TS-590やTS-2000は、USB-シリアル変換ケーブルを接続することにより、
ハムログやCTESTWIN上で周波数やモード情報を読めるようになりました。
TS-950SDXは、シリアルデータがTTLレベルであったり、負論理であったり、
仕様がRS-232Cと異なるとのことで、別途インタフェースが必要です。
インターフェースの部品は随分前に集めていましたが、今日、ようやく作製しました。
今回作製したインターフェースは、FTDI社のFT232RLというUSB-シリアル変換ICを
使いました。回路は、データシートのバスパワー仕様回路例を参考にしています。
RS-232Cのように信号レベルを+/−に振らせる必要も無いので、MAX232のような
ドライバー/レシーバーも不要です。
USBコネクタと、DINコネクタは、基板直付けです。
シリアルデータはクロス接続しないといけませんが、基板上でクロスさせており、
接続するケーブル(DIN6pinーDIN6pin)はストレート仕様です。
CTSとRTSは、ショートするかリグと接続するかを選択できるように、
ジャンパーピンで切り替えられるようにしました。

FT232RLは0.65mm SOPです。基板に実装しようとすると、0.65mmピッチのパターンを描き、
半田付けをしなければいけません。FT232RLを使ったモジュールも1,500円前後で売られていますが、
それを使っても面白みもないので、今回敢えてプリント基板を自作することに挑戦してみました。
いつものとおり、Eagleでパターン作成し、ぶどう紙に印刷後にアイロン転写しました。
出来上がりが心配でしたが、細かいパターンも潰れず、きれいに転写できています。

エッチングも順調に進行。細かい半田付けが必要ということで、今回は基板にソルダーレジストを
塗布することにしました。
半田付けする部分にマスキングゾルを使ってマスキングし、ソルダーレジストを塗布、紫外線(日光)で
硬化させます。ソルダーレジストはペースト状のものを使ったので、かなり塗りむらができました。
レジストが硬化後にマスキングした部分を剥がしていくわけですが、これが一番時間が掛かり
とても面倒くさい。彫刻刀を使ってコツコツと行いますが、面白くない作業ですし、途中で飽きてきます。
ようやく作業完了し、フラックスを塗って穴開けをしたら、プリント基板は完成です。
今回、銅箔面が出ている部分だけにフラックスを塗布したので、塗りむらでとても汚く見えます。

次に、基板の不要な部分をカットした後、部品を実装し組み立てていきます。
FT232RLの実装は、位置決めが難しいです。ここをミスると、上手く半田付けできないばかりか、
隣接ピン間でショートしたりします。虫眼鏡を使ってチェックしながら慎重に位置決めします。
位置決めしたら、端っこのピンを仮止めし、最終チェックの後に半田付けします。最初は多めに半田を流し、
半田吸い取り線を使って余分な半田を吸い取り、ショートしている部分を修正していきます。
半田レジストを塗っているおかげで、余計なところに半田がつくことがありません。
半田付けが終わったら、フラックス除去液できれいにし、ICピン周りを虫眼鏡でチェックします。
また、テスターも使い、導通チェック、ショート有無のチェックをします。
何度か手直しをしましたが、何とか基板が完成しました。


接続するケーブルは、6芯ケーブルの両端にDIN6pinコネクタを付けています。
前述のとおり、ケーブルはストレートで配線しています。

PCに接続すると、仮想ポートとして認識し、COM9が割り当てられました。

TS-950SDXのACC1端子と接続、試行錯誤の後にようやくリグコントロールができるようになりました。
ハムログとCTESTWINで、周波数とモードの情報が読み込めます。
リグコントロールの設定で、ボーレートは4800bps、ストップビットは2にしています。
今回作製したインターフェースが原因ではないと思いますが、CTESTWINでは反応が遅い
(2テンポぐらい遅れる)のと、ハムログではいちいちCLEARボタンをクリックしないと情報が
更新されませんので、あまり使い勝手は良くないように思います。
TS-950SDXのシリアル通信は負論理なので、当初はFT232RLの出力を論理反転することが
必要と思い試してみましたが、結果的にこれは必要ありませんでした。ソフト側で対応しているようです。
↑ 修正記事を11/2に追加しました。
なお、論理反転などの設定は、FT232RLに内蔵EEPROMの書き換えで簡単に設定できるので、
大変便利です。
基板は、今後プラスチックのケースに収納しようと思っています。
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