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2019年6月の1件の記事

2019年6月 9日 (日)

WSJT-X 2.1.0-rc7 の FT4 と FT8

WSJT-X 2.1.0-rc5 で登場した FT4 ですが、-rc7 で仕様が変わっているようです。

ネット上での情報を参照すると、
 通信速度      :23.4 baud → 20.83... baud
 1シーケンスの時間 : 6 秒 → 7.5 秒
 占有周波数帯幅   : 90 Hz → 80 Hz
とのことですが、実際どのように変わっているか、信号のスペクトラムを見てみました
-rc5 のときと同様に、Wave Spectra を使って評価です。

ここで、私の環境だけの問題かもしれませんが、WSJT-X 2.1.0-rc7 が上手く起動しません。
-rc7 の期限に関するワーニングが出た後、OK ボタンを押すと WSJT-X が終了してしまいます。
何度インストールし直しても、別の PC で試してみても、症状は変わりません。
昨日 (6 月 8 日) には動作するのを確認できていたので、-rc5 の有効期限の設定が残ってしまっているのかもしれません。
仕方ないので、PC の時計の日付を数日戻して WSJT-X をスタートさせたところ、何とか無事起動させることができました。
6/10 追記
ワーニングの内容をよく読まず、有効期限のことしか書かれていないと思い込み、何も考えずに OK ボタンを押し続けていました。
(JP1LRT さん、ご指摘ありがとうございました)
ARRL June VHF contest (6/8 ~ 10) と Field Day (6/22 ~ 23) の期間は使えないとのことでした。
6/10 の夜に確認すると、問題なく起動しました。

 

ようやく起動したところで、FT4 のスペクトラムを確認しました。

20190609_0001 

余計な文字が写り込んでしましましたが、Tone Spacing は 20.833... Hz で、
最大周波数偏移は +20.833... × 3 = +62.5 Hz のようです。
占有周波数帯幅は、この図からはハッキリ分かりません。

あと、FT8 も 8FSK から 8GFSK に変更されているとの情報があるので、
WSJT-X 2.0.1 と WSJT-2.1.0-rc7 とで比較してみました。

20190609_0002

青が WSJT-X 2.0.1 で、赤が WSJT-2.1.0-rc7 です。
帯域幅に有意差が無いように思えますので、GFSK に変わっているのか、ガウスフィルタを
通した効果がこの測り方では見えないのか、判断がつきませんでした。

 

6/15 追記
データ送信時間を、WSJT-X の Fast Graph で見てみました。
横軸の目盛りが荒く、細かいところまで判りませんが、下記考察のとおり送信時間は 5.04秒だと思われます。

20190615_0001 

WSJT-X 2.1.0-rc7 のソースコードをダウンロードし、少し覗いてみました。
ft4_params.f90 とファイルの中に、信号のパラメータが記載されています。

それによると、
データ長は ペイロード 77 bit + CRC 14 bit = 91 bit
エラー補正処理は、LDPC (174, 91)
データシンボル長は、174 ÷ 2 = 87 bit
同期信号は 4 個の 4x4 Costas Array、よって同期信号シンボル長は 4 × 4 = 16 bit
データ信号+同期信号のシンボル長は、87 + 16 = 103 bit
2 bit 余分に付け足して、103 + 2 = 105 bit がトータルのシンボル長のようです。
また、シンボルレートが 20.833... bps なので、105 ÷ 20.83333 = 5.04 s が送信時間です。

大体以上のような構成になっていることが分かりました。

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