シュペルトップバランの原理が理解できず
シュペルトップバランを作るに当たって、その長さをどう考えるべきか悩んでいたところ、
こげらさんと仰るOMからコメントいただき、「長さ」については結論がでて理解できました。
ただ動作原理そのものが、頭の弱い私には理解できず、どうも誤解しているようなので
その点を図にしてみました。(私の理解は定性的なものですが...)
図では、同軸の芯線を「内部導体」、外部被服の内側にある編組線を「外部導体」、
同軸の外部被覆に被せる編組線を「シュペルトップ」と表現しました。
まず、平衡型の負荷(ダイポールなど)に、直接不平衡型の伝送線路を接続した場合、
(この図は、トロイダルコア活用百科に掲載されているもののパクリです)
直接不平衡で給電すると、負荷にかかる電圧はアンバランスになり、中央の等価的な
接地点からも電流(icom)が流れ出します。この電流は接地(大地)を経由するループで、
同軸を通ってアンテナに戻ってきます。この電流が電波障害などの悪さをするので、
極力減らす必要があります。
説明を端折っていますが、ここまでは特に誤解はしていないと思っています。
同軸には差動電流(idef)と、同相電流(icom)の両方が流れることになり、表皮効果で
差動電流は外部導体の内側を、同相電流は外側を流れることになります。
これは、こげらさんからコメントいただいた内容です。
次に、給電点にシュペルトップバランを接続した場合、
シュペルトップバランの開放端では、外部導体とシュペルトップ間のインピーダンスは
無限大になります(抵抗で表現していますが、LC並列回路の方が合致していると思います)。
ただしシュペルトップの開放端側はどこにも接続されていませんし、アンテナに接続
されているのは外部導体の方なので、やはり同相電流は外部導体側を流れていくのだと
考えています。このあたりにどうやら誤解がありそうなのですが、私にはわかりません。
私の理解でいくと、無限大のインピーダンスは同相電流の経路(ループ)の中には
入っていないので、なぜ同相電流の低減効果があるのかが説明できないのです。
いろいろ考えていて思ったのですが、仮にシュペルトップの開放端側が接地と等価に
なるというのであれば(説明つきませんが)、外部導体は接地から無限大インピーダンス
すなわち接地と結合していない状態で、内部導体と外部導体は平衡となるというのは
飛躍しすぎた考え方でしょうかね(大きな間違いのような気がしますが)。
説明が下手くそなんですが、私の今の理解は以上のようなものです。
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おはようございます
図面が入ってわかりやすくなりましたね。バランがない状態では理解されているようです。
問題はバランが入った場合ですね。
表皮効果は高周波電流の特性として理解されているようですが、後半では直流的な考え方になっていませんか。
シュペルトップは2つの電線で構成された高周波伝送路です。一対と考えてください。
開放端に目に見えないLCトラップがあると考えてもいいですね。
さらに理解を深めるために、本体同軸の網線の裏側(内側)から先端で折り返して表側(外側)へと続く長い線路と考えて見てください。
その途中に、1/4ラムダ(シュペルトップの被せた網線)があるとすると。そこから先へは無限大のインピーダンスなので進めないことになります。
直流的に考えますとシュペルトップを無視して同軸の外被の外側をドンドン流れてゆくように見えますね。
高周波の1/4ラムダ伝送路の特性とはそういうものだと理解してください。LCの並列同調回路みたいなものです。
直流的にはコイルを素通りして電流が流れそうですが実際は高周波による無限大インピーダンスのため流れませんよね。
投稿: こげら | 2012年9月22日 (土) 11時05分
こげらさん、こんばんは。今日は一日外出しており、お返事が遅くなってしまいました。
詳しい解説をしていただき、ありがとうございました。
勘違い(誤解)しているところが、何となく判ってきたような気がします。
シュペルトップは、図でいうシュペルトップと外部導体の一対で構成された伝送線路
ですね。それで、負荷(アンテナ)が接続されている開放端から短絡端へ向かって見た
インピーダンスは無限大。言い換えると、負荷(アンテナ)へ同相電流がシュペルトップ
バランという伝送線路を通して送られてくるが、その駆動インピーダンスが無限大である。
よって同相電流は流れない、と考えればよいのでしょうかね。
この考えなら、理解はできます。
もうひとつは、直流的な考えを短絡端の部分で入れてしまっていたこと。
先日のコメントにて、同軸の編組線を流れている高周波電流は、表皮効果により編組線
の表、または裏を流れているが、途中で表から裏、またはその逆のように変わらない。
戻ってきた同相電流は外部導体の表側を流れているが、短絡端の部分でシュペルトップ
の表側を流れていくことになる。ただし開放端のインピーダンスが無限大なので、電流は
流れないことになる。こういう理解ということでしょうか。
定性的ではありますが、ようやくシュペルトップバランの動作原理について解ってきた
ように思えます。こげらさんからすれば、まだ「解ったつもり」にしか見えないかも
しれませんね。
いずれにせよ大変勉強になりました。感謝いたします、ありがとうございました。
投稿: ji3csh | 2012年9月23日 (日) 01時02分
おはようございます
全くそのとおりです。正しく理解されていると思います。
何かハムの解説書はお持ちだろうと思いますがいかがですか。
なかなか親切なのがないですけれど。
わからないままに製作するよりわかって製作するほうがずっと立派だと思います。勘所がわかりますから。
投稿: こげら | 2012年9月23日 (日) 09時02分
こげらさん、おはようございます。
コメントありがとうございます。これでようやく理解が整理されました。
詳しく教えていただきまして、ありがとうございました。
仰るとおり、闇雲にカット&トライで試してみるよりも、定性的にでも良いから
原理を解って製作や実験をする方が成功の近道のケースが多いと思いますし、
これからもそう心がけるようスキルアップしていきたいと思っています。
繰り返しになりますが、本当にありがとうございました。
投稿: ji3csh | 2012年9月23日 (日) 11時10分