向を伝えた上で、変更するに至りました。
某OMにケチをつけられましたが、結果的にはスッキリさせることができて良かったのかも知れません。
本件含め、正論と建前 (慣例) がありますが、正論を理解した上でどこまで建前を妥協するかが大切なことと考えています。
画一的な正解があれば別ですが、人それぞれ妥協点が異なるので、考え方はまちまちだと思います。
その点を踏まえ、自分が納得した考えを発信させていただいています。
変わり者が訳の分からんことをイキッて書いていると皆さんからはスルーされているようですが、
賛同または否定の意見をコメントいただける方も中にはおられますので、それだけで有り難いです。
「得体の知れない情報」にならないように、一応は気を遣っているつもりです。
投稿: ji3csh | 2019年8月21日 (水) 00時13分
こんにちは。
他にも修正が出てきていたので、21日の夜に早速24MHz帯以下のF7DをJ7Dに訂正して作り直した諸元で変更申請書を提出しました。F1Dの許容占有周波数帯幅が2kHzなので同じ幅を希望して2K00J7Dとしました。(実際には5多重で約290Hzとなることも併せて示しています。)
投稿: jl3mcm | 2019年8月25日 (日) 13時49分
MCMさん、こんにちは。
こちらは変更申請を提出済みですが、まだ進捗がありません。
私の方は、色々と実験可能なように3kHz幅 (3K00J7D) で申請しています。
(多重の占有周波数帯幅の考え方について、備考に図示しています)
あと、(等価表記で) Hxx や Rxx の型式は実験済みでもう使うことは無さそうなので、諸元の仕様からも削除しました。
手間の割には、メリットがあまりなかったです。
投稿: ji3csh | 2019年8月25日 (日) 18時49分
こんばんは。
2K00J7Dを含む変更申請が本日付で審査完了となりました。
移動する局がスプリアス対応で変更手続を2回しないといけないので、
最後に同様にJ7Dを含めて申請する予定です。
投稿: jl3mcm | 2019年9月 3日 (火) 20時14分
MCMさん、こんばんは。
私の方も、本日付で変更申請が審査完了となりました。
後ほど、簡単に記事を書こうかと思います。
投稿: ji3csh | 2019年9月 3日 (火) 20時29分