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2017年4月 2日 (日)

430MHz 7エレ スクエアループアンテナの作製

430MHzの7エレメント スクエアループアンテナを作ってみましたので、紹介します。

 


一年ほど前から計画をしていて、材料集めなどは済んでいたのですが、ようやくこの週末完成しました。
今回ループアンテナを選んだ理由は、
 これまで1λループアンテナを使ったことがなく興味があったこと、
 自己平衡作用があるためバランが不要であること
 広帯域にしやすいこと
などです

 


◆◆目標◆◆

430MHzは、これまで8エレ八木を使ってきました。
今回ループアンテナを作る目標として、8エレ八木からの改善点として以下の二つとしました。
①F/B比 20dB以上にすること
②広帯域化

 


◆◆設計◆◆

今回もMMANAの最適化 (Optimization) 機能を駆使して設計しました。
給電点のインピーダンスは、マッチング回路を不要としたいため、50Ω+0j を目標としました。
シミュレーション結果から得られた設計図は、こんな感じです。

20170402_0001

20170402_0002

 

Real Ground、地上高1mでのシミュレーション結果は下図のとおりです。

20170402_0003

Ga (絶対利得) =14.68dB、F/B=24.21dB

ブーム長を1m以下に抑えたかったので、指向性はイマイチかもしれませんが、これで良しとしました。

 


◆◆材料◆◆

エレメントは、10mm幅×2mm厚のアルミフラットバーを、
ブームは、20mm角×1.5mm厚×1m長のアルミ角パイプを使いました。
エレメントクランプは、ポリエチレン製まな板から切り出して作ることにしました。
いずれもホームセンターで揃う物です。
給電点は同軸ケーブル直付けとしますので、5D2V 20cm程度と、メスのN型コネクタ(NJ-5X)を準備しました。

 


◆◆工作◆◆

430MHzともなると波長が短く、エレメント長もミリメートル単位できっちり作る必要があります。
エレメントも丁寧に採寸し、切断や穴開け位置、折り曲げも念入りに行ったつもりです。
(が、結構雑な仕事になってしまいました...)

エレメントクランプは、ポリエチレン製のまな板から削り出しました。
以前導体分岐バランを作製したときは、ポリエチレン板の加工に苦労しましたが、
いまはミニルーターや木工用ヤスリなどがあるので、比較的短時間に作業終了しました。

20170402_0004

エレメントクランプに皿ネジを埋め込み、エレメントをタッピングビスで取り付けて固定して完了です。

20170402_0005

取り付け部分は、短いアルミフラットバーで補強しました。
20170402_0006

 


◆◆調整◆◆

シミュレーション結果が正しいかどうか不安があったので、まずエレメントを仮止めしてVSWRを測ってみました。
その際、ラジエーターは調整しやすいように、最初はIV線で組みました。
若干ラジエーターの長さを僅かに調整(短く)しましたが、他のエレメントの長さや間隔はそのままでOKでした。
ラジエーター長が決まったところで、ブームに穴開けをして、エレメントを取り付けました。

20170402_0007

20170402_0008


給電点はこんな感じですが、まだ改善の余地はありそうです。

20170402_0009

クランプコアは最初入れていませんでしたが、ケーブルの引き回し方でVSWRが大きく変わるような
現象が起こっていましたので、ダメ元で入れてみました。
するとスッとそのような現象が治まり、ケーブルの引き回し方を変えてもVSWRが跳ね上がることはなくなりました。

恐らくコモンモード電流が影響して、悪さをしていたのでしょう。
クランプコアがフロートバランの働きをして、コモンモード電流を抑制してくれていると思います。
ループアンテナに自己平衡作用が有るとは言え、やはりバランは入れた方が良さそうです。
しかし、手持ちの適当なクランプコアが430MHzぐらい高い周波数でも効果的であるとは思ってませんでした。

VSWRは、430〜439MHzで概ね1.5以下と良好な結果でした。

 


 

◆◆使ってみて◆◆

かなりビームパターンが鋭いように感じました。
フロント方向の左右30°ぐらいのところが、凄く切れているように思えます。
59+20dBぐらいで入感している局が、30°ぐらい振るとカスカスになるぐらいに信号強度が落ちます。
シミュレーション結果でもそのようになっていますが、それに近い特性になっているのかもしれません。
バックもそこそこ落ちているように思います。

ただ、指向性が鋭いことは良いのですが、アンテナを方角固定で使うにはちょっと使いづらいものに
仕上がってしまったかもしれません。
しばらく様子を見てみたいと思います。

