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2017年2月24日 (金)

バラン用巻線の特性インピーダンス測定結果から考察

先日3本撚り線や平行線などの特性インピーダンスを測定し、大体の傾向が掴めました。
それらの結果について色々と考えていたら、これまでやってきた事の辻褄が何となく合ってきたので、
自分の備忘録として書き留めておくことにします。

まず平行2線ですが、ポリエステル銅線で密着させて構成させた場合、
特性インピーダンスは50Ωに近いものになりました。

20170223_0001

図は密着平行2線の断面をイメージ化したもので、グレー部分が銅線、
黒線部分が被覆材のポリエステルやポリウレタンなどです。
被覆材を介して、2線が線(断面で見ると点)で接しています。
2線の接触部分において、線状のコンデンサが形成されているので、
平行二線の特性インピーダンスの式
  Z=277×log(2D/d)  D: 二線の間隔、d: 線径
で求められる値よりは低くなっており、たまたま50Ωぐらいになっていたと思われます。

2線を撚った場合も、上記とあまり変わらないのではないかと思います。
(下述のように、きつく捩ると別ですが)
なので、以前作ったフロートバランでは、巻き数が少し多かった(巻線長が長かった)
にもかかわらず、特にVSWRの悪化は気にならなかったのは、
2本撚り線の特性インピーダンスが50Ωに近かったからではないかと推測されます。


では、3線の場合はどうでしょうか。
密着させた平行3線だとこのようになります。

20170223_0002

これだと、着目している2線の特性インピーダンスに及ぼす影響は
殆ど無いのではと考えられます。


次に、3線を束ねたり、撚ったりした場合はどうでしょうか。

20170223_0003

このように、2線間のインピーダンスに対し、並列に別の特性インピーダンスが
加わるようになるのでは無いでしょうか。

単純に考えると、2線間の特性インピーダンスをzとすれば、
 z//2z=2z/3
となるのでないでしょうか。

密着平行2線の特性インピーダンスが50Ωに近い値でしたので、
上記で考えると、3本撚り線の特性インピーダンスは30Ωぐらいになりそうです。
これは、緩く捩った3本撚り線での結果に近い値です。


さらに、きつく捩った場合は、こんな風に(多少デフォルメしていますが)
それぞれの線同士が「線」ではなく「面」で接触しているのではないでしょうか。

20170223_0004

このような状態では、線間に形成されるコンデンサのキャパシタンスは増え、
その結果として特性インピーダンス
 z=√L/C
は減ることになります。
すなわち、3本撚り線の場合は、きつく捩れば捩るほど特性インピーダンスは
30Ωぐらいからさらに下がっていくと想像できます。


一方で、これらの撚り線を伝送線路としてみたとき、線間の絶縁体というのは
ポリエステルやポリウレタンであり、大気(空気)ではありません。
そうすると、伝送線路の短縮率というのも考慮する必要が出てくると思います。
伝送線路の短縮率Vpは、
 Vp=c/√(µs×εs)
で表されるそうです。

これらの場合は線、絶縁体などが非磁性体なので、比透磁率µsは1として考え、
ポリエステルとのポリウレタンの比誘電率εsは、それぞれ2.8~8.1、5.0~5.3
とのことなので、短縮率は0.59〜0.35、0.44〜0.43と算出されます。

50MHzのバランとして、巻線長が30cmぐらいなので、
短縮率を仮に0.4とすれば、巻線長は1/8λとなります。
波長に対して、巻線の電気的な長さが大きすぎます。
巻線の特性インピーダンスが50Ωからかけ離れていると、
VSWRに大きく影響することは容易に想像がつきます。

色々と書いてみましたが、HFローバンドだと波長に対する巻線長が短いので、
こんなに気にすることは無いのでしょう。

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