144MHz 5エレ八木を改良
三年近く144MHzの5エレ八木を使ってきました。
過去の記事:144MHz 5エレ八木の製作
このアンテナでも、それなりに電波は飛んでくれていましたし、コンテストでも入賞することができました。
しかし、F/B比があまり良くないのと、指向性パターンにも若干違和感があります。
少しでも改善できないものかと思い立ち、MMANAを使って検討してみました。
◆◆改良のポイント◆◆
改良の目標としては、以下の2点です。
①F/B比の改善(F/B比 20dB以上に)
②広帯域化
◆◆再設計◆◆
MMANAの最適化 (Optimization) 機能を駆使して、設計し直しました。
今回も2X209Aのエレメントをそのまま流用するので、エレメント長は変えずに、エレメント間隔だけで調整します。
また広帯域化を図るため、設定条件でBand Settingも144.00〜145.00MHzとしました。
これでF/B比にややウエイトを置いて、最適化させました。
目標の給電点のインピーダンスは、これまで作ってきた6エレ八木や5エレ八木と同じ、約26Ωとしました。
色々試してみて、第1ディレクタに2X209AのD2(赤)を、第2ディレクタに2X209AのD3(橙)を、
第3ディレクタに2X209AのD6/D7(無色)を使うことで、割と良い結果が得られました。
それで、出来上がった寸法がこちらです。
Real Ground、地上高2mでシミュレーション結果はこちらです。
Ga=11.41dB、F/B=23.41dB、Elev=9.6°
サイドローブが大きく出ていますが、アンテナの向きをほぼ固定で使いますので、
サイド方向が切れないのは不問とします。
エレメント間隔をもう少し広げたりしたら、もっとサイドローブを小さくすることができましたが、
ブーム長が2m以上になるので不採用としました。
ちなみに、これまで使ってきた5エレ八木のシミュレーション結果です。
さらに、同じ条件で過去使ってきたアンテナと比較してみると、このようになります。
Ga(dB) F/B(dB) Elev(°)
ダイヤモンド5エレ八木 9.43 17.65 9.8
2X209A改造6エレ 11.74 19.46 9.5
2X209A改造5エレ 11.01 18.14 9.6
今回の改良版5エレ 11.41 23.41 9.6
このように、シミュレーション上ですが、F/B比を大幅に改善することができました。
◆◆アンテナの製作◆◆
ブームは以前作った6エレ八木のアルミ角パイプ (20mm×20mm×2000mm) を流用しました。
今回の5エレ八木で使わないネジ穴は、組み立て間違い防止のため、テープを巻いて目隠しをしました。
穴開け加工箇所が少なかったので、あっという間に作業は終了しました。
組み立てた状態では、こんな感じです。
◆◆VSWR◆◆
シミュレーション結果の寸法でそのまま組み立てましたが、非常に良い結果が得られました。
144.00〜146.00MHzまで、VSWRは1.1以下です。
手持ちのSWR計では、反射電力の針が殆ど振れません。
◆◆使ってみて◆◆
飛びを試そうと、SSBで電波を出して何局かの方とQSOをしました。
ただ、以前の5エレ八木と比べて良くなったかというと、さほど実感はできませんでした。
フロントゲインはほとんど変わっていないので、仕方ないことかもしれません。
追々コンテストなどで感触が掴めるのではないかと思います。
広帯域になっただけでも、精神衛生上良くなったと思います。
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