 


2019/10/6 追記

イマイチだった給電部ですが、直付けしていた同軸ケーブルがもげてしまったのをきっかけに
作り直してみました。

エレメントに同軸を直付けしていたものを、N 型コネクタ (レセプタクル) に換えました。

430MHz 7エレ スクエアループアンテナの給電部 修理
430MHz 7エレ スクエアループアンテナの給電部 修理 2

20191006_0001

また、エレメント長を微調整する必要がありましたので、併せて行いました。
ただ、シミュレーション結果とは概ね合っているようです。

 


2022/8/28 追記

給電部に 50 Ω : 50 Ω の強制バランを組み込みました。

430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バラン (2個目) を 7エレ スクエアループアンテナに組み込み

20220828_0001

20220828_0002

また、再度エレメント長を微調整しました。

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無線(アンテナ)」カテゴリの記事

コメント

お久しぶりです。4月11日からWindows 10 Creators Updateが解禁します。様子を見ようと思ったのですが、homeだと延期が設定ができないとのことなので、その前に5日に手動でアップグレードできるならしてしまえということで恐る恐るしましたところ。大体私の環境では2時間半くらいでなにごともなくアップグレードできました。念のためUSBにIntelグラフィックスドライバーを用意しておいたのですが大丈夫でした。(たまたまだったのかもしれないので用意しておいたほうが良いと思います)
ただインストール後はIntel製品を勝手にインストールしないように設定できるソフトは、元に戻ってしまっていたので、設定し直しました。あとは、キーボードは普通に使えるのですが、接続しましたとか、メッセージが出なくなりました。おそらくまだappleが対応できていないからだと思います。
Microsoftから引用Boot Camp を使用する Apple Mac に Windows 10 Creators Update を新規にインストールするには、まず ISO ファイルを使用して Windows 10 Anniversary Update をインストールしてから、Windows 10 Creators Update をインストールする必要があります。

Creators Update のクリーン インストールを実行しようとすると、winload.efi でコード 0xc000000f の Sopt エラーが発生します。

appleから引用 Windowsの10クリエーターアップデートの初回インストールには、現在のMacOS上でBoot Campアシスタントと互換性がありません。AppleとMicrosoftはこの問題を解決するために取り組んでいます。

おそらく対応できれば接続 不接続のメッセージもしっかり出るのではないかと思います。

あと、私は更新もかねて毎日メンテナンス開始をしているのですが、万が一のために残しておいたwindwos.oldが削除されてしまいました。なんか不具合にあった場合は後戻りできなくなってしまいました。(;;;´Д`)

訂正します。今日になってキーボードの接続不接続のコメントが出るようになりました。あとは、appleが一刻も早く対応できるようにまつだけのようです。去年の時も思ったのですが、windwos10のアップデートがあることはわかっているのに、appleはいつも後手に回っているような気がします。

静かなる中条さん、こんばんは。こちらこそご無沙汰しております。
いつも情報ありがとうございます。Windows10のメジャーアップデートがあることは、全く気づいていませんでした。
たぶんアップグレードにすると思いますので、静かなる中条さんも成功されているようですので、大丈夫かなと楽観的に考えています。
バックアップは重要だと思っていますので、32GBか64GBのUSBメモリーを買ってきて、保存してからアップグレードしようかと思っています。
アップグレード後は、Intel製品を勝手にインストールしないように再設定しないといけないということですね。
セキュリティー面から考えるとアップグレードするべきなのでしょうが、現状のOSでも何ら不便を感じていないので、
アップグレードは余計なお世話にしか感じないです。
Windows updateを待ってアップデートしてみます。

本当余計なお世話ですね、使い方も慣れて安定してきているのに、大型アップデートがあるたびに何かあるんじゃないかと毎回神経がすり減ります。毎回無事を祈りながら終了する感じです。終了してからも、大丈夫か?って疑心暗鬼が続きます。では成功を祈っています。

追加で!!ドライバーアップデート。

デバイスマネージャーですと、チェックをするたび最新と出るので、昨夜試しにインテルドライバーアップデートユーティリティーと言うソフトで本当にアップデートするドライバーはないのか試しに検索してみたら、3月30日にでた(https://downloadcenter.intel.com/ja/product/81493/-4-Core-Iris-Pro-5200の1番上です。)win64 154034.4624がアップデートできるという事なので、半信半疑に恐る恐る古いドライバーを用意してアップデートしたところ無事アップデートできました。今のところ問題なく動いているので大丈夫だと思います。

