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2022年11月23日 (水)

CMOSキーヤー Ver.2 の製作 (その2)

取りあえず基板は完成した CMOS キーヤーですが、
キーイングスピード調節のボリュームをどれくらいの抵抗値にするのが最適かが不明なので、
ちょっと調べてみました。

ちなみに、CMOS キーヤーの発振回路は下図のようになっており、
J1 の先に 1 MΩのボリュームを接続しています。
RC 発振回路の抵抗値としては、VR + 100 kΩ となります。
20221123_0001

 


モールスのスピードは、リグ (TS-590S) 内蔵キーヤーの
キーイングスピード表示を参照にしました。

リグのキーヤーと CMOS キーヤーを同時に動かし、
同期の取れたとき (サイドトーンで唸りが無くなるとき) の
ボリュームの抵抗値を測っていきました。

結果は、以下のようになりました。

wpm VR抵抗値 発振回路抵抗値
16 943 kΩ 1043 kΩ
18 833 kΩ 933 kΩ
20 746 kΩ 846 kΩ
22 659 kΩ 759 kΩ
24 600 kΩ 700 kΩ
26 538 kΩ 638 kΩ
28 498 kΩ 598 kΩ
30 463 kΩ 563 kΩ
32 416 kΩ 516 kΩ
34 384 kΩ 484 kΩ
36 367 kΩ 467 kΩ
38 339 kΩ 439 kΩ

キーイングスピードと発振回路の抵抗値をグラフにしてみると、

20221123_0002

キーイングスピード (発振回路の発振周波数)は、抵抗の逆数に比例するはずです。
抵抗値を逆数にすると分かりづらいので、横軸のスピードの逆数にしてみると、
ほぼ直線関係が得られました。

20221123_0003

この直線関係を用いて、欲しいキーイングスピード範囲から抵抗値を求めることができそうです。

 


ちなみに、20 wpm の短点の時間は、60 ms と言われているようです。
試しに、キーイング波形を見てみました。

ボリュームの抵抗値が 746 kΩ すなわち発振回路の抵抗値が 846 kΩ のときの、
連続短点のキーイング波形です。
確かに、ほぼ 60 ms になっています。

20221123_0004

ネットを検索していると、この手の発振回路の発振周波数 f は、$$f=\frac{1}{2.2\times R\times C}$$との情報がよく出てきます。
20 wpm (= 60 ms = 16.666 Hz) のときの定数

$R=846 [k\Omega]$
$C=0.047 [\mu F]$

を当てはめてみると、$$f=\frac{1}{2.2\times (846\times 10^{3})\times (0.047\times10^{-6})}=11.431 [Hz]$$と計算が合いません。

係数 2.2 のところを 1.5 にしてやると、$$f=\frac{1}{1.5\times (846\times 10^{3})\times (0.047\times10^{-6})}=16.766 [Hz]$$と現物に近い値になります。
なぜなのでしょうか。以下推測してみます。
(間違っていたら、どなたか突っ込んでください)

 

この手の発振回路は、抵抗 R とコンデンサ C の時定数で決まる充放電を
繰り返すことによって動作しています。

仮に CMOS ロジックの入力閾値を電源電圧 Vcc の 1/2 (Vcc = 5 V の場合は 2.5 V) だとすると、
コンデンサの充放電動作は、
  3/2 Vcc (= Vcc + 1/2 Vcc) → 1/2 Vcc (閾値) の放電 と
  -1/2 Vcc (= 0 V - 1/2 Vcc) → 1/2 Vcc (閾値) の充電 を
繰り返すことになると考えられます。
すなわち放電は初期電圧の 1/3 で閾値に達し充電に切り替わり、
充電は到達電圧の 2/3 (初期電圧基準でみると 1/3 の電圧)
で放電にが切り替わる動作を繰り返しています。 

RC 回路のコンデンサ電圧 $V$ と時間 $t$ との関係は、初期電圧を$V_0$とすると、
放電は$$V=V_0\times e^{-\frac{t}{RC}}$$充電は $$V=V_0\times (1- e^{-\frac{t}{RC}})$$になるかと思います。

ここで、$$V=\frac{1}{3}\times V_0$$を代入すると、$$e^{-\frac{t}{RC}}=\frac{1}{3}$$ $$-\frac{t}{RC}=\log_e{\frac{1}{3}}=-1.099$$ $$t=1.099\times R\times C$$
これは、半周期の時間なので、発振周波数 $f$ は、$$f=\frac{1}{2\times t}=\frac {1}{2\times 1.099\times R\times C}=\frac {1}{2.198\times R\times C}\doteqdot\frac {1}{2.2\times R\times C}$$となり、係数 2.2 はこれに由来しているものと思われます。

しかし、実際にはコンデンサの電圧は、3/2 Vcc 〜 -1/2 Vcc まで振れません。
なぜならば、CMOS ロジック IC の入出力端子には大抵 ESD (静電気破壊) 保護用のダイオードが内蔵されており、
おおよそ Vcc + 0.6 V、GND - 0.6 V でクリップされてしまいます。
電源電圧が 5 V の場合は、だいたい 5.6V 〜 -0.6 V の間で振れることになります。

実際にコンデンサの波形を見てみても、以下のとおりVcc + 0.5 V、-0.5 V でクリップされていることが分かります。
(電池の電圧の関係で Vcc = 約 5.5 V になっている)
閾値も厳密には、ぴったり 1/2 Vcc ではありません。

20221123_0005

であれば、先ほど計算した $t$ はどうなるかというと、$$初期電圧の\frac{2.5}{5.6}$$になるまでの時間になるので、$$-\frac{t}{RC}=\log_e{\frac{2.5}{5.6}}=-0.806$$ $$t=0.806\times R\times C$$ $$f=\frac{1}{2\times t}=\frac {1}{2\times 0.806\times R\times C}=\frac {1}{1.612\times R\times C}$$となり、実験結果の 1.5 に近い値が得られました。
しかし、Vcc が異なる場合 (例えば、Vcc = 9 V など) は、この係数はまた変わってくるはずです。

 

備忘録を残す良い機会になりました。

2022年11月 6日 (日)

リグの周波数精度 と デジタルモード の DF について

430 MHz 帯で FT8 を運用しているときに、低めの DF (500 〜 700 Hz ぐらい) で送信していると、
応答率が悪いのではと感じることがあります。

ひょっとして、自分のリグの周波数がずれているのではと思い、ちょっと調べてみることにしました。

 


調べるにしても、高精度な測定器は持ち合わせていません。
なので、ワッチしている各局にご協力?いただくことにしました。
(PSKReporter に上げていただいている情報を使わせていただきました)

PSKReporter で、私の電波を受信している局のところにカーソルを持って行くと、
画面左下に図のような表示がされます。

20221106_0001

この図の場合は、(おそらく) QRG が 144.460 MHz に設定されているのに対して、
Frequency = 144.462235 MHz なので、私の電波はDF = 2235 Hz で受信されている
ということになります。

この方法で、相手局とどれぐらい DF がズレているのかを確認してみました。
相手局の周波数が正確とも限りませんので、簡易的かつ相対的な確認になります。

 


■ 430 MHz 帯 (430.510 MHz) ■

電波の届く範囲が狭く、PSKReporter に上がる局が少ないので、三回見てみました。
(各回の A 局、B 局、・・・は、それぞれ同一局ではありません)

一回目 (自局 DF:2380 Hz)
 A 局:1971 Hz・・・-409 Hz
 B 局:1842 Hz・・・-538 Hz
 C 局:1830 Hz・・・-550Hz
 D 局:2229 Hz・・・-151 Hz

二回目 (自局 DF:2580 Hz)
 A 局:2051 Hz・・・-529 Hz
 B 局:2055 Hz・・・-525 Hz
 C 局:2243 Hz・・・-337 Hz
 D 局:2008 Hz・・・-572 Hz
 E 局:2491 Hz・・・-89 Hz
 F 局:1910 Hz・・・-670 Hz

三回目 (自局 DF:2450 Hz)
 A 局:1882 Hz・・・-568 Hz
 B 局:2045 Hz・・・-405 Hz
 C 局:1849 Hz・・・-601 Hz
 D 局:1873 Hz・・・-577 Hz
 E 局:2292 Hz・・・-158 Hz
 F 局:2073 Hz・・・-377 Hz

サンプル数が少ないですが、私のリグの周波数表示は 400 〜 600 Hz 程度高めになっていると思われます。
ただ先ほども書きましたが、正確かどうかではなく、あくまでも相手局との相対関係です。

これでは、DF を 500 〜 700 Hz に設定していると、相手局は 0 〜 300 Hz と
極端に低い DF で受信することになり、Water Fall グラフの範囲外になったり、
IF フィルタの通過帯域から外れて信号が減衰したりして (相手局の受信ウィンドウに入っていない)、
QSO には不利になっているものと推測されます。


■ 144 MHz 帯 (144.460 MHz) ■

ためしに、144 MHz 帯でも同じことを試してみました。
こちらの確認は一回だけです。

一回目 (自局 DF:2480 Hz)
 A 局:2374 Hz・・・-106 Hz
 B 局:2304 Hz・・・-176 Hz
 C 局:2501 Hz・・・-21 Hz
 D 局:2352 Hz・・・-128 Hz
 E 局:2235 Hz・・・-245 Hz
 F 局:2234 Hz・・・-246 Hz
 G 局:2239 Hz・・・-241 Hz
 H 局:2238 Hz・・・-242 Hz
 I 局:2235 Hz・・・-245 Hz
 J 局:2233 Hz・・・-247 Hz

2235 Hz ぐらいの局が多数を占めていますので、これらの局が正確な周波数のような気がします。
そうすると、私のリグの周波数表示は 250 Hz ぐらい高めになっていると推測されます。
430 MHz 帯より周波数が低い分、周波数表示のズレは少なくなっているのでしょう。

50 MHz 帯以下は確認できていませんが、
おそらくもっとズレは少ないのではないかと考えています。

 


相手局リグの IF フィルタ帯域設定や、WSJT-X /JTDX のウォーターフォールの
周波数範囲設定にも依りますが、相手局が受信しやすい 1000 〜 2000 Hz あたりを狙って、
上記で確認したズレ分を考慮した DF 設定をすると、応答率は改善されるのではと考えています。

このように、自分が使っているリグの傾向を掴んでおくと良いと思います。

2022年11月 5日 (土)

CMOSキーヤー Ver.2 の製作 (その1)

5 V 単電源のウィーンブリッジ発振回路も試作で上手く動作したので、
以前製作した CMOS キーヤーと組み合わせたものを作りました。

参考:汎用 CMOS ロジック IC を使ったキーヤーの製作
   5V単電源 ウィーンブリッジ発振器の試作
   5V単電源 ウィーンブリッジ発振器の追試

 


■回路■

回路図は以下のとおりです。
(図をクリックすると、多少大きく表示されると思います)

20221105_0001

基本的には、これまで検討、製作してきた回路の流用です。
キーヤーの変更点としては、出力のキーイングにフォト MOS リレーを使用しました。
先に繋がる機器の極性を不問とすることが目的です。

 

サイドトーンモニタ回路は、1/2 Vcc の基準電圧生成を抵抗分圧+ボルテージフォロワにしました。
試作検討段階では、いろいろとゴテゴテした回路にしていましたが、
基準電圧を抵抗分圧+ボルテージフォロワで生成した方が部品点数が少なく済むということと、
歪み特性を含めた回路安定性を考えると、結局は基本的な回路に戻した方がベターという判断となりました。

 

ヘッドホンアンプは、ステレオヘッドホンに繋げるよう、ダンピング抵抗の手前で L / R に分配しました。
オペアンプが 1 回路余ったので、ライン出力 ? も設けました。
(多分運用する機会は少ないと思いますが...) A2A や F2A での副搬送波にも使えると思います。

 

部品は、サイドトーンモニタ回路を中心に、面実装品へ変更しています。
 D1:1N4184W・・・キーヤーのクロック生成回路のダイオード 
 Q2:2N7002 (T2N7002BK)・・・フォト MOS リレー駆動用 FET
 IC8:TLP172A・・・キーイング用フォト MOS リレー
 D2:1SS154・・・ピーク検波用ショットキーバリアダイオード
 IC9:TC7S66・・・サイドトーンモニタスイッチング用

 

■基板■

パターン設計はいつもどおり、KiCADを使いました。
基板サイズは、85 mm × 60 mm に収めました。

20221105_0002


プリント基板は久しぶりに、JLCPCB で作製してもらいました。
基板が 2 ドル、送料が 1 ドル、合計 3 ドル で基板を作ってもらえるので、驚きです。
(PayPal を利用したので、手数料 0.5 ドル 取られましたが、それでも 3.5 ドル = 約 530 円)
基板発注してから、10 日ほどで手元に届きました。

 

組み立てには、半日ほど掛かりました。
キーヤー部の部品は、前回製作した基板から部品を移植して流用しました。

20221105_0003

 


■動作確認■

サイドトーンモニタ部のウィーンブリッジ発振回路は、少々フィードバック抵抗のカット&トライを要しましたが、
まあまあ綺麗な正弦波の発振波形が得られました。

20221105_0004

ウィーンブリッジ発振回路の出力で、2 Vpp 強の振幅が得られています。
フィードバックの抵抗 (R7 と R9) は、3.9 kΩ、390 Ω としました。

 

キーイング後の発振波形です。
カメラのシャッタースピードと、オシロスコープの掃引スピードの関係で、
波形の右側が切れたように見えていますが、ちゃんと連続して動作しています。

20221105_0005

ヘッドホンで聞いてみても、ちゃんとしたキーイング音が得られていました。
ただ、実用範囲ではあると思いますが、キークリック音が少し気になるかなという感じでした。

上図の波形で見ると、発振波形がスパッと ON / OFF しています。
また、発振波形とキーイングの周波数が同期していないので、
ON / OFF のタイミングが正弦波の 0°、180° (0 V となる位相) と合っておらず、
ランダムな位相で ON / OFF するような動作になっています。
これらが、キークリック音の要因であるのではないかと考えられます。

 

リグに繋いで、リグのサイドトーンモニタでも動作を確認することができました。
フォト MOS リレーは応答速度が遅いので、キーイングに影響しないか心配しましたが、
入力側 LED 電流 (IF) を約 8 mA 流した今回の設計では、キーイングスピードを上げても、
特に問題になるようなことはありませんでした。 


今回は基板の組み立てと、仮組みでの動作確認までとなりました。
ケースやスイッチ類を買ってきて、実用的なキーヤーとして完成させたいと思います。

2022年10月17日 (月)

6m AND DOWN コンテスト 2022 の結果

ちょっと前に、メールで 6m AND DOWN コンテストの Log Check Report が届き、
数日後に再度 Log Check Report (改訂版?) が届きました。

6m AND DOWN コンテストの結果がそろそろ発表されるのだなと思い、
JARL の Web サイトを見に行ったら、既に結果が掲載されていました。
https://www.jarl.org/Japanese/1_Tanoshimo/1-1_Contest/6m/2022/index.html

 

どの部門でエントリーしていたかをすっかり忘れており、
Log Check Report を見返したら C1200 だったので、その結果を見に行ったら、
関西エリアで 8 局中 2 位でした。
https://www.jarl.org/Japanese/1_Tanoshimo/1-1_Contest/6m/2022/entry.html#C1200

1 位の局は、約 7 倍の得点です。
初日のみの運用でしたが、フル運用したところで追いつける数字ではありませんでした。
https://ji3csh.air-nifty.com/blog/2022/07/post-b668a1.html

 

そういえば、先週の三連休は全市全郡コンテストでした。
しかし、天気が悪くアンテナを準備するのが面倒だったので、パスしてしまいました。

先日も書きましたが、本当にコンテスト熱が冷めてしまったなと実感しています。

2022年10月16日 (日)

チップ抵抗を各種取り揃えました

最近は自作でも面実装部品を使うことが増えてきました。

ちょっとした実験や、特性の合わせ込みなどのときに
抵抗の定数を取っ替え引っ替えしたりしますが、
欲しい抵抗値が直ぐに手に入らないことがしばしばあります。

なので、チップ抵抗を手持ち部品として各種揃えてみることにしました。

 


抵抗のサイズは 2012 サイズです。
1608 サイズでもはんだ付けは苦になりませんが、
プリント基板を自作することが多いので、少し大きめサイズの2012にしました。

抵抗値は、よく使いそうなものと思われる
 100Ωから100kΩまでの E12 系列
 100kΩから1MΩまでの E6 系列 (680kΩを除く)
 22Ω、33Ω、47Ω、4.3kΩ、20kΩ
の46種類 ±5%品をそれぞれ100個ずつ。

20221016_0001

20221016_0002

1MΩなどは使い切れないであろうと思われますが、まあ安いので良しとします。
これでしばらくは、気兼ねなく抵抗は使えそうです。

テーピングを10個単位ぐらいに細切れにして、
小袋に入れないとちょっと嵩張ってしまいます。

 


抵抗は、抵抗値、許容誤差、サイズ (耐電力) を決めてやれば、
(自作レベルであれば) 大体どこのメーカーを選んでも大きな失敗はしないと思います。

一方で、チップセラミックコンデンサ (MLCC) は、
容量値、許容誤差、サイズ、耐電圧のほか、DCバイアス特性、温度特性なども気にしないといけないので、
結構選択肢が狭まってしまうことが多いです。

2022年10月15日 (土)

デジタルモード用インターフェースのオペアンプ換装

FT8 などのデータ通信を行うときには、
パソコンとリグとを接続するのに自作のインターフェースを使っています。

何種類かこのインターフェースを作りましたが、
最近はもっぱら非絶縁タイプの Ver.2.6 を使用しています。

Ver.2.6 は製作記事にはアップしていませんが、Ver.2.5 から
 USBオーディオコーデックを PCM2903C
 USB Hub を GL850G
 USB-シリアル変換 を FT231XS
に変更したものです。

221015_0001

このオーディオ部分で使用しているオペアンプは AD8532A ですが、
今回 音質の評判がまあまあ良い AD8656A に換装しました。

写真上部の 8pin SOIC が AD8656ARZ です。
元々使用していた AD8532ARZ とパッケージコンパチなので、
そのまま付け替えが可能でした。

221015_0002

 

今回換装したオペアンプ周辺の拡大写真です。

221015_0003

ちょっとでも低ノイズ、低歪みの信号を出したいという思いでオペアンプを換装しましたが、
ノイズ、歪みの発生源となるボトルネック箇所は他にあると思います。
オペアンプを変えたところでノイズや歪みの改善度合いは微々たるものの可能性が高く、
全くの自己満足に過ぎないと思っています。

でも趣味は自己満足の世界なので、良い IC を使っているという満足感だけでも充分なのです。

2022年10月 1日 (土)

5V単電源 ウィーンブリッジ発振器の追試

先週末、5 V 単電源のウィーンブリッジ発振器を作りました。
5V単電源 ウィーンブリッジ発振器の試作

今日は、そのヘッドホンドライブ回路について、少し見てみました。

 


発振回路で発生させた信号をヘッドホンで音を鳴らすために、
一部回路を変更しました。

20221001_0001

・ダンピング抵抗 (R12 = 24 Ω) の追加
・プルダウン抵抗 (R13) を50 kΩ から 100 kΩ に変更・・・手持ち部品の都合上

20221001_0002

 

取りあえず、ヘッドホンドライブ回路 (反転増幅器) の入力抵抗 (R9) は10 kΩ、
帰還抵抗 (VR2) は 5 kΩ 半固定 のまま動かしてみました。

横着ですがヘッドホンの L と R を単純に短絡して、
ヘッドホンドライブ回路の出力に接続しました。

 


ヘッドホンで聴いてみた感じでは、偶然にも VR2 は 5 kΩ でちょうど良い感じでした。
VR2 を 5 kΩ にすると音は若干大きめかなという感じで、
逆に 0 Ω にするとほぼ無音まで絞り込めます。

ちょうど良い音量のところで、信号波形も見てみました。
 上 (CH1) が発振回路の出力波形 (IC1 の pin 1)
 下 (CH2) がヘッドホンドライブ回路の出力波形 (J2 の pin 1)
負荷 (ヘッドホン) は、ゼンハイザー HD206 を接続

20221001_0003

だいたい、200 mVpp 弱で良い感じの音量になっているようです。

定量的な測定できていませんが、ヘッドホン端子のところでも、
まあまあ綺麗な正弦波になっているように思います。

 


この回路をベースにサイドトーンモニターを作製し、
CW キーヤーと合体させたものを作りたいと考えています。

2022年9月25日 (日)

5V単電源 ウィーンブリッジ発振器の試作

5V単電源 ウィーンブリッジ発振回路の検討から、少し時間が経ってしまいました。
 参考:5V単電源 ウィーンブリッジ発振回路の検討

暑さも和らいできたせいか、ようやく電子工作のやる気が出てきましたので、
実際に回路を組んで動かしてみました。

 


■回路■

前回シミュレーションを行った回路に準じますが、発振の Gain を決める抵抗は可変できるように、
R3 (4.3 kΩ) と VR1 (1 kΩ) に変更しています。
また、発振周波数を決めるコンデンサ C4、C6 は、0.01 µF から 0.022 µF に変更しています。

さらに、後段にヘッドホンドライブ回路 (反転増幅回路) を追加しており、
出力振幅を可変できるように、帰還抵抗を VR2 (5 kΩ) としています。

20220925_0001

 

■使用部品■

IC1 のオペアンプは、アナデバ製の AD8532AR を使いました。
低電圧の rail to rail 入出力であり、かつ出力電流が ±250 mAと大きく、
データシートにヘッドホンアンプ応用例が記載されているオペアンプです。
GB 積は 3 MHz とあまり高くないですが、扱う周波数が 1 kHz 程度と低く、
Gain も高くて 3 倍程度なので、まあ大丈夫でしょう。

Q1 の FET は手持ちの 2SK208-GR を使いました。
低周波用 FET の定番 2SK30 の表面実装パッケージ品だそうです。

R6 の 1 MΩ 以外は、いちおう金属皮膜抵抗を使いました。
発振周波数を決める C4 と C6 は、フィルムコンデンサを使いました。

 

■基板■

今回は試作なので、ユニバーサル基板で組んでも良かったのですが、
オペアンプと FET が表面実装品なので、プリント基板を作りました。
ジャンパも使わず、片面のパターンで収まりました。

20220925_0002

 

■組み立て■

プリント基板に穴を開けるのが面倒くさいので、
抵抗やコンデンサもパターン面にはんだ付けしました。
今回は試作ということもあり、部品の再利用も考慮して、
抵抗やコンデンサのリード (足) は長めにカットしています。
見た目にも、特性的にもよろしくないのでしょうが、
あくまでも試作ということで割り切っています。
※出力の終端抵抗は後から追加したので、基板には実装されていません。

20220925_0003

 

■動作確認■

回路に電圧 (約 5.5 V) 印加すると、すぐに発振波形が確認できました。
割と綺麗な正弦波が出力されており、AGC がちゃんと効いています。

発振周波数は約 755 Hz となっています。
設計値は、$$f=\frac{1}{2\pi CR}=\frac{1}{2\pi\times 0.022\mu F \times 10k\Omega}\doteqdot 723 Hz$$
なので、誤差は 4.4 % ありますが、部品 (おそらくコンデンサが主) のバラツキ範囲内なのでしょう。

VR1 を回すと、発振波形の振幅が変化します。
VR1 を回しきって 0 Ωにしても、振幅は大きくなりますが、発振波形が歪むことはありませんでした。

発振回路の出力 (IC1 の pin 1) で、振幅が 2 Vpp となるように、VR1を調整してみました。
このとき、VR1 の抵抗値は 約 143 Ωでした。

20220925_0004

 

ピーク検波後の波形も見てみました。
半波整流なので、若干サグが出ています。

写真ではカーソルを表示させていませんが、
発振波形のボトムとピーク検波後の電圧差、すなわちピーク検波用ダイオード D1 の
順方向電圧 $V_F$ は、約 0.23 V でした。

20220925_0005

 

ピーク検波電圧と FET Q1 のソース電圧との差、すなわち Q1 の$V_{GS}$ は、約 0.78 V でした。
波形の上が Q1 のソース電圧、下がピーク検波電圧です。

20220925_0006  

$2\times (V_{GS}+V_F)=2\times (0.78 V+0.23 V)=2.02 V$ となり、
(当然でしょうが) 出力振幅を 2 Vpp に調整した結果と合致しています。

 

■ちょっと考察■

FET Q1 のドレイン ー ソース間の電圧 $V_{DS}$ を見てみました。
上の波形は発振回路出力 (1 V/div)、下は Q1 の $V_{DS}$ (100 mV/div) です。
$V_{DS}$ 波形の 0 V は中心線のところなので、-20 mV 〜 +10 mVぐらいの範囲で振れています。

20220925_0007

 

ここで、2SK208 のデータシートを見てみます。
絶対最大定格に $V_{DS}$ の項はありませんので、$V_{DS}$ がマイナスに振っていても特に問題なさそうです。

 

下図は、2SK208 データシートから $I_D - V_{DS}$ のグラフを抜粋したものです。

20220925_0008

2SK208 のドレイン ー ソース間抵抗は、この特性曲線の傾きになるので、
ドレイン ー ソース間の電圧が- 20 mV 〜 +10 mV (ほぼ 0 V) で動作しているということは、
ゲート ー ソース間電圧 $V_{GS}$ の変化に対し、特性曲線の傾き すなわちドレイン ー ソース間抵抗の変化が大きいので、
AGC の制御としては好ましい動作点で動いてくれているということが分かります。

$V_{GS}$ が 0.78 V でしたので、特性曲線の傾きから大凡のドレイン ー ソース間抵抗 $R_{DS}$ を求めてみると、$$R_{DS}=\frac{2.25 V}{8 mA}\doteqdot 281 \Omega$$となります。

Q1 のソースに付いているデカップリングコンデンサ C2 は 1 µF なので、
発振周波数 755 Hz におけるインピーダンスは、$$\frac{1}{2\pi\times 755 Hz\times 1 \mu F}\doteqdot 211 \Omega$$です。
R1 と R2 (ともに 1 kΩ) が並列に付きますので、合成インピーダンスは約 194 Ω になります。

よって、発振回路の Gain を決める抵抗は、$$194 \Omega + 281 \Omega (R_{DS}) +4.3 k\Omega (R3) + 143 \Omega (VR1) = 4.918 k\Omega$$で、Gain は 3 倍強となり、発振条件に近い値になります。
計算やグラフからの読み取り誤差を考えると、まあまあ妥当な数字ではないでしょうか。
 
C2 は今回 1 µF にしましたが、発振周波数を考えるともう少し大きな値の方が良かったかも知れません。

 


サイドトーンモニタ用の発振器として考えていますので、まあ実用になりそうな感じです。

ヘッドホンドライブ回路については今回記載していませんが、
いちおう動作することは確認済みです。
ヘッドホンを繋いで、最適なレベルに合わせることは、次回の追試にしたいと考えています。

2022年9月23日 (金)

はんだこてのこて先

電子工作される方は、はんだこてのこて先はどのような形状のものをお使いなのでしょうか。

 


こて先の形状は用途によって最適な形状があることを、恥ずかしながら今まであまり意識せずに使っていました。
仕事でも趣味でも、これまではずっと B 型のこて先 (鉛筆を削った先の様な形状) を使ってきました。

最近 D 型のこて先 (マイナスの精密ドライバの様な形状) を使う機会があり、
チップ部品のはんだ付けが楽にできたことに感動しました。

早速 D 型のこて先を入手しました。
私の使っているはんだこては、少々古いですが HAKKO の 936 型です。
こて部分は S サイズの 900S-ESD なので、それに合うこて先を選びました。

220923_0001

左から、1.6D 型、1.2D 型、I 型、これまで使ってきた B 型です。

220923_0002

先端部分を少し拡大すると、形状の違いがよく分かります。
この D 型ですが、チップ部品のはんだ付け時に、基板と部品の両方に熱が伝わりやすいので、
きれいにはんだがすっと流れてくれます。

 

すべての方が D 型が使いやすいと感じるわけではないと思いますが、
私は結構気に入りまして、常用のこて先にしたいと思っています。

 


これやっと思ったら凝る方なので、
HAKKO の PRESTO のこて先も D 型に変えてみました。

220923_0003

220923_0004

こちらは少し先が太いです (3.5 mm あります)。
少し大きなものや、同軸コネクタなどのはんだ付けに良さそうかも知れません。

 


すべて、ヨドバシドットコムで買いました。
定価の 15 〜 20 % 引きで、ポイントが 10 % 付き、送料無料です。
トータルで考えると、まあまあお得だと思います。

2022年9月18日 (日)

関西 VHF コンテスト 2022 の結果

明日は XPO コンテストの開催日ですが、
台風で強風が予想されますので、
アンテナを設置できず、参加は見送りにします。

そういえば、XPO コンテストが開催される頃には、
関西 VHF コンテストの結果は発表されているはずだと思い、
JARL 関西地方本部コンテスト委員会のホームページを確認しにいったら、
すでに結果が掲載されていました。

2022年 関西VHFコンテスト 結果 2022-5-14~15 開催

 

今回は珍しく、KC50  50 MHz バンドにエントリー
端から入賞なんて狙っていませんので、
結果に関してはまあこんなもんかという感じです。

 

コンテスト熱がだいぶ冷めてきている感じがするので、
もう一度温め直さないとダメですね。

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