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2012年9月の4件の記事

2012年9月23日 (日)

シュペルトップバランの原理をようやく理解

2020/3/23 に若干内容を追記しました (青文字部分)。
2021/5/16 に参考記事を追加しました。Nano VNA でシュペルトップバランの短縮率を測ってみました


 

ずっとコメントいただいていた、こげらさんにご指導いただいた結果、
掲題のとおりシュペルトップバランについて理解しました。
こげらさんには、お礼を申し上げたいと思います。


おさらいの意味を兼ねて、図を書き直してみると、
Fig3_20120923

同相電流は表皮効果のため、"シュペルトップの外側を通って"負荷(アンテナ)
まで戻ってこようとするが、開放端のインピーダンスが無限大のため、
同相電流が流れない。
図では、インピーダンスを抵抗で表してるが、LC並列回路の方が実際的

同相電流を如何に表皮効果を持ってシュペルトップの外側に迂回させるかが重要なので、
同軸に被せる編組線と同軸の外部導体の接続部分 (上図の短絡端の部分) を
しっかりさせておくことが肝心です。
そのため色んな記事でも、その部分は銅線できつく縛ったり、しっかりハンダ付けを
するように推奨しています。


私は次のような考え方の方がイメージしやすかったです。

負荷(アンテナ)側からシュペルトップバランを見たときのインピー
ダンスは無限大、そして同相電流の発生源はその先にある。
つまり同相電流の発生源は、出力インピーダンス無限大で負荷に
給電することになる。出力インピーダンス無限大だから電流は流れない。
Fig4_20120923


図において、同相電流発生源を構成している信号源の位置は、実際は
ここではなくアンテナの共振回路にあたる部分だと思います。


それと、シュペルトップバランの短縮率については、以下のようになります。

外部導体とシュペルトップで伝送線路を形成することになるが、その
短縮率は外部導体とシュペルトップの間にある物質の誘電率に依存する。
たとえば、5D2Vの外部被覆の上にシュペルトップを被せたとすれば、
外部被覆である塩化ビニルの誘電率に依存し、その値を4程度とすれば、
短縮率は0.5程度になる。

「短縮率が 0.5」 という言葉だけが一人歩きしてしまってはいけません。
あくまでも、塩化ビニルの誘電率が 4 と仮定したときの条件下です。
シュペルトップを作っても、実測して調整することが推奨されるべきと考えます。

<2020/3/23 追記>
同軸給電線の絶縁体の比誘電率を $\varepsilon_r$ とすると、
波長短縮率 $\delta$ は、$$\delta = \frac{1}{\sqrt{\varepsilon_r}}$$と表すことができます。

ここで、シュペルトップ部分の絶縁体は同軸ケーブルのシース (外部被覆) であり、
その材質 (塩化ビニル) の比誘電率 $\varepsilon_r$ を 4 とすれば、
$$\delta = \frac{1}{\sqrt{4}} = 0.5$$となり、教えていただいたことが理論的に理解できます。

 

シュペルトップバランの調整は、かなりシビアだということも教えて
いただきました。LC並列共振回路のインピーダンスで同相電流を阻止
するものなので、同調周波数付近における周波数とインピーダンスの
関係を考えれば、想像つきますね。

<2020/3/23 追記>
無損失線路のインピーダンスは、$$Z_{In}=Z_{O}\frac{Z_{Load}+jZ_{O}\tan{\beta l}}{Z_{O}+jZ_{Load}\tan{\beta l}}$$ただし、$$\beta =\frac{2\pi}{\lambda}$$と表すことができます。

ここで、シュペルトップを無損失線路と見なすと、終端は短絡、線路長は1/4波長なので、$$Z_{Load} =0$$$$l = \frac{\lambda}{4}$$よって、
$${\beta}l = \frac{2\pi}{\lambda}\times{\frac{\lambda}{4}} = \frac{\pi}{2}$$$$Z_{In} = Z_{O}\frac{0+jZ_{O}\tan{\beta l}}{Z_{O}+j0} = jZ_{O}\tan{\beta l} = jZ_{O}\tan{\frac{\pi}{2}} = \infty$$ということで、シュペルトップのインピーダンスが無限大であることがわかります。

周波数や長さの関係が変わると、${\beta}l$ が ${\pi}/2$ からズレていきますので、
$\tan{\beta l}$ の絶対値が $\infty$ からどんどん小さくなるため、同相電流の抑圧効果が減少し、
バランとしての性能が低下することがわかります。

シュペルトップバランの重要な点は、
・同軸に被せる編組線と同軸の外部導体とを接続する部分
・同軸に被せる編組線の長さ (シュペルトップの長さ)
だと思います。

また別のバランとして、分岐導体バランをご紹介いただきました。
少し興味を持ちましたので、今回作ろうとしているバランの候補の
一つにしたいと思いました。

2012年9月21日 (金)