JI3CSH局長殿

突然のコメント失礼致します。
弊方、単身赴任で、9エリア福井で移動運用しております。430はモビホとシングルループで運用しておりましたがどうしても限界に感じ、自作派として大好きなループアンテナの設計図を探していたところCSHさんのブログに行き着き、これが求めていたアンテナだ❗️と感じました。MMANA解析、調整がいらないように最適化されたエレメント間隔など、うなずけるものばかり。
早速、弊方も貴局設計図をベースに自作させていただきました。結果、シェイクダウンでは、無調整でSWR1.1、9↔︎4エリア約300kmのスケジュール QSOで59+、サイドでは31、バック41と再現性100%のアンテナとなりました。本当に感動と感謝至極でございます。このアンテナ設計図をはじめそのノウハウを公開していただいたことに御礼申し上げるとともに、ローカル各局にこの感動を伝えてCSH局設計の7エレクワッドアンテナの良さを知ってもらい、自作するならばこのアンテナ設計図で❗️と考えております。この感動を与えていただいた貴局
にどうしても御礼を伝えたく、コメントさせていただきました。Twitterにも7エレ製作結果をアップしましたが貴局への御礼がまだでしたので3エリアOMさん設計のアンテナとしてその感動をアップしております。ご了承いたたけるならば、CSH局のこのブログを見てくださいと各局にお伝えしたい気持ちでございます。
乱筆乱文となり申し訳ございません。
感動を与えていただいた貴局に感謝致します。本当にありがとうございました。

JR6QKO さん、こんばんは。
大変励みになるコメントをいただきまして、本当にありがとうございます。
拙筆が少しでもお役に立てたようで大変光栄ですし、上手く作られてご満足いただけているとのことで、
こちらもとても嬉しく思います。
ローカルの皆様にご紹介いただくことは全く問題ございませんし、むしろウェルカムです。

ただ、100% 特性が再現できるかどうかは不安なところはあります。
地上高 1 m を想定してシミュレーションで合わせ込みましたので、アンテナを高く上げるとズレるかも知れません。
(シミュレーション結果ですが) サイドローブが多く大きいことや、給電点の処理など、まだいくつか
気にくわない点もあります。
給電点にフェライトコアやクランプコアなどのフロートバランは入れておいた方が良いと思います。
もしよろしければ、皆さんでもっとブラッシュアップしていただければと期待いたします。

こちらのアクティビティーは低いですが、同じループアンテナ同士で QSO できたら面白いですね。
お空でもお目にかかれることを楽しみにしております。

JI3CSH局長度

おつかれさまです。
OMからの返信、ありがとうございます。

コメントいただいた注意すべき点などをローカル各局とワイワイ言いながら楽しくトライ&実践して参りたいと思います。また、これも楽しみかなぁと感じております。

最近のアマ各局は、自作をされない方もおられます。話しを聞くと、作っても上手くいかず調整の方法もわからないとのこと、今回CSH OMのこの7エレループは本当に再現性が高いアンテナであることを実感できましたし、さらに430でのダクトによるDXなどをワクワクしながら参加したいという各局さんにQSPさせていただく機会をいただきましたので是非紹介するとともに楽しく製作させていただこうと思います。突然のコメントに対し、ご理解いただき、本当にありがとうございます。

これで弊方から、JI3CSH OMの7エレループですッ!とみなさまに堂々とお伝えできます。

感動を与えてくれたCSH OMにあらためて御礼申し上げるとともにお空の上でも是非会えることを楽しみにしております…。

感謝。

JR6QKO さん、こんばんは。
430 MHz で遠距離通信を楽しまれているのですね。すばらしいです。
是非とも、もっと良いアンテナに仕上げていただいて、ご活躍になることを期待しております。
こちらも、また何か次回作に取り組みたいという意欲が湧いてきます。
サイドローブ改善のため、6エレ程度の1λヘンテナとかがいいかなと思っています。
今後とも、よろしくお願いいたします。

こんにちは、お初にお目にかかります、JR6QKO局さんからご紹介賜りました、中口と申します
私のホームは電波状況が非常に悪く、リタイヤの原因の一つかも知れません、昨年の5月に
更新だけ勿体ないかな?と電源を入れてみると、何やら聞こえます、そこで、かつてQSO
していた、OM局に連絡したところ、やりましょうとの事、再開を期に何かと思っていたところ
QKO局さんの、ツイッターのアンテナ画像が目に飛び込み、知識はないのですが、QKOさんの、優しいお言葉に
興味津々!TKBさんとも、出会うことで来ました、こうして、CISさんに辿り着く事も出来、
感謝しております、わからんながらも、目を通させて頂きます、ありがとうございます。
QSO出来ました時は宜しくお願い致します。IJA(^^)/

