430MHzの7エレメント スクエアループアンテナを作ってみましたので、紹介します。
一年ほど前から計画をしていて、材料集めなどは済んでいたのですが、ようやくこの週末完成しました。
今回ループアンテナを選んだ理由は、
これまで1λループアンテナを使ったことがなく興味があったこと、
自己平衡作用があるためバランが不要であること
広帯域にしやすいこと
などです
◆◆目標◆◆
430MHzは、これまで8エレ八木を使ってきました。
今回ループアンテナを作る目標として、8エレ八木からの改善点として以下の二つとしました。
①F/B比 20dB以上にすること
②広帯域化
◆◆設計◆◆
今回もMMANAの最適化 (Optimization) 機能を駆使して設計しました。
給電点のインピーダンスは、マッチング回路を不要としたいため、50Ω+0j を目標としました。
シミュレーション結果から得られた設計図は、こんな感じです。


Real Ground、地上高1mでのシミュレーション結果は下図のとおりです。

Ga (絶対利得) =14.68dB、F/B=24.21dB
ブーム長を1m以下に抑えたかったので、指向性はイマイチかもしれませんが、これで良しとしました。
◆◆材料◆◆
エレメントは、10mm幅×2mm厚のアルミフラットバーを、
ブームは、20mm角×1.5mm厚×1m長のアルミ角パイプを使いました。
エレメントクランプは、ポリエチレン製まな板から切り出して作ることにしました。
いずれもホームセンターで揃う物です。
給電点は同軸ケーブル直付けとしますので、5D2V 20cm程度と、メスのN型コネクタ(NJ-5X)を準備しました。
◆◆工作◆◆
430MHzともなると波長が短く、エレメント長もミリメートル単位できっちり作る必要があります。
エレメントも丁寧に採寸し、切断や穴開け位置、折り曲げも念入りに行ったつもりです。
(が、結構雑な仕事になってしまいました...)
エレメントクランプは、ポリエチレン製のまな板から削り出しました。
以前導体分岐バランを作製したときは、ポリエチレン板の加工に苦労しましたが、
いまはミニルーターや木工用ヤスリなどがあるので、比較的短時間に作業終了しました。

エレメントクランプに皿ネジを埋め込み、エレメントをタッピングビスで取り付けて固定して完了です。

取り付け部分は、短いアルミフラットバーで補強しました。

◆◆調整◆◆
シミュレーション結果が正しいかどうか不安があったので、まずエレメントを仮止めしてVSWRを測ってみました。
その際、ラジエーターは調整しやすいように、最初はIV線で組みました。
若干ラジエーターの長さを僅かに調整(短く)しましたが、他のエレメントの長さや間隔はそのままでOKでした。
ラジエーター長が決まったところで、ブームに穴開けをして、エレメントを取り付けました。


給電点はこんな感じですが、まだ改善の余地はありそうです。

クランプコアは最初入れていませんでしたが、ケーブルの引き回し方でVSWRが大きく変わるような
現象が起こっていましたので、ダメ元で入れてみました。
するとスッとそのような現象が治まり、ケーブルの引き回し方を変えてもVSWRが跳ね上がることはなくなりました。
恐らくコモンモード電流が影響して、悪さをしていたのでしょう。
クランプコアがフロートバランの働きをして、コモンモード電流を抑制してくれていると思います。
ループアンテナに自己平衡作用が有るとは言え、やはりバランは入れた方が良さそうです。
しかし、手持ちの適当なクランプコアが430MHzぐらい高い周波数でも効果的であるとは思ってませんでした。
VSWRは、430〜439MHzで概ね1.5以下と良好な結果でした。
◆◆使ってみて◆◆
かなりビームパターンが鋭いように感じました。
フロント方向の左右30°ぐらいのところが、凄く切れているように思えます。
59+20dBぐらいで入感している局が、30°ぐらい振るとカスカスになるぐらいに信号強度が落ちます。
シミュレーション結果でもそのようになっていますが、それに近い特性になっているのかもしれません。
バックもそこそこ落ちているように思います。
ただ、指向性が鋭いことは良いのですが、アンテナを方角固定で使うにはちょっと使いづらいものに
仕上がってしまったかもしれません。
しばらく様子を見てみたいと思います。
2019/10/6 追記
イマイチだった給電部ですが、直付けしていた同軸ケーブルがもげてしまったのをきっかけに
作り直してみました。
エレメントに同軸を直付けしていたものを、N 型コネクタ (レセプタクル) に換えました。
430MHz 7エレ スクエアループアンテナの給電部 修理
430MHz 7エレ スクエアループアンテナの給電部 修理 2

また、エレメント長を微調整する必要がありましたので、併せて行いました。
ただ、シミュレーション結果とは概ね合っているようです。
2022/8/28 追記
給電部に 50 Ω : 50 Ω の強制バランを組み込みました。
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バラン (2個目) を 7エレ スクエアループアンテナに組み込み


また、再度エレメント長を微調整しました。
最近のコメント