シュペルトップバランの原理が理解できず

シュペルトップバランを作るに当たって、その長さをどう考えるべきか悩んでいたところ、
こげらさんと仰るOMからコメントいただき、「長さ」については結論がでて理解できました。

ただ動作原理そのものが、頭の弱い私には理解できず、どうも誤解しているようなので
その点を図にしてみました。(私の理解は定性的なものですが...)
図では、同軸の芯線を「内部導体」、外部被服の内側にある編組線を「外部導体」、
同軸の外部被覆に被せる編組線を「シュペルトップ」と表現しました。

まず、平衡型の負荷(ダイポールなど)に、直接不平衡型の伝送線路を接続した場合、
(この図は、トロイダルコア活用百科に掲載されているもののパクリです)

Fig1_20120921

直接不平衡で給電すると、負荷にかかる電圧はアンバランスになり、中央の等価的な
接地点からも電流(icom)が流れ出します。この電流は接地(大地)を経由するループで、
同軸を通ってアンテナに戻ってきます。この電流が電波障害などの悪さをするので、
極力減らす必要があります。
説明を端折っていますが、ここまでは特に誤解はしていないと思っています。

同軸には差動電流(idef)と、同相電流(icom)の両方が流れることになり、表皮効果で
差動電流は外部導体の内側を、同相電流は外側を流れることになります。
これは、こげらさんからコメントいただいた内容です。

次に、給電点にシュペルトップバランを接続した場合、

Fig2_20120921

シュペルトップバランの開放端では、外部導体とシュペルトップ間のインピーダンスは
無限大になります(抵抗で表現していますが、LC並列回路の方が合致していると思います)。
ただしシュペルトップの開放端側はどこにも接続されていませんし、アンテナに接続
されているのは外部導体の方なので、やはり同相電流は外部導体側を流れていくのだと
考えています。このあたりにどうやら誤解がありそうなのですが、私にはわかりません。
私の理解でいくと、無限大のインピーダンスは同相電流の経路(ループ)の中には
入っていないので、なぜ同相電流の低減効果があるのかが説明できないのです。

いろいろ考えていて思ったのですが、仮にシュペルトップの開放端側が接地と等価に
なるというのであれば(説明つきませんが)、外部導体は接地から無限大インピーダンス
すなわち接地と結合していない状態で、内部導体と外部導体は平衡となるというのは
飛躍しすぎた考え方でしょうかね(大きな間違いのような気がしますが)。

説明が下手くそなんですが、私の今の理解は以上のようなものです。

2012年9月17日 (月)

XPOコンテスト 2012

最近 何かとやる気が起こらず、この三連休も土日は何もせず過ごしてしまいました。
以前からXPOコンテストには出ようと思っていましたが、当日朝までモチベーションが
上がりませんでした。いつもなら前日の晩から準備するのですが、今回は何も準備せず、
当日も起きたのが8:00、そこからゴソゴソと準備を始めました。

アンテナを準備するのも面倒くさかったので、今回は144MHzのみで出ることにしました。

201209170001_3

リグ、アンテナの準備完了し、遅まきながら9:00からスタートしました。
マルチバンドのコンテストで、V/UHF帯、特にCWなんて閑古鳥が鳴いているのは容易に
想像がつきますが、いざワッチしてみると予想を裏切ることなくポツポツとしか聞こえて
きません。

とりあえず一通り呼びに回った後、CQを出しましたが、中々コールしてもらえません。
最初はパドル手打ちでCQを出していましたが、打ち間違いが多いので途中からメッセージ
メモリキーに切り替えました。こうなると暇を持て余し、CQ出している間にWebを見たり、
別のことをしたりと、コンテストに集中しなくなっていきます。
偶に呼ばれることがあると、焦ってミスオペレートしてしまいます。

途中昼過ぎに外出して中断したり、のんびり休み休みQRVしましたが、あっという間に
終了時刻の18:00になってしまいました。

台風の影響があったのか、西の方の局が全く聞こえてきませんでした。
(かと言って、東の方ができたわけではないですが)
結局44QSOは全て3エリアの局でした。
当然入賞なんて狙えない点数ですが、一応電子ログは提出する予定です。
QSOいただきました各局、ありがとうございました。

それにしても、CWばかりやっている割には打ち間違いをするわ、ミスコピーをするわで、
何年経っても上達しません。

2012年9月 9日 (日)

自宅の有線ルーター交換

ここ数週間ほど、休日出勤があったり、忙しかったりで、何もできませんでした。
ということで、取り立てて書くこともなかったのですが、とりあえず。

昨日は家の有線LANのルーターを交換しました。前のルーターは5年以上使って
きましたが、常時動作させていたため老朽化してきたのか、時々インターネットの
Webサイトにつながりにくいことがありました。

ルーター交換後は、若干つながりにくい状況が改善されたように思います。
当面はこれでやっていけそうです。

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