JR4IJA 中口さん、こんにちは。
拙ブログをご覧いただきまして、ありがとうございます。
アマチュア無線は、交信すること、工作をすること、その組合せなど色々な楽しみ方があると思います。
折角免許をお持ちなのですから、仲間の皆さんと色んな楽しみ方を追求されてみてはと思います。
私はマンション暮らしなので、大きなアンテナを建てることもできず、電波状況は良くないです。
それなりにアンテナを工夫して、何とか楽しんでいる状況です。
リグは色々な状況により中々作ることは難しいですが、周辺機器やアンテナは時々工作を楽しんでいます。
あまり参考にならないかも知れませんが、これからも時々製作記事も載せていきたいと思っています。
また QSO の機会がありましたら、こちらこそどうぞよろしくお願いいたします。

JI3CSH局長 殿
初めましてよろしくお願いいたします。 70歳を過ぎてやっと自分の時間が取れ無線に燃えております。現在HFから430MHZまでの移動運用に力をいれてます。430MHZで利得のあるアンテナ記事を探していたところ貴局のHPに出会いました。利得もあるようで早速材料を買い込んで製作を始めましたが示された寸法で折り曲げてみると内側は示された寸法ですが外側はアルミの2枚分の厚さが加わった寸法になります。また全外周を図ると各コーナーで90度に延ばされますので8mm近く長くなってしまいました。示された寸法で折り曲げてよろしいでしょうか?以前薄い板でループアンテナを製作したときは気にしてませんでしたが今回は厚さがあるのでどこからどこまでの寸法なのか悩んでおります。
例えばリフレクターの196㎜の辺は外側どうしですと200㎜なります。
基本的な知識を持たぬ老人です。よろしくご教示をお願いいたします。

JR7JID局長 様
はじめまして。お返事が遅くなりまして、申し訳ございません。

拙筆ブログをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
記事の内容が言葉足らずで、申し訳ございません。
仰るとおり、記事に記載の寸法でアルミフラットバーを採寸して折り曲げると、厚みの分だけ外周は長くなってしまいます。
私が製作したときは、アルミフラットバーの (厚さ方向の) 中心部分での長さが設計値となるようにしました。
すなわち、曲げ部分に関しては、一辺を設計値より 1 mm 減らして内側に折り曲げるようにしました。
(一辺の片側の角で 0.5 mm 短くなり、両角では 0.5 mm × 2 = 1 mm 短くなる)
そうすると、外周一周は設計値より 4 mm 長くなり、内周一周は 4 mm 短くなります。
例えばリフレクタですと、外周一周は (196 + 1) × 4 = 788 mm、内周一周は (196 - 1) × 4 = 780 mm となります。
外周と内周の平均で設計値となります。

アンテナのエレメントは、表皮効果のため表面上の寸法が利いてくると思います。
ちょっと違うかも知れませんが、外周は設計値より少し低い周波数で同調し、内周は少し高い周波数で同調するので、広帯域化にも貢献してくれているのではないかと思っています。

JI3CSH局長 殿
 ご返信ありがとうございました。何分無知な老人ですので・・・。寸法の出し方がわかりましたので早速製作してみたいと思います。時間はたっぷりありますので正確な寸だしと曲げだしをしてみます。
当地(/1 C1342)から144,430MHZのFT8でJA2、3のQSOができております。伝搬はEスポやダクトではなさそうな「飛行体反射」のようです。FT8の信号跡がドップラー効果で周波数が移動して行き約2分弱のQSOです。流石FT8の微弱電波交信ですね。空が澄んでくる冬に向けて楽しみが増えます。もし(/P C1342 OR C1309)が見えましたらよろしくお願いいたします。
今回は大変貴重なご指導ありがとうございました。 VY BEST 73

JR7JID局長 様
お返事いただきまして、ありがとうございます。
また、作られた感想や使用感などもお聞かせいただければ幸いでございます。
こちらでも同様に、144MHz帯、430MHz帯のFT8等で1エリアとQSOできることが有ります。
仰るとおり、飛行体反射のケースが多いと感じます。
QSOしていただける機会があればと楽しみにしております。
同じループアンテナ同士でのQSOであれば、なおさらです。

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