アッテネータの検討
手持ちのTS-2000で1Wまで電力を絞りたかったので、5W→1Wのπ型抵抗
アッテネータを作ろうと思いました。
アッテネータの抵抗値は、インターネットで簡単に調べることができますが、
今回あえて自分で計算してみることにしました。
オームの法則、キルヒホッフの法則を駆使し、中学数学程度の数式をゴリゴリと
計算して、何とか算出することができました。
老化防止の、頭の体操ですね。
「Attenuator_res_calc.pdf」
5W→1W (-7dB)のアッテネータだと、
入力側の抵抗 130.9Ω
中間の抵抗 44.7Ω
出力側の抵抗 130.9Ω
となります。
負荷が短絡、オープンの場合、インピーダンスがどうなるかも一般式で計算
してみました。意外にシンプルな数式になります。
「Attenuator_impedance.pdf」
この結果から、5W→1WのアッテネータではVSWRは、1:1.5以下になる
ことがわかります。
最後に、適正負荷有り、短絡、オープンそれぞれの場合で、抵抗における
消費電力を計算しました。
「Attenuator_pwr_consump.pdf」
ワーストケースで考えると、5W→1Wのアッテネータでは、入力側の抵抗と
中間の抵抗はそれぞれ2.75W、3.58Wの電力を消費することになります。
耐電力の1/2程度で使用することを考えると、6W位の耐電力が欲しいところです。
実際製作するとなると、中途半端な抵抗値は、例えばE12系列の抵抗の組み合わせ
で実現することになります。一例として、
44.7Ωは、22Ω/3Wを2本直列
130.9Ωは、180Ω/3Wと470Ω/3Wの並列
今週は部品を集めただけで、組み立てはまだ行っていません。
Excelで抵抗値や消費電力などを計算させるファイルも作ってみました。
アッテネータ設計の目安が一目でわかります。
「Attenuator.xlsx」
なお、考え方や計算結果などに間違いがあるかもしれません。
あしからずご了承ください。
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解説の各抵抗の電力消費の公式にある「X」とは何を代入すると良いのでしょうか。
投稿: hisa | 2015年4月22日 (水) 17時53分
解説の各抵抗の電力消費の公式にある「X」とは何を代入すると良いのでしょうか。
投稿: hisa | 2015年4月22日 (水) 17時56分
hisaさん、こんにちは。
xはアッテネータの減衰率(x=出力電力/入力電力)です。
アッテネータの抵抗値計算の資料 Attenuator_res_calc.pdf で定義していたのですが、不親切でしたね。
なお、これらの計算はド素人が趣味で計算してみただけですので、どこかに間違いがあるかもわかりません。予めご了承ください。
投稿: ji3csh | 2015年4月22日 (水) 23時22分
Ji3Csh局
早速返信を頂き有難う御座います。
アッテネーター解説の全体を拝見せず、抵抗の消費電力のみ注視しておりました。
アッテネーターの減衰率(X)=出力電力/入力電力の定義より自分なりに計算してみる事にしました。
減衰量:3dB、入力電力:1W、減衰率:0.501とし電力の分布P1/P3/P2(各固定抵抗:R1/R3/R2)
を計算するとP1=0.171W、P2=0.0857W、P3=0.242Wと計算上ほぼ一致しました。
この度を機にアッテネーターの製作時は使用抵抗のW数を計算し安全率を考慮したものにしたいと思います。
お世話になりました。
投稿: hisa | 2015年4月23日 (木) 21時24分
hisaさん、こんにちは。
設計のご参考になれば、光栄です。
なお、アッテネータの出力インピーダンスはどんな状態で使われるかわからないので、
ワーストケースとして出力短絡と出力開放の場合の消費電力を考慮された方が良いのではないかと思います。
Excelで計算できるようにしてありますので、こちらもご参考になればと思います。
投稿: ji3csh | 2015年4月23日 (木) 23時22分