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カテゴリー「無線(アンテナ)」の74件の記事

2022年8月28日 (日)

430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バラン (2個目) を 7エレ スクエアループアンテナに組み込み

先月作製した 430 MHz 帯用 50 Ω:50 Ω 強制バランの (2個目) を、
7エレ スクエアループアンテナに組み込みました。

20220828_0001

20220828_0002

 


強制バランを組み込んだ7エレ スクエアループアンテナの特性を、
NanoVNA で確認しました。

7エレ ヘンテナのときと同様に、給電エレメントの (引き出し部分の) 長さが変わるため、
そのままでは VSWR の最低周波数が 448 MHz 付近にずれてしまいました。
なので、放射エレメントは再度作り直しです。
放射エレメントの長さを長くする必要がありますが、その長さ$\Delta l$は、

$$\Delta l = \left(\frac{300}{432}-\frac{300}{448}\right)\times 0.97 = 0.0241 [m] = 2.41 [cm]$$

となります。

放射エレメントを作り直したところで、再度 NanoVNA で測定。
結果は下図のようになりました。

■スミスチャート

20220828_0003

 

■抵抗成分とリアクタンス成分 
20220828_0004

 

■インピーダンス 
20220828_0006

 

■VSWR 
20220828_0005

 

強制バランを入れる前と若干特性が変わってしまいましたが、
よく使う 430 MHz から 433 MHz 付近では VSWR が 1.2 程度なので、
これで良しとしました。

 


昨晩、久しぶりに 7エレ スクエアループで運用しました。
特に問題は無く、FT8 では 1エリアの方とも QSO ができました。

430 MHz 帯は 7エレ ヘンテナがありますので、固定局からの普段使いはヘンテナになると思います。
7エレ スクエアループアンテナは、移動用にでも使いたいなと考えています。
(ただし、移動運用する気合いがあればの話ですが...)

 

<参考記事>
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その1)
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その2)
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その3)
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その4)
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランを 7エレ 1λヘンテナに組み込み
430 MHz 帯用 50 Ω:50 Ω 強制バランの製作 (2個目)

2022年7月17日 (日)

430 MHz 帯用 50 Ω:50 Ω 強制バランの製作 (2個目)


先日 430 MHz 帯用 50 Ω:50 Ω 強制バランを作りましたが、
再現性の検証を兼ねて、7 エレ スクエアループアンテナ用に 2 個目を作ることにしました。

<参考記事>
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その1)
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その2)
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その3)
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その4)
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランを 7エレ 1λヘンテナに組み込み

 


以下は、設計の備忘録として記しておきます。

■ バランの構成

U バラン+マイクロストリップライン
・U バラン:不平衡 ⇔ 平衡 変換、50 Ω ⇔ 200 Ω 変換)
・マイクロストリップライン:平衡型 1/4 λ、200 Ω ⇔ 50 Ω 変換)

 

■ U バラン

3D-2V を使用。
長さは 1/4 λ × 波長短縮率 (0.67) だが、要調整。

 

■ マイクロストリップライン

1.6 mm 厚 片面銅箔のガラスエポキシ基板を使用。
パターンは、カッターで切って不要部分を剥がした。
寸法図は以下のとおりだが、長さは調整が必要。

20220716_0001 

 

■ コネクタ

トーコネ製 パネル取付タイプのN型レセプタクル N-R を使用

 

■ コネクタ取り付け金具

1 mm 厚の銅板で作製
寸法図は以下のとおり。

20220716_0002 


完成したバランです。
測定用に、50 Ω の負荷抵抗を付けています。

20220716_0003

 

U バラン 3D-2V の長さは調整の結果、前回と同じく 222 mm で OK でした。
前回と同じ同軸ケーブルを使用したこともあり、再現性は良かったです。

一方で、マイクロストリップラインの長さは、前回 64 mm だったのに対し、
今回は 70 mm となりました。
(上記の寸法図は、今回の調整結果の値を反映しています)

再現性が良くなかった要因は幾つかありますが、
おそらくマイクロストリップラインの幅 (5.5 mm) の仕上がりが、
バラついていたのではないかと考えています。

 

調整後のNano VNA での測定結果です。
まずまずの結果となりました。

■ スミスチャート

20220716_0004

■ インピーダンス

20220716_0005

■ VSWR

20220716_0006 

後日、クランプを作って、7 エレ スクエアループアンテナに組み込みたいと思います。

2022年5月 3日 (火)

430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランを 7エレ 1λヘンテナに組み込み

先日より検討していた 430 MHz 帯用 50 Ω:50 Ω 強制バランを、
7エレ 1λヘンテナに組み込んでみました。



まずは、バランを支持するためのクランプを製作。
厚さ 1 mm のポリエチレン製まな板から切り出して作りました。

エレメント取り付け用の穴は、U バランの接続点から 6.9 cm のところに開けました。
(先日検討した Q マッチングの長さ 6.4 cm + エレメント幅 1 cm の 1/2)

マイクロストリップラインは、防錆のためハンダメッキを施しました。
ハンダを分厚く盛ると特性インピーダンスに多少影響でますので、
ハンダ吸い取り線を使ってハンダを薄く伸ばし、軽くサンドペーパーで磨きました。

裏面のベタパターンは、U バランの接続点から 6.4 cm のところでカットしました。
したがって、アンテナのエレメントをネジ止めしても、ベタパターンと接触することはありません。
また、ソルダーレジストを追加塗布して全面を覆いました。

 


7エレ 1λヘンテナに 430 MHz 帯用 50 Ω:50 Ω 強制バランを取り付けた様子です。

20220503_0001

裏面はこんな感じです。
U バラン部分とブームが干渉しますので、ブームを U バランの間に通しています。
バランのクランプはまだボルトでブームに固定していませんが、
後日固定するように追加加工する予定です。

20220503_0002

バラン組み込み後の、7エレ 1λヘンテナの全体図です。

20220503_0003

 

430 MHz 帯用 50 Ω:50 Ω 強制バランを組み込み後に、
NanoVNA で 7エレ 1λヘンテナの特性を確認しました。

給電エレメントの (引き出し部分の) 長さが変わったせいか、
そのままでは同調点もインピーダンス (特にリアクタンス成分) がズレており、
調整が必要になりました。

そこでラジエータの左右エレメントの位置をずらして、
何とか良い感じのところまで追い込みました。

最終的な結果は以下のとおりです。
VSWR の最小点は、バランを取り付ける前より悪化してしまいましたが、
430 〜 440 MHz の範囲で 1.5 : 1 以内には収まっているようなので、
まあ良しとすることにしました。
20220503_0004



バランを入れたからと言って、特段飛びが良くなるということはないと思います。

ただ、気のせいかも知れませんが、若干ノイズが減ったような気がします。
同相ループで入り込んでくるノイズ信号が抑えられるようになったと、勝手に納得しています。
まだあまり使い込んだ訳ではないので、後々いろいろと分かってくると思います。

昨日、何局か QSO させていただきましたが、
50 W で送信しても、特に不具合などは見られませんでした。

 


トロイダルコアを使った広帯域バランと違い、調整も必要で、製作するのは結構面倒くさいです。
強制的に不平衡 ⇔ 平衡の変換をさせて精神衛生上安心を得るという、
単なる自己満足に過ぎなかったのかも知れません。

これで、430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの製作は終了です。

<関連記事>
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その1)
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その2)
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その3)
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その4)
430MHz帯 7エレ 1λヘンテナの製作

2022年4月24日 (日)

430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その4)

この週末は、430MHz帯用バランの組み立て、および調整をやってみました。

 


まずは、Uバランの調整から。

Uバランに使った同軸ケーブルは、フジクラ製の 3D-2V です。
同軸ケーブルでの損失を考えると、もっと太い同軸ケーブルを使うべきなのでしょうが、
取り回しが悪くなることと、長さがさほど長くないので、3D-2V で良しとしました。

同軸ケーブルの長さは 1/2 波長なので、433 MHz で合わせるとすると、
長さ $l$ は、$$l=\frac{300}{433 [MHz]}\times\frac{1}{2}\times0.67=0.232 [m]  (ただし、波長短縮率は 0.67 とする)$$となりますので、30cm程度の 3D-2V を用意しました。

3D-2V の片端を NanoVNA に接続し、もう一方の片端はオープンのままで、インピーダンスを測定します。
1/2 波長の伝送線路だと、入力端と出力端は同一のインピーダンスに見えます。
したがって、NanoVNA の測定値が ∞ [Ω] になる長さが、1/2 波長ということになります。

3D-2Vを切り詰めていき、22.2 cm のときに 433 MHz 付近で出力端が高インピーダンスになりました。
ただし、22.2 cm 長 3D-2V の両端は、マイクロストリップラインに接続するため、1.5 cm 程度同軸ケーブルを剥いています。
(なので、合計長さは 25.2 cm になります)
 ⇒片端をショートで調整した方が良かったと、後から思いました。
  (理論上はどちらでも同じなのでしょうが、オープンは色々と影響を受けやすいので)

20220424_0001 20220424_0002

一応これで、Uバランの材料は揃いました。
ちなみに、上記の結果から 3D-2V の波長短縮率を計算すると、0.654 になりました。

 


次に、先日作製したマイクロストリップラインにUバランを接続します。
3D-2V のポリエチレン絶縁体を通す穴は、φ3.5 mm で開けています。

20220424_0003

3D-2V の外部導体 (編み線) は、長くならないよう近くの GND ベタパターンにハンダ付けしています。

20220424_0004

 

マイクロストリップラインにUバランを取り付けたところで、
今度はマイクロストリップラインの長さを調整します。

正しい調整方法かどうかは分かりませんが、
マイクロストリップラインの出力端をショートさせ、入力端のインピーダンスを測定します。
マイクロストリップラインの長さは 1/4 波長としたいので、
出力端をショート (インピーダンス 0 [Ω]) させると入力端はオープン (高インピーダンス) に見えるはずです。

少々雑ですが、アルミ箔を使ってマイクロストリップラインをショートさせ、
N 型レセプタクルの付いている入力端のインピーダンスを測りました。

20220424_0005

すると、Uバランの接続点から約 7 cm のところをショートさせると、
入力端が高インピーダンスになりました。

20220424_0007

 

ちなみに、これは NanoVNA に何も繋がなかったときのインピーダンスです。
(付属のケーブル+SMA-JーNP 変換コネクタを接続して、キャリブレーションを行っています)

20220424_0006

 


最後に、マイクロストリップラインの特性インピーダンスの調整です。

出力端に 50 [Ω] の負荷を付けます。
SMA-J コネクタに NanoVNA のキャリブレーション用負荷を取り付け、
リード線を使ってマイクロストリップラインに接続しました。

純抵抗負荷が望ましいのですが、ぴったりサイズが合う物が用意できません。
リード線の寄生リアクタンス分が影響する懸念がありますが、これで我慢しました。

20220424_0008

マイクロストリップラインの幅が 6mm 有り、設計値 5.5 mm に対して若干太めでした。
このため、特性インピーダンスが少し低めになっていたようで、
入力端のインピーダンスは 42 [Ω] 程度を示していました。

なので、マイクロストリップラインを 0.5 mm 程度カットしました。
間隔は変えたくなかったので、外側をカットすることにしました。

その後、若干 50 [Ω] 負荷の位置を調整し、6.4 cm の長さで下図のようにまあまあのところまで来ました。

20220424_0009

後は、アンテナに取り付けて、アンテナの調整をしたいと思います。

 


今回実験してみた感想ですが、
マイクロストリップラインの特性インピーダンスは計算値に近い値が出ているのが意外でした。
ただし、波長短縮率は計算値よりかなり低く、0.36〜0.4 程度になっているようでした。

今回の結果は、リピートする際のある程度の目安にはなると思います。
が、作りっぱなしではやはりダメで、一回一回調整は必要になってくるかと思います。

いずれにせよ、NanoVNA が無ければ、ここまではできなかったと思います。
今回作ったバランが、ゴミにならなくて済みそうなので、ホッとしています。

 

<関連記事>
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その1)
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その2)
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その3)
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランを 7エレ 1λヘンテナに組み込み

2022年4月17日 (日)

430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その3)

なかなか捗らないですが、少しだけ進みました。

 

ようやく、マイクロストリップラインに N 型コネクタ (レセプタクル) を
固定する治具を作りました。
1 mm 厚の銅板を、写真の様な形に加工したものになります。

220417_0001

 

また、前回作ったマイクロストリップラインですが、
N 型レセプタクルの出っ張る部分が当たってしまうので、
写真のようにヤスリで削って加工しました。

220417_0002

二つの穴は、U バランで使う同軸ケーブルの芯線を通すためのものです。

 

ここまでできたところで、
マイクロストリップラインと N 型レセプタクルを接続しました。

表面です。
N 型レセプタクルの中心導体とマイクロストリップラインをハンダ付けしました。
銅板で作った固定治具は、N 型レセプタクルの裏側に装着し、ネジ止めしています。

220417_0003

こちらが裏面です。

固定治具は、ちょうどベタ GND とピッタリ接触するよう、L 型に折っています。
固定治具とベタ GND をハンダ付けして固定しました。
ついでに、固定治具と N 型レセプタクルとの間もハンダを盛りました。

裏面 (全面ベタGND) は、防錆のためソルダーレジストを塗布しました。
しかし、まだ調整が済んでいないので、一部分しか塗布していません。

220417_0004

これから調整作業に入っていきます。

 

<関連記事>
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その1)
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その2)
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その4)
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランを 7エレ 1λヘンテナに組み込み

2022年4月 3日 (日)

430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その2)

前回の記事で、Qマッチングには特性インピーダンスが 100 Ω の平衡型伝送線路を用いると書きました。
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その1)

実現方法は幾つかあると思います。
例えば、Ethernet の LAN ケーブルなんかも、特性インピーダンスは 100 Ω 前後のようです。
https://www.systemgear.jp/kantsu/utpc5e.php
しかし今回は、プリント基板を使ったマイクロストリップラインで実現しようと考えています。

平行なマイクロストリップラインの特性インピーダンスは、ネットの情報を参考にします。
http://nahitafu.cocolog-nifty.com/nahitafu/2008/11/post-57a1.html
https://www.ritael.co.jp/archive/20060401a04/
https://www.wti.jp/contents/hint-plus/hint-plus074.htm
https://toragi.cqpub.co.jp/Portals/0/trcalc/trcalc.html?49

これらの情報から、伝送線路の幅を$W$、伝送線路間の距離を$S$、銅箔の厚みを$t$、基板の厚みを$H$、
基板の基材の比誘電率を$\varepsilon_{r}$とすると、
単線の特性インピーダンス$Z_{O}$は、$$Z_{O}=\frac{60}{\sqrt{0.475\varepsilon_{r}+0.67}}\times\log_{e}{\left\{\frac{4H}{0.67\times(0.8W+t)}\right\}}$$差動の特性インピーダンス$Z_{diff}$は、$$Z_{diff}=2Z_{O}\times\left(1-0.48e^{-0.96\times\frac{S}{H}} \right)$$波長短縮率$1/\sqrt{\varepsilon_{eff}}$は、$$\frac{1}{\sqrt{\varepsilon_{eff}}}=\frac{1}{\sqrt{\dfrac{\varepsilon_{r}+1}{2}+\dfrac{\varepsilon_{r}-1}{2\sqrt{1+10\times\dfrac{H}{W}}}}}$$

これらの式から、$Z_{diff}=100\Omega$ となるような組合せを見つけていきます。

伝送線路の幅 $W$ (基板の配線幅) はある程度太くしたいので、試行錯誤した結果、
$W=5.5mm$、$S=10mm$、$t=35\mu m$、$H=3.2mm$、$\varepsilon_{r}=4.7$で、
$$Z_{O}=51.4\Omega$$ $$Z_{diff}=100.4\Omega$$ $$\frac{1}{\sqrt{\varepsilon_{eff}}}=0.530$$($\varepsilon_{r}$は、ガラスエポキシ基板でよく言われている値 4.7を用いた)
を得ました。
実際の検討は、Excelに計算式を入力して、カットアンドトライしました。

 

市販のプリント基板は1.6mm厚のものが多く、3.2mm厚のプリント基板は手に入れにくいです。
そこで、2枚の片面基板を貼り合わせることにしました。
接着剤が比誘電率に大きく影響しないよう、基板の基材の成分に近そうなエポキシ系ボンドを用いることとしました。

それで作ってみたのが、このような物です。
写真には写っていませんが、裏面は銅箔ベタパターンになっています。
20220403_0001
パターンの形成は、エッチングではなく、カッターで銅箔をカットして不要な部分を剥がしました。
接着剤 (エポキシ系ボンド) は薄く均等に塗布したつもりですが、
結構気泡が残ってしまいました。

左側の部分にN型レセプタクルを付けることを考えていますので、
少し引き出し線があります (斜めに配線している部分)。
単線の特性インピーダンスも計算上 50 Ω に近いので、
この部分の影響は少ないものと考えています。

マイクロストリップラインの長さは、1/4波長 (波長短縮率込み) より長くしており、
調整の過程でカットして長さを詰めていく予定です。

 


ここまでは少し前に完成していたのですが、この先の作業が中々着手できません。

つづく

<関連記事>
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その1)
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その3)
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その4)
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランを 7エレ 1λヘンテナに組み込み

2022年3月29日 (火)

430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その1)

7エレ スクエアループや7エレ ヘンテナなど、430MHz帯用のアンテナを作りましたが、
給電部はクランプフィルタ (パッチンコア) によるフロートバランで誤魔化してきました。

(同軸ケーブルに編組線を被せて作った) シュペルトップバランは、
以前実験してみたとおり同相電流の阻止インピーダンスが低いと思われるため、
フロートバランとしての効果が期待できるかには疑問が残ります。
やはり、ちゃんとした強制バランを試してみたいところです。

 


HF帯で使われるようなトロイダルコアに線を巻くタイプはおそらく使えないと思われるので、
Uバラン+インピーダンスマッチングで構成することで検討しています。

 

ところで、Uバランを使うと平衡端のインピーダンスは4倍、すなわち 200 Ω になるので、
給電インピーダンスが 50 Ω+0j Ω のアンテナに接続するには、
200 Ω ⇔ 50 Ω のインピーダンスマッチング回路が必要になります。
方法はいろいろ考えられますが、今回はQマッチングを採用することにしました。

ここで 200 Ω ⇔ 50 Ω のQマッチングですが、特性インピーダンスが 100 Ω、
しかも平衡型の 1/4 波長伝送線路が必要です。
必要な特性インピーダンスが 100 Ω というのは、以下のように求められます。

無損失伝送線路の特性インピーダンスは、入力端インピーダンスを$Z_{In}$、終端インピーダンスを$Z_{L}$、
伝送線路のインピーダンスを$Z_{0}$、伝送線路の長さを$l$とすると、$$Z_{In}=Z_{0}\frac{Z_{L}\cos{\beta l}+jZ_{0}\sin{\beta l}}{Z_{0}\cos{\beta l}+jZ_{L}\sin{\beta l}}, \text{ ただし }\beta =\frac{2\pi}{\lambda}$$ここで、$$l = \frac{\lambda}{4}$$なので、$$\beta l=\frac{2\pi}{\lambda}\times\frac{\lambda}{4}=\frac{\pi}{2}$$よって、$$Z_{In}=Z_{0}\frac{Z_{L}\cos{\dfrac{\pi}{2}}+jZ_{0}\sin{\dfrac{\pi}{2}}}{Z_{0}\cos{\dfrac{\pi}{2}}+jZ_{L}\sin{\dfrac{\pi}{2}}}=Z_{0}\frac{jZ_{0}}{jZ_{L}}=\frac{{Z_{0}}^2}{Z_{L}}$$ $$\therefore Z_{0}=\sqrt{Z_{In}Z_{L}}$$
$Z_{In}=50 \Omega$、$Z_{L}=200 \Omega$を代入すると、伝送線路の特性インピーダンスは、$$Z_{0}=\sqrt{50\times 200}=\sqrt{10000}=100\Omega$$となります。

スミスチャートで、正規化インピーダンスを100 Ωとしたときに、50 + 0j Ω の点から半周移動させると 200 + 0j Ω
となることからも、想像つきますね。

 

さて、特性インピーダンスが 100 Ω の平衡型伝送線路ををどのように実現するか...

つづく

<<関連記事>
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その2)
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その3)
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランの検討(その4)
430MHz帯用 50Ω:50Ω 強制バランを 7エレ 1λヘンテナに組み込み

2022年2月 6日 (日)

430MHz帯 7エレ 1λヘンテナの製作

構想から約1年半、ようやく430MHz帯の7エレメント 1波長ヘンテナが完成しましたので紹介します。

20220206_0001

 


430MHz帯のアンテナは、自作の7エレ スクエアループアンテナを使ってきました。
それなりに楽しむことができるのですが、気に食わないところが一点あり、
それがずっと引っかかっていました。

それは、アンテナの指向性パターン (シミュレーションでの計算値ですが...) で、
サイドローブが大きく出ていることです。

実使用上は全く問題ないでしょうし、あくまでもシミュレーション上での話なので、
どうでもよいことだと思われますが、こだわり出すと気になってしまいます。

ツインループアンテナにすればサイドローブが改善することは分かっていたのですが、
アンテナの構造的に作りにくそうな感じがします。
いろいろと考えた結果、1波長のヘンテナが良さそうという結論となり、
作ってみることにしました。
2020年の夏頃のことです。

それから材料集め、材料加工などボツボツとやり始めましたが、
進捗が遅かったことと、アンテナの構造設計を何回も変更してやり直したので、
これだけ時間が掛かってしまいました。

 


(前置きが長くなってしまいましたが...)

◆◆目標◆◆

現在使用している7エレ スクエアループアンテナの利得、F/B比はキープしつつ、
サイドローブを極力減らすことです。

 


◆◆設計◆◆

MMANAを使用して設計しました。
7エレ スクエアループアンテナと同様に、給電点はマッチング回路なしで 50Ω+0j を目標としました。

設計図は下図のとおりです。
なお、-206 mm とか +181 mm とか書いてある数値は、
放射器 (Rad) を基準としたエレメントの位置になります。

20220206_0002

20220206_0003

MMANA でのシミュレーション結果は、こちらになります。
(Real Ground、地上高1m)

20220206_0004

Ga (絶対利得) =15.11dB、F/B=25.02dB

7エレ スクエアループのシミュレーション結果が下図のとおりですから、
シミュレーションでの計算結果上ではありますが、目標はクリアできているつもりです。

20170402_0003

 

 


◆◆材料◆◆

7エレ スクエアループアンテナと同様に、エレメントは、10mm幅×2mm厚のアルミフラットバーを、
エレメントクランプは、15mm厚のポリエチレン製まな板を使用しました。
ブームは今回、VP25 サイズの塩ビ管を使いました。

給電点はN型のレセプタクル (NR) を使用しました。

 


◆◆工作◆◆

ループアンテナと比べて構造が複雑になりますので、エレメントをどのように構成するか
試行錯誤し、何度もやり直しました。
悩んだ末、外周のエレメント1本と中間エレメント3本で構成することにしました。

20220206_0010

 

中間エレメントはこんな感じです。

20220206_0005

ネジ用の穴は、今回 3 mm のタップを切ってみました

 

エレメントクランプは、ポリエチレン製のまな板を加工しました。

20220206_0006

今回は VP25 の塩ビ管 (外径 32 mm) に取り付けますので、32 mm の半円の切り込みを入れました。
半円の加工は、32 mm のホールソーで穴を開け、それを半分に分割するようにして作っていきました。

7エレ スクエアループアンテナと同様に、皿ネジを埋め込むための穴と、
エレメントを固定するためのタッピングビス用の穴も開けました。

エレメントクランプは、真ん中の中間エレメントに取り付けます。

 

長い時間掛かって、ようやくパーツが揃いました (ブーム以外)。

20220206_0007

 

ホームセンターで購入したアルミフラットバーは、腐食防止のため表面に加工が施されています。
そのため、そのままでは電気的に導通しません。
エレメント接続部分は、ヤスリやサンドペーパなどで表面加工を削り取り、
必ずアルミ素材が剥き出しになるようにします。
また、必要に応じて導電性グリスなどを塗布して、接続部分の電気導通性を良くすることに努めます。

 

給電部はこのような形にしました。

20220206_0008

アルミには直接ハンダ付けできませんので、1 mm 厚の真鍮板を介して、N型レセプタクルと接続しています。
真鍮板は、ハンダメッキをしておきました。

給電点にバランは入れていませんので、同軸ケーブルにクランプコア (パッチンコア) を 2 個噛ませて、
簡易フロートバランでお茶を濁しています。

 


◆◆調整◆◆

今までの経験で、ある程度シミュレーション結果と実際作ったモノとが合うことが分かっていますので、
放射器の左右の中間エレメントのみ仮止めをし、後は設計値どおり決め打ちして組み立てました。

VSWR が435.7 MHz ぐらいで1.0 になっており、若干周波数が高めで同調しています。
放射器の左右エレメントをそれぞれ 3 mm ずつ外側にずらしたところ、
433 MHz 程度で VSWR が 1.0 になりました。

その位置でエレメントに穴を開け、固定して完了としました。
NanoVNA で測定した結果は下図のとおりです。

20220206_0009

バンド内で VSWR は 1.3 以下に収まっており良好ですが、同調点が 435 MHz 付近となってしまいました。
CW やデータ通信モードを運用することが多いので、もう少し周波数が低めに調整したかったです。
仮止めと本固定で若干状態が異なっていたのかも知れません。

今回は一旦これで良しとしますが、後々もう少し調整を追い込めればと考えています。

 


◆◆使ってみて◆◆

計算上の利得は 7エレ スクエアループアンテナとあまり変わりませんので、
劇的に飛びが良くなることは期待していません。

430.510 MHz で FT8 の QSO を試してみましたが、
PSKReporter で確認しても、イマイチ飛んでいないような気がします。
比較はしていませんが、スクエアループアンテナの方が良いような気もします。

ただ、アンテナを回せば、ある程度の指向性が有ることは確認できました。
もう少し使い込んでみないと分からないです。

7エレ スクエアループアンテナと比べて、かなり重たくなってしまいました。
移動で使うなら、スクエアループアンテナの方が良さそうです。

2022年1月 4日 (火)

1200 MHz 帯 16 エレ八木 (コメット製 CYA-1216E) の SWR

1200 MHz 帯のアンテナはコメット製の 16 エレ八木 (CYA-1216E) を使っていますが、
1200 MHz 帯に対応した SWR 計やアンテナアナライザなどの計測器を持っていなかったので、
これまでは VSWR を測ったことがありませんでした。

昨年 NanoVNA を入手しましたので、(少々怪しい感じはしますが) 1200 MHz 帯のアンテナも
測定できる環境ができました。
今回 QSO パーティーで 1200 MHz 帯のアンテナ CYA-1216E を準備したついでに、
NanoVNA で VSWR を測ってみました。

 


結果は下図のとおりです。

20220104_0001

メイン周波数の 1295 MHz では VSWR が 1.65 : 1 と少々高めです。
CW や デジタルモードの周波数まで含めると、VSWR は 1.5〜1.8 : 1 です。

CYA-1216E の取扱説明書では、1.5 以下と書かれていますので、
私のアンテナの設置条件 (建物の影響) が悪いのか、経時劣化したのかは分かりませんが、
本来の性能は出し切れていないようです。
VSWR が 1.5 : 1 以下は、周波数が低い方へシフトしてしまっているように見えます。

ただでさえロスが発生しやすい周波数帯なのに、ミスマッチしたアンテナでは期待が持てませんね。
調整法があれば良いのですが 、調べ切れていません。

 

今回分かった事実が、1200 MHz 帯のアンテナ自作のきっかけになるかも?
と前振りしても、実行力が伴わないのが残念なところです。

2021年5月16日 (日)

Nano VNA でシュペルトップバランの波長短縮率を測ってみました

シュペルトップバランについては、もう9年ほど前に記事を書き、
OMからもいろいろと教えていただきました。
 シュペルトップバランを作りたいが...
 シュペルトップバランの原理が理解できず
 シュペルトップバランの原理をようやく理解

そのときに得た結論が、シュペルトップバランの波長短縮率については、
一般的によく言われている 0.67 ではなく 0.5 程度だということです。

ただし、前提条件として、
・シュペルトップバランは、同軸ケーブルのシース (保護被覆) に編組銅線を被せた構造で構成する
・同軸ケーブルのシース (塩化ビニル) の誘電率は 4 と仮定する

しかし、波長短縮率が 0.5 というのは、上記の前提条件、特にシースの誘電率が 4 と仮定した場合
に成り立つことであり、実際がどうなのかを調べることはしてきませんでした。

先日 Nano VNA-H4 を手に入れましたので、この波長短縮率がどうなっているのかを
ド素人の大雑把な測定ですが、見てみました。

 


準備したのは、お手頃な 50 MHz 用のシュペルトップバランです。

20210516_0001
20210516_0002

ちゃんと測定しようとするならば、測定ポイントの部分は何か治具を設けるべきですし、
同軸の両端もリグとアンテナを接続することを模擬して、50 Ω の抵抗で終端すべきだと思います。

今回はざっくり見るだけなので、シュペルトップバランの部分に関しては終端抵抗が無くてもおそらく影響は無いですし、
Nano VNA-H4 に同軸ケーブル経由で接続した変換コネクタに測定ポイントをビニールテープで仮固定する
という横着な仕様で測定しました。

なお、使用した同軸ケーブルは、関西通信電線製の 5D-2V です。
5D-2V のシースに被せる編組銅線はシースに極力密着させ、ビニルテープをキツくに巻きました。
5D-2V のシースに被せる編組銅線と 5D-2V の外部導体との接続部分は、しっかり密着させて、細い銅線でキツく縛りました。
この二点は、波長短縮率を測定する上で重要なことだと思います。

 


まずは、一般的に言われている波長短縮率 0.67、すなわち 50 MHz 用で 1 m のシュペルトップバランから測定しました。

測定するのは、アンテナに接続する側の
5D-2V のシースに被せる編組銅線と 5D-2V の外部導体 間のインピーダンスです。

周波数範囲は、30 MHz 〜 60 MHz としてみました。

20210516_0003

ちょっと見にくいかもしれませんが、インピーダンスが最大となる周波数は 42.917 MHz でした。
この結果から波長短縮率を計算してみます。

42.917 MHz の 1/4 波長は、$$\frac{\lambda}{4} = \frac{300}{42.197}\times{\frac{1}{4}} = 1.748 [m]$$よって波長短縮率 $\delta$ は、$$\delta = \frac{1}{1.748} = 0.572$$となりました。

ちなみに、この波長短縮率からシースの誘電率を逆算すると、$$\varepsilon_r = \frac{1}{0.572^{2}} = 3.06$$

これらの結果は、とある OM が実験された結果と一致し、あながち間違いではないと思われます。
http://www.takatoki.justhpbs.jp/garakuta/syuperu/syupe.html

 


では、波長短縮率を 0.572 として 50.2 MHz 用のシュペルトップバランを作ってみたらどうでしょうか。

シュペルトップバランの長さを計算すると、$$l = \frac{300}{50.2}\times{\frac{1}{4}}\times{0.572} = 0.855 [m]$$
シュペルトップバランを$0.855 [m]$長に切り詰めました。

このときの特性は、

20210516_0004

ちょうど 50 MHz でインピーダンスが最大です。
波長短縮率を逆算すると、 $\delta = 0.57$ となります。
まあ、誤差の範囲でしょう。

マーカーは、50 MHz、52 MHz、54 MHz に設定しています。
インピーダンス最大点 50 MHz でのインピーダンスは 267 Ωです。

トロイダル・コア活用百科によると、同相電流の阻止インピーダンスを目的としたフロートバランは
特性インピーダンスの約 60 倍、すなわち 50 Ω 系だと約 3 kΩ のインピーダンスが必要とされています。
また、コモンモードチョークのインピーダンスも、3 kΩ 以上を目標としています。

このことを考えると、測定がいい加減な点を差し引いても、267 Ω という値は
同相電流の阻止インピーダンスとしてはかなり低いと思います。
当然ながら、周波数依存性も有ります。
これならば、トロイダルコアにバイファイラ巻きしたものや、パッチンコアを複数個噛ました
フロートバランの方が、より高い阻止インピーダンスが得られるのではないかと感じます。

 


以上の結果は、関西通信電線製の 5D-2V を用いた 50 MHz 用のシュペルトップバランという条件下です。
シースの誘電率に周波数依存性があるならば、周波数が変われば波長短縮率は変わります。
また、同じ 5D-2V でもメーカーが異なると違った結果が得られることも考えられます。
さらに、同軸ケーブルの種類、例えば 5D-FB だとシースの材質も異なりますので、当然波長短縮率も変わってきます。

シュペルトップバランの波長短縮率が 0.5 だとか 0.57 だという、
数値だけが一人歩きすることを危惧します。
いずれにしても、
実際に作製した後に実測して調整することが必要かと思います。


シュペルトップバランはお手軽なバランとしてよく紹介されていますが、
キチンと作ってキチンと調整する必要があり、
決してお手軽ではないように感じるようになりました。
お手軽に作ったシュペルトップバランは、気休めにもなっていないように思います。

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