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2018年2月25日 (日)

ヘアピンマッチの計算 (備忘録)

プリアンプを作っているときに、何回か L マッチの計算をしました。

◆◆ Lマッチについて ◆◆

トロイダル・コア活用百科にも記載がありますが、ハイパス型だと、
20180225_0001
$$Q=\sqrt{\frac{R_{2}}{R_{1}}-1}
\\X_{C}=R_{1}\cdot Q(\Omega)
\\X_{L}=\frac{R_{2}}{Q}(\Omega)$$となります。

なぜそうなるのかは、一度計算してみました。
高校1年の数学レベルで解けます。
虚数の計算と恒等式が解っていれば、計算自体はそんなに難しいものではありません。


◆◆ マッチング回路の計算 ◆◆

ここで、以前にヘアピンマッチの設計をしたことを思い出しました。
そのときは、アンテナインピーダンス $20\Omega$ を給電インピーダンス $50\Omega$に変換するものでした。

このハイパス型 L マッチを、
 $R_{ 1 }$ をアンテナインピーダンス
 $R_{ 2 }$ を給電インピーダンス
 $L$ をヘアピンスタブ
 $C$ をアンテナの容量性リアクタンス (共振長より短い状態)
と見立てると、ヘアピンマッチと同じ形になるので、計算式に当てはめて算出することができます。

$R_{ 1 }=20(\Omega)$, $R_{ 2 }=50(\Omega)$
とすれば、
$$Q=\sqrt{\frac{50}{20}-1}=1.225
\\X_{C}=20\times1.225=24.48(\Omega)
\\X_{L}=\frac{50}{1.225}=40.84(\Omega)$$となります。

これは、当時スミスチャート、イミッタンスチャートからはじき出して
「アンテナ側にX=-25Ωの容量性リアクタンスを付けておき(エレメントを
若干短くする)、並列にX=+約40Ωの誘導性リアクタンスを付ける
(ヘアピンスタブを付ける)と良さそうと言うことが分かりました。」

と書いた記事と一致しています。
当たり前のことでしょうが...


◆◆ 平行二線式伝送線路の特性インピーダンス ◆◆

次に、ヘアピンスタブの特性インピーダンスを求めます。
平行二線式伝送線路の間隔を $D(mm)$、導線の直径を $d(mm)$ とすると、
特性インピーダンス $Z_{O}(\Omega)$は、
20180225_0002
$$Z_{O}=277\log_{10}{\frac{2D}{d}}(\Omega)$$から求められます。

例えば、間隔を $30mm$、導線の直径を $2mm$ とすると、特性インピーダンス $Z_{O}$ は、
$$Z_{O}=277\log_{10}{\frac{2\times30}{2}}=277\log_{10}{30}\approx409.16(\Omega)$$となります。


◆◆ 平行二線式伝送線路でのインピーダンス変換 ◆◆

ここで、長さ$l(m)$の平行二線式伝送線路の先に$Z_{Load}$のインピーダンスが接続されているとき、
反対側からみたインピーダンス$Z_{In}$は

20180225_0003


$$Z_{In}=Z_{O}\frac{Z_{Load}+jZ_{O}\tan{\beta l}}{Z_{O}+jZ_{Load}\tan{\beta l}}$$ただし、$$\beta =\frac{2\pi}{\lambda}$$です。


◆◆ ヘアピンスタブでのインピーダンス ◆◆

ヘアピンスタブは、$Z_{Load}$の部分がショート ($0\Omega$) なので、$$Z_{In}=jZ_{O}\tan\beta l$$となります。
この $Z_{In}$が、上記で求めた $X_{L}$ です。
($X_{L}$ は誘導性リアクタンスなので、プラスの $j$ が付く)

周波数が 18.1MHz だとすると、波長$\lambda$は $16.575m$ なので、
よって、$$40 (\Omega)=409.16\cdot \tan{\frac{2\pi}{16.575}l}=409.16\cdot \tan{0.379l}
\\l=\frac{\tan^{-1}{\frac{40}{409.16}}}{0.379}=0.262m$$

※ここで計算する $\tan^{-1}{\frac{40}{409.16}}$ は、radian でなければなりません。
 Excel での計算では問題ないですが、電卓だと degree で算出されることもあるので注意
 最初計算が合わずに、はまってしまいました。

短縮率を 0.975 として掛けると、0.255m = 25.5cm となり、以前とほぼ等しい値が求まりました。


◆◆ 50Ωに変換するヘアピンマッチの長さの一般式は? ◆◆

以上の式をまとめると、こんな風になるのかな。
 アンテナインピーダンスを $R_{ 1 }(\Omega)$
 ヘアピンスタブの間隔を$D(mm)$
 ヘアピンスタブの線材の直径を $d(mm)$
 波長を $\lambda(m)$
 波長短縮率を $v$
とすると、ヘアピンスタブの長さ$l(m)$ は、
$$\Large{l=v\cdot \frac{\lambda}{2\pi}\cdot \tan^{-1}{\frac{\frac{50}{\sqrt{\frac{50}{R_{ 1 }}-1}}}{277\log_{10}{\frac{2D}{d}}}}}$$

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