MSK144, QRA64のモード追加を申請
今日はオンエアもせず、MSK144やQRA64のモード追加をすべく、申請書類の作成をしました。
また、WSJT-X v1.7には、JT9のSub Mode A〜Hも追加されています。
JT9-1は以前に申請済みですが、JT9A(JT9-1と同じ)〜JT9Hは未申請ですので、
ついでに申請することにしました。
これらの諸元は、主にWSJT-X User Guideと、補足的にインターネットの情報を参考にし、
自分が納得した内容としました。
(MSK144はJA7KPI OM、QRA64はJM1SZY OMの各Web pageを参考にさせていただきました)
まず、MSK144について。
変調方式はOQPSKですが、User Guideには結果的にMSKと等価と記載があります。
ボーレートは2000ボー、またMSKなので変調指数はm=0.5だから
周波数偏移幅は、
2000×0.5=1000Hz=±500Hz
と算出できます。
副搬送波周波数は、User Guideに記載のある1500Hzとしました。
占有周波数帯幅は、User Guideには2400Hzとあります。
次にQRA64ですが、こちらもUser Guideに
Keying rate
Tone Spacing
Bandwidth (Hz)
などの記載があります。
Keying rate (ボーレート)は、JT9と同じく
12000÷6912=1.736111....ボー
です。
周波数偏移幅はちょっと悩みましたが、以下のように考えました。
User Guideによると、例えばQRA64AのTone Spacingは 1.736Hz です。
変調方式はFSK64なので、トーンの数はパイロット信号を含めて 64。
したがって、トーン間隔の数は 63 となります。
なので、周波数偏移幅は
1.736×63 (正確には、1.736111....×63 だと思います)=109.375Hz
占有周波数帯幅は 111.1Hz と載っていますが、
占有周波数帯幅の計算式 2M+2Dk で、k=1 として検算してみると、
1.736111....+109.375=111.111...Hz
とピッタリ合います。
さらに、QRA64Bについても考えてみると、周波数偏移幅は
3.472222...×63=218.75Hz
占有周波数帯幅(User Manualに220.5Hzと記載)を計算すると、
1.736111...+218.75=220.48611...Hz
とピッタリです。
QRA64C〜Eも同様に考えて検算結果がピッタリ合いますので、まず間違いないでしょう。
副搬送波周波数は、1000Hz としました。
QRA64Eの占有周波数帯幅が 1751.7Hz あり、音声信号の帯域3kHz以内に納めるためです。
最後にJT9A〜H(Slowモード)ですが、これもQRA64と同じように考えて良さそうです。
Tone Spacing 1.736Hz、トーン間隔数を9-1=8として考えると、
占有周波数帯幅の検算は、User Guideに記載の値とピッタリ合います。
ちなみにJT65だけはちょっと違うようで、トーン間隔数を65-1=64ではなく、
65で計算しないといけないようです。
これは、The JT65 Communications Protocolの8ページあたりを読めば分かります。
どうやら、パイロット信号と、最初のトーンとの間隔がTone spacingの2倍になっていると思われます。
結果的に、以下の内容としました。
◆MSK144装置◆
方式 :副搬送波 OQPSK
通信速度 :2000ボー
副搬送波周波数:1500Hz
周波数偏移幅 :±500Hz
符号構成 :WSJT, MSK144
電波型式 :F1D
※送信は28MHz帯以上の周波数帯に限る
◆QRA64装置◆
方式 :副搬送波 64FSK
通信速度 :1.736ボー
副搬送波周波数:1000Hz
周波数偏移幅 :+109.38Hz/+218.75Hz/+437.5Hz/+875Hz/+1750Hz
符号構成 :WSJT, QRA64A/QRA64B/QRA64C/QRA64D/QRA64E
電波型式 :F1D
◆JT9装置◆
方式 :副搬送波 9FSK
通信速度 :1.736ボー
副搬送波周波数:1000Hz
周波数偏移幅 :+13.89Hz/+27.78Hz/+55.56Hz/+111.11Hz/+222.22Hz/+444.44Hz/+888.89Hz/+1777.78Hz
符号構成 :WSJT, JT9A/JT9B/JT9C/JT9D/JT9E/JT9F/JT9G/JT9H
電波型式 :F1D
電子申請は前回のファイルを保存していたものがありましたので、あっという間に作成することができました。
正確に言うと、今回は変更「届」になります。
おことわり
以上は、あくまでも私見です。
この内容で、免許されることを保証するものではありませんので、あしからずご了承下さい